ドライバーの向き不向き

少しづつ荷量が増えてきて、いよいよ年末に向けての繁忙期の雰囲気が漂ってきている今日この頃。

この時期になると運送会社のホーム上は数多くの荷物で通路も狭くなり、各トラックドライバー達がパレットを引く導線上で喚き散らす姿は、他業種の人達からみると喧嘩しているようにしか見えないかもしれません。

 

少しでも早く出発しないと配送しきれないような荷量になると、ドライバー達のイライラが頂点に達するのは毎年恒例の風景でもう慣れましたが、やはりこういう業界に集まっているキャラは腕力自慢の者が多く、他人を罵倒する姿は妙に似合っている。ただ彼らがこれまでと勝手が違うのが相手も同じキャラだということ(笑) もうゴジラ対キングギドラのような戦いが敷地内のあちらこちらで繰り広げられています。繁忙期はこういうイライラした怪獣達が走る凶器に乗ってそこいらじゅうを駆け巡っておりますので、ご注意くださるようお願い申し上げておきます。

 

さて、運送会社の繁忙期のひとコマをご紹介いたしましたが、運送業界について何の知識も経験もない人が転職・中途採用でトラックドライバーとして来ることも決して珍しいことではありません。中高年であれば大抵中型まで乗れる普通免許は持っているということもありますが、他に職に就けないからといって比較的採用されやすいイメージの運送業界に流れてきてしまうのもどうかとは思いますけど(よく未経験でトラックドライバー希望で来るよなぁ。だったら軽ドライバーやればいいのに)。

そういう私も何回かの転職経験者でありますし、実際今は運送業界に足を突っ込んでいるので「何で来るの?」みたいな事をいうのはおかしいのですが、向き・不向きで言えば「不向き」な人が中途で入ってくる事が多いように感じます。上記のような未経験者で「他に働けるところがない」みたいな薄い動機で続けていけるほど甘い仕事ではないですし、かといって同業から流れ込んでくる者も他社で使い物にならなかったとか、給料が安かったからという、他業種でもよくある理由ですから先は見えている。大体転職が容易な業界・会社はそのジャンルの中で動いている限りはどこ行っても労働条件は大して変わり映えしない。一時、隣の芝生が青く見えるかも知れませんが、違った角度で見ているからであって近くに行けば同じ色だったということになり、また転職を繰り返す。しかも懲りずに同じジャンルの中で。

 

「運転が好きだから」という理由も、仕事としてのドライバーとして考えると必ずしも向いているとは思わない。業務は難しいことはないのですが、アバウトな感じのする見た目よりはコツコツ・繊細さを求められる仕事なので、どちらかというと性格が合うか合わないかの方が大事かも。誤配を何回もしたりやたら荷物を投げたり落としたりする人は、集中力が持続しないタイプだと思うし、実際すぐ辞めていく人は早々に誤配もするし商品事故起こしたりしていますから。運転が好き・得意ということは最も重要なことではない。運転が苦手・好きではない私が10年以上ドライバーやっているのも不思議な話ですが。

個人的にドライバー仕事に重要だと思うことは、常に冷静でいられることではないかと。時間に追われていても荷捌き時に声を荒げたりせず、やれることから片付ける。運転中も決して煽ることなく(トラックよりダンプカーの方が煽り率高い?)安全運転する。荷降ろし待ちで1時間以上待機していなければいけないような時は読書・勉強する絶好の休憩時間と考えたり・・・ 例え配達時間に間に合わなくても配達し切れなくても、法を順守している限りそれはドライバーの責任ではない。許容応力を超えた受注をしている会社の責任ですから、焦ることなく配送を遂行していくという開き直った度胸も必要でしょうか。業務命令より法順守が優先されるということを各ドライバーがしっかり認識しておくべきです。もし会社がハラスメントして来たら堂々と訴えてやれば必ず勝てますから。実はドライバーの立場はそんなに弱くない。

私は冷静ではないがいつも開き直っています。^^;

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