自動運転を操縦する免許って?

楽なのはいいけど買えねぇし維持できねぇし免許もいるの?
年明けの閑散期が過ぎ、年度末で人の移動や物の動きが活発になってきた時期、ドライバー職の方々にもようやく春の兆しが見え始めたか?
何より運送の仕事で今が1年で一番のピークとなる引っ越しの世界。
しかし引っ越しの仕事は引っ越し専門の会社だけがやっているわけではありません。
この時期は横の繋がりで運送会社も副業的に引っ越しの仕事を請け負ったりしています。
たぶん引っ越し専門の会社だけではこの時期の需要をカバーできません。
昔から体力のある学生や若者には短期間でそこそこ稼げたアルバイトとして応募も多かったかもしれませんが、AIやネットビジネスが浸透しているこのご時世ではそこまで苦しい思いしなくても稼げてしまう手段はいくらでもある。
SNS等でいろいろな仕事の情報が簡単に見れるので引っ越し作業のハードさは皆が共有することとなり、また一時期のブラックな体質もバレてしまい敬遠される仕事になってしまった感がある。
運送業の中でも特にハードと言われている引っ越し作業は、普段トラックの仕事をしているドライバーでさえ音を上げるほど。
しかもこの時期は1日に数件をこなさねばならないほどとなると、にわかアルバイトでは1日で辞めてしまうのは無理もない。
いくら横の繋がりとは言っても、運送会社の指示で手伝った社員トラックドライバーは引っ越し仕事では直接報酬がドライバーのものになるわけでもなく、請け負った運送会社にほとんど抜かれて謎の手当として数千円程度がドライバーに支給される。
時給に換算すれば最低時給にすら届かない。あくまでも手当・寸志ですから。

1日で辞めちゃうのわかる!時給3,000円でも俺はやらねぇ!
まあ引っ越しの手伝いはトラックドライバーを輪番で回しているので、そんな時期限定の手当でも喜ぶ人迷惑がる人、悲喜こもごもでしょう。
ただ来月からは2024年問題で残業規制・労働時間のチェックが厳しくなるので、いくら運送会社が副業的にお手伝いするとは言ってもこれまで通りにはいかなくなるでしょうね。
本業の運送業にかける時間を副業のために削るわけにはいかないでしょう。
求人で人を集められなくなってきた引っ越し専門の会社。今年はギリギリ何とかなるかもしれないが、来年以降は横の繋がりさえ期待できなくなる。
物流の危機、2024年問題はこんなところにも影響が出てしまいます。
これまで通りの年度末の引っ越しは出来なくなることを想定して、企業は人事異動を一般の人々は引っ越しの時期を考えた方がよいかも。
メチャクチャ高い料金設定になるか早々に断られることになっても、それでも古い慣習を優先にする?
ここ数年はコロナの影響で人の動きや人事異動も大人しめだったので引っ越しに苦労する話は目立ってきませんでしたが、いよいよ運んでくれる人・会社がいなくなる現実がすぐそこまで来ている。
これは荷物が指定通りに届かなくなる宅配や企業便の問題と一緒。
またバスの減便や路線廃止、タクシーが来ないという問題とも一緒。
いつの間にかサービスを提供する側の労働力が激減するという異常事態が身の回りに起こっているんです。

残業代なきゃ生活できない職業に誰がなりたいと思う?
特にドライバー職の人口が激減しているのはなぜだろう?
職業はいろいろあるけれど、それぞれでリスクの大きさが違うし実質的な労働寿命の差も影響していると思う。
運送業の「運転」という能力的な部分を考えてみると、視力聴力判断力は目に見えて衰えがわかるため引退の判断基準もつきやすい。
そこに肉体労働という体力的要素も加わってくるため、中高年になってくると仕事を続けることがキツくなってくる。
キツいからと言って勝手に休むわけにもいかず、多くのドライバーが抱える「腰痛」という持病も放置していれば日常生活すら困難になり働きたくても働けない状況に追い込まれる。
自分自身を犠牲にしてまで得られるものは大きいか?運転が好きというだけで続けられるのか?
それに加えて頼みの残業代すら削られていく「稼げない」という働き方になる環境が輪をかける。
簡単に言うなら「割に合わない」ということになる。もちろん割に合ってる人もいるから職業としては生き残っているが。

