DRIVER SHIFT
医療の進歩等により人間の寿命が伸び続けています。確かに最近の高齢者は昭和の時代に比べて元気な方が増えているように感じます。
病院の待合室などでは「何でここにいるの?」とツッコミたくなるぐらい、どこも悪く無さそうなご老人達の病気自慢合戦が行われている・・・
最近の書籍でも「LIFE SHIFT」「WORK SHIFT」に代表される「人生100年時代」というテーマのものが売れている。単に長生きのコツとか看取られ方みたいな内容ではなく、引退とか定年という概念を捨て、人生を精一杯有効に使い切るために希望と戦略性を持って生きましょうという考え方が、働き方改革と相まって話題となっている。
昭和の時代は、一つの会社で60歳まで勤め上げ、定年後は退職金と年金で悠遊と隠居生活というのが多くの方の人生パターンであった。しかし現代は一つの会社で勤め上げる事が困難になり、勤め上げたとしても退職金すら無いことも珍しくない。頼みの年金も支給開始がどんどん先送りされ支給額も減り続け、もはや定年引退など夢の夢。年金支給まで会社にしがみ付いて生き延びなければならない時代。そんな生き方・働き方が人生の集大成になってしまうならあまりにも悲しすぎる。自分は何のためにこの世に生まれ、勉強してきたのだろうか?と。
「近未来的軽ドライバー」のコンセプトも「LIFE SHIFT」「WORK SHIFT」の内容と相通づるものがある。人生を流れ作業のように過ごしてはいけない。もっと自分という個性・考え方を発揮できる生き方・働き方はできないものか?と軽運送業を始めてからずっと考えておりました。もちろん社会の役に立つために歯車となる時期はあって良いと思います。その経験は先に進むためにも大事だし社会のしくみを理解するためにも必要です。ただそれだけでは自分の人生につぶしが利かなくなる。仕事一途で来た人が定年後に何をすればよいかわからないという話はよく聞きます。
現在の仕事を続けていられるうちは、まだ収入もあるし仕事に拘束されているからそこに身を任せていればよいのですが、いざ強制的にその生活を打ち切られた時に生きていく術を持っているかどうか。幸いにも老後をしのげるお金がある人なら残りの人生の時間を何に費やすのか。
年金があてにできないのに長生きしてしまう。
こんな未知のステージを意識して過ごしていかなければならないのは、もう当たり前の時代なのでしょう。収入と時間の使い方は人生エンディングまで続く課題です。いきなり「どうしよう?」とならないように、各人の現在のステージから繋げていく準備が必要だと思います。
私が軽運送業を始める時に不安・疑問に思っていたことへの対策が、現在も続けているマルチワークです。軽ドライバーに限らず、トラックやバス、タクシー等のドライバー職全体にも言えることですが、定年が延びたとしても運転を続けられるとは限りません。最近問題の高齢者による運転事故やバス運転手の運転中の持病発作による死亡事故などの懸念から、5年後10年後の法が年齢制限による強制免許返納になっているかもしれないし、自動運転車両の実用化が進みドライバー職の大量解雇という可能性もある。
時代の変化についていく働き方を持たねばならないと強く思うこの頃です。一つの会社一つの仕事しか知らなければ、非常に危険な状態。特にドライバー職というのは働き方として不器用と感じてますので、変化に滅法弱いのではないか?という危惧があるため、私は70歳までは働くことができる環境の副業を取リ入れています。そして今は新たに60歳以降の無理のない収入手段を構築する準備を始めています。環境の変化に順応できることも近未来的軽ドライバーの心得として加えておきましょう。
「LIFE SHIFT」「WORK SHIFT」というスタイルは自営業ならやりやすい。
皆様のフロントガラス越しにはどんな将来の景色が映っていますでしょうか?