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会社員を経験してから独立してみると、ふとした時に孤独を感じることがあります。
特に軽運送業で個人事業主となると、1日の中で誰かと共に行動したり話をする機会はほとんど無くなると言っていいでしょう。せいぜい出発前の積込みをしている時の数分程度か。
人間関係の煩わしさを独立する理由の一つに挙げる人がいます。
人が何人も集まるような組織では、中には気の合わない人や変な人がいても不思議ではない。考え方の違う会社や上司の下にいたら耐えられなくなることもあるでしょう。そんな環境でこの先も我慢・忍耐を続けていくのか、思い切って違う生き方に活路を見い出すのか。
社員ではないフリーの軽ドライバーになると、人間関係の悩みからはほぼ解放されます。上司 ー 部下 という関係はなくなり、あるのは「自分が自分を仕切る」という自己管理の部分のみ。
ただし中には委託の軽ドライバーに上から目線で口うるさくしてくるような職場環境もありますので、仕事選びの際には注意されたし。特に朝から晩まで拘束したり日々の配達ノルマを課してくるような仕事には、会社員時と同様なストレスを感じるかも知れません。
一番自覚しておいて頂きたいのが「雇用契約の関係ではない」ということ。
社員として採用されるのでなければ基本は業務委託契約や請負契約となるでしょうから、仕事上の最低限のルールを除いては人間関係的に相手に必要以上に迎合することはない。会社員時代の下僕体質を引きずっていると、請負先の人間が皆上司のように感じて変に下手に出る人がいますけど、上司 ー 部下 の関係ではなく、提供した労働に対する対価を頂くというあくまでも対等の取引をしていることに胸を張りましょう。
家族を率いる経営者として堂々としていればよいのです。
独立してまでも人間関係のストレスを引きずってはいけない。
まあ無駄に周囲と軋轢を生んでも仕方がないので、よほど軽運送業で一旗揚げようという野望がなければスタンドプレーして目立つ必要はない。地道に自分のドライバーのスキルを磨き、時間を生み出し、次のステップへ行く準備をしておきましょう。
この「次のステップ」をどう捉えるかが大事です。
軽運送業を自分の人生においてどういう位置付けにしているのか?
生涯唯一無二の仕事・働き方とするのか、他の仕事・働き方も含めた「複業」の一つとして考えるのか。
軽運送業はそのどちらのパターンでも進めていけるユーティリティな働き方です。
フリーランスの自由度を活かしたオーダーメイドな働き方ができます。
そこで一つ思ったことがあります。
この自由な働き方を自分のアイデア以外に、他人のアイデアも聞いて考えてみる。
普段挨拶程度でほとんど会話もしていないような軽ドライバーの繋がりですが、結構面白い経歴や副業・収入手段を持っている人がいたりします。(過去記事:不労所得ドライバー、見つけた!)
他人の話を聞いたりすると刺激を受けたりモチベーションが上がったりします。自分の生き方のヒントにもなるし、協力してくれたりもする。
しっかり自分の生き方を実践している人を見つけたら、考え方や行動のベクトルを同調するよう努力してみると良い。「成功の近道は成功者の真似をする」という、ビジネス学の基本みたいな考えに近いのですが、上手くいっている人・楽しんでいる人と自分の違いが判ると、急に人生が回り出したりすることがある。そこに気付くまでが結構時間がかかったりしている人は多いのですが、実際目の前に成功者が現れたりすると「何でこんなことに気付かなかったのだろう、悩んでいた自分・浪費していた時間がもったいないなかったなぁ」と感じることが出来ればしめたもの。
会社員時代、悶々としていた日々を変えるべくビジネスセミナーに参加した時、そこには一流企業に勤めている方や既に自分のビジネスを持って活動されている人、教師を辞めて新ビジネスに挑戦しようとしている人など、自分の経歴とはかけ離れた人々から大きな刺激を受けました。その時から自分の思考・行動に徐々に変化が起き、転職を恐れず未来を恐れず、ひたすら自分を信じ前へ進むことが出来る体質(笑)になって行き今の自分に至っている。
とは言っても大した仕事をしているわけでもなく大した収入でもない。ただ軽運送業を営んでいる人々の中においては試行錯誤している方だと思うし、この歳で居心地の良い働き方の一つを見つけられたということは、過去に出会った人達のベクトルに影響を与えられ、同調してみた結果によるところが大きいと思っています。
もしビジネスセミナーに参加していなければ、もし自分とは全く違う世界で生きている人達に出会わなければ、今頃私はどこで何をしているやら。
少なくともこうしてこんなブログを書いていることはないだろうなぁ。
本当に人生って紙一重のところがありますね。
その紙一重を二重三重にして可能性を狭めてしまっていませんか?