元気でもドライバー仕事が出来なくなる日がやってくる・・・
免許返納という避けては通れない時がいつかは来る。
今のところ自主判断に任されているためドライバー寿命にはバラつきがありますが、毎日のように報じられる「高齢者による運転事故」があまりにも目に付くため高齢者の免許更新はどんどん条件が厳しくなっていくことでしょう。
もしかしたら免許上限が75歳とかで強制的に切られてしまえば、更にドライバー職の人口は減ってしまう。
現に70代後半のタクシー運転手や軽貨物ドライバーも存在するし。
定年なくいつまでも働けるという理想郷はどこへ?もはや夢見ることすら許されない時代になっている。
そしてそもそも運転免許を取得しないという若者も増えているのも大きく影響しているでしょう。
昔は就職にプラスになるということで多くの若者が大学の夏休みとかを利用して免許を取得していた。私もその一人。
しかし今は交通網・通信網が発達し、営業職等でも車を運転する必要性が薄れている。
個人でも企業でも駐車場代等の車の維持費もバカにならないし、リモートの必要性で通信環境整備費が車の維持費より優先度が高くなっている。
ドライバー職だってわざわざ金かけて特殊免許取ってまで稼げる仕事ではなくなっているし。
何より人身事故というリスクが大き過ぎる。
一発やってしまえば人生が終わる。こちらがどんなに注意していても凶器を操っている(ハンドル握っている)側に責任が重くのしかかる。
若者にとっては身分証明はマイナンバーで済むし、リスク背負って体力すり減らして運転職する理由なんて理解できないでしょう。
リモートワークや在宅の仕事が珍しくなくなりつつある中で、ハンドル握っている間はスマホすらいじれないというのは生産性が低いと思われても仕方がない。
63歳の私ですらここ数年はそう思う。スマホで出来てしまう仕事を経験してからは特に。

大型スーパーなどでは自動掃除ロボットが走り回っている
自動運転はいつ実用化されるであろうか?
もし実用されればドライバー人口は更に減ることでしょう。そしてそれに代わるのが自動運転を操縦する仕事?
それって特殊な免許が必要になるのか?
全ての車が自動運転になる世界であれば事故リスクはかなり減らせるかもしれません。
ただし車道と歩道の完全分離が必要になるでしょう。
いくら完璧に車両側をコントロールできても人や動物の飛び出しは防げないため、事故の責任の所在を確定させるのは難しい。
電車のホームドアのようなものを全ての道路に設置するのはまず無理。
高架にするかトンネルにして人と車を完全分離させるか。これも非現実的でしょう。
とすると自動運転とはいえリモートではなく車両に人が乗り、結局は人による操作が必要になるのだろうか?
その場合の運転(操縦)免許というのは新たに設置されるのか?それとも既存の免許で代用できる?

運転ゲームなら得意だぜぇ!リスクないならやってやるぜ!
もし運転免許ではなく操縦免許ということになれば少しは若者の興味を惹けるか?
ゲーム世代には少しは刺さりそうだが結局は自分がどれだけリスクを負わされるのか?ということと、どれだけ効率よく稼げるか?ということなのだろう。
「運転中も一人きりの世界!スマホOK!」みたいな自動運転の求人だったら、やってみたいと思う人は増えそうだが。
自動運転という技術・システムの問題と、それを操る側の免許と責任の問題。
そして自動車保険の中身も激変していくのだろうか?
これまでのドライバー職のイメージが大きく変わっていくかもしれない。
それでドライバー人口が増えるか減るか。
3年後の日本がどうなっているか、賭けてみる?