非正規・・・時給1,000円の世界からの決別
12月も中盤に差し掛かり、忙しさだけは例年通り。
しかしコロナの影響で例年とはちょっと違う景色があちらこちらに見受けられます。
本来ならボーナスが支給され、街中のクリスマスムードと活発な商戦に心も踊る頃。
しかし今は密を避けるため街中は例年に比べれば人手は少なめ。忘年会の喧騒もほぼ無いような寂しさが立ち込めています。
コロナ騒動で明け暮れた令和2年。
年末になっても騒動が収まるどころか、感染者は増加の一途。
来年がどのような年になるのか想像もつきませんね。
世界中が混乱する中、日本経済も大きなダメージを受けました。
職を失う者が10万人に迫ろうとしています。
企業存続のために労働力をカットしていく動きは、コロナが目に見えて鎮静化していかない限りこれからが本番になるかも知れません。
順番としては外部委託切りから始まり、社内にいる派遣やアルバイト等の非正規のカット、そして正社員もが切られていく・・・
こんなんでいったい会社には誰が残るのか?
今回のコロナ騒動により、いかに不要不急な労働力があちこちの企業に存在していたということが炙り出されてきている。
これだけ人を切っても会社は存続できるのですから。
いや、切らなければ存続できないならなぜ雇う?
このような状況で自分だけは絶対に大丈夫と思っている人はどれだけいるのだろうか?
貴方がいなければ会社が成り立たない、回らないというキーマンである自信はありますか?
非正規から切られるということからわかるように、時間の切り売りで働いている労働力は切られやすい。
雇用と言う他人のルール下で働いている限りは、いつ自分が相手都合ではじき飛ばされても仕方がない。
そういう仕組みの中の歯車の一つが非正規の役割なのですから。
歯車を回す側でなく回される側になっていることに気付くべきです。
経営側からしてみれば時給1,000円程度で雇っている者は、いつでも取り替えることができる歯車にすぎない。
世の中にごまんといるパーツ(労働力)の一つでしかないなら、大事にされないのは覚悟するしかない。
政治家が国民をパーツのように軽んじているのも、今回のコロナ騒動のような後手後手の他人事のような政策からもよくわかります。
今のリストラ候補になっている労働者も経営者から同じような見られ方をしている感じがいたします。
パーツ扱いされる原因の一つが誰でもできる安い労働にある。
求人広告を端から端まで眺めてみた時に、いかに時給1,000円前後の求人が多いかに気付きます。
都道府県ごとに最低賃金が時給ベースで決められていますが、辛うじてそれを上回る程度。
求人の9割ぐらいがその価格帯に集中しているぐらいの感じがあります。
仕事内容に程度の差があっても時給1,000円前後に集中してしまう不思議。
いつのまにか私達は非正規の仕事の価値が時給1,000円程度と植え付けられてしまっている。
特別な能力のない者は所詮自分はその程度の人間と思ってはいないだろうか?
時給(時給換算)2,000円前後、もしくはそれ以上の求人というのは意外にある。
しかし一般の人がやりたがらない系の仕事が多い。
ガテン系の仕事などは容易に想像がつくと思いますが。
セメント袋の積み降ろしや建築機材の搬入出、鳶職などは一般のバイトの半分の時間でそれ以上の金額にはなる。
しかし残念ながら長続きしない人がほとんど。普通の体力・気力では無理。
私も週に何回かは現場宛ての重量物の荷物があるが、これを毎日とか1日中とかはいくら稼げると言っても続かないと思う。
一般には低賃金と思われている介護系の仕事にも高額な案件はある。
しかし高額な案件は排泄や入浴等が伴う。体力よりメンタルがやられてしまうでしょう。
実際にやってみればこれらの仕事に就いている人に対して賃金云々ではなく尊敬の念が生まれると思います。
特に今なら賃金が上がるでもなく、むしろボーナスが減額とか厳しい環境で働いている医療従事者の方々にはただただ頭が下がるばかりです。
給料が安いだの残業が多いだのと愚痴っている自分が恥ずかしくなってしまいますよね。
では結局は自分ができることは時給1,000円程度の仕事に収まらなければならないのか?
時給に不満があるのなら解決策は3つ。
1つは単純に時給の高い仕事に就く。ただし仕事内容に不満を言ってはならない。
2つ目は労働時間を短縮して時給ベースを上げる。総額は変わらないが短縮した時間で別の可能性が生まれる。
3つ目は仕事を自分で作る。報酬は自分で決められるのはなかなか魅力的。
一番目は根本的な解決策ではないですね。結局は他人に時間も収入も支配されている。
二番目はすべての仕事に可能なことではない。拘束時間を変えられないと時給も変わらない。
三番目は取り組む姿勢として重要だと思うのです。仕事を作るというより働き方を工夫するということ。
現在従事している環境において、自分がどれだけ労働時間や報酬を支配できるか。
始業・終業とか定時の概念を無くし、その日の仕事量を終えたら帰れるようにすると職場のモチベーションやパフォーマンスが向上するというデータがあるぐらい。
ダラダラと定時までいなければならないのと、終われば上がりという明快なルールでは労働対価が変わってくる。
それが可能な仕事を選べば、求人上の時給以上に満足度は高くなるはず。
ただしせっかく労働時間を短縮して時給パフォーマンスが良くなっても、浮いた時間をどう使うかでその価値が決まってくる。
ちなみに私の軽貨物の仕事は12年以上やっていますけど1円も賃金は上がっていません。
しかし始めた当初からは時給換算ではほぼ倍増しています。配達スキルが上がり労働時間が半分になったから。
この浮いた時間で複業をいくつか可能にすることで収入や満足度は大幅にUPしています。
これは「ごーしんさん」も同様ですね。
軽貨物の仕事の良いところの一つが「終われば上がり」という働き方ができること。
ただし時間で拘束されたりとんでもない荷量を任されたりする仕事では自分が仕事を支配することは難しい。
今回は「時給」という面から働き方を考えてみました。
無理に時給の高い仕事をやろうとすれば逆に長続きしなかったりします。
時給は変えられなくても労働時間を短縮すれば時給はUPしたのと同じです。
時間に拘束されたり自由度が利かない仕事を選んでいませんか?
自分の可能性を高める働き方を考えてみましょう!
単に求人情報の上っ面の条件だけ見ていても時給1,000円の壁は超えられない。