十人十色
自分の個性って何だと思いますか?普通とちょっと違うところってありますか?
よく日本人は横並びの性質と言われていますが、確かに周囲の目を気にしたり調子を合わせたりして自分だけが浮かないように気を配ることはありますよね?中にはマイペースな人もいますけど。
日本の社会では「出る杭は打たれる」という表現がよく使われますが、横並び性質を端的に表しています。目立つ人は何故か恨み妬みを買い叩かれる風潮は、大人の世界だけでなく子供の社会にも蔓延っていますよね。イジメの問題なんかはまさにそう。ただ大人より残酷なのは出ているわけでもない杭を叩きに行くこと。叩かれる対象となる者は大人しい子に多いというのも深刻です。
子供の頃から個性を潜めて目立たないようにしていると、目立ったり抜きんでたりする者に対する嫉妬心が芽生えてしまうのでしょうか。せっかくの潜在的な能力・個性がつまらない足の引っ張り合いで潰されている人はけっこういるかも知れませんね。
個性を発揮しリスペクトしあえる社会は日本では難しいのでしょうか?ネット上のコメントを見ていると、確かに他人を簡単に誹謗中傷したり叩くようなものが年々増えてきている。他人は他人とせず、自分の考え・意見と違うものは憎悪の対象のごとく攻撃する。これでは皆が委縮してチャレンジすることを止めてしまう。
「ナンバーワンにならなくてもいい、もともと特別なオンリーワン」という素敵な歌詞がありますが、最近は無理してナンバーワンを目指すことより、本来の自分を見つめ直し、自分の中の特別を育てようという人が増えてきているように感じます。ナンバーワンになろうとするとそこに邪魔をする人が現れる。他人との競争に巻き込まれれば足の引っ張り合いになる。出世競争なんてまさにそれ。しかしオンリーワンを目指すなら競争相手は自分自身。これぞ働き方改革!
誰にでも個性はある。時には個性のぶつかり合いも刺激になるが、潰しあいになってはいけない。違う個性が上手く重なり合うような組織は強力だし面白い。各自のカラーが互いを引き立てるような配色を考えるのが上司であり社長の仕事。各自はそれぞれが自分の持ち味を磨いていればよい。それが他の色より綺麗に見せようとか沢山使ってもらおうとか欲を出すと途端に組織はおかしな方向に走り出す。
まずは自分のカラー・特徴を整理・把握してみましょう。好きでもない事を無理してやっていませんか?その状態を一生続けますか?自分のカラーを変えてまでもやらなければいけないことなのでしょうか?いつ誰にでも作れてしまうカラーであれば、その立場は誰かに取って代わられてしまうかもしれませんよ。独自の色を磨き上げてこそ存在価値は輝いていくのではないでしょうか。同じ色を多くの人と競い合ってもそこに現れるのはオーシャンレッドの世界。目指すは競争がなく自分の色が引き立つオーシャンブルーの世界。
とは言っても軽運送業の世界で十人十色は難しい。基本的には軽運送業に依存している方がほとんどですので、スポットやチャーターでなければ毎日同じ時間に来て同じように仕事をしている限り、そこに個性は見い出しにくい。せいぜい配達のスピードぐらいでしょうか。それは個性というより能力の部類。
私の場合、どこを向いて仕事をするかというと荷主・請負先にゴマをするより荷受人・配達先の方に可能性を感じている。荷受人や配達先にも日々いろいろなドライバーが訪れているわけで、私は結構配達先から情報収集しており、現に今の副業の配送を請け負えたのもそこに出入りしている数あるドライバーの中から配達先の担当者の目に留まったからであり、他にも数社からドライバー以外の仕事も含めて勧誘がありました。
軽運送業に依存していない複業ドライバーということもあるかも知れませんが、働き方に興味を持ってくれるのが有難い。いつでも本業を差し替えるぐらいの用意をして会話してますので、毎日が面接のようです(笑)。
近未来的軽ドライバーという言葉も、数万人いる軽ドライバーの中での差別化を考え、オンリーワンを極めていく上での指針としての標語のようなもの。こういう意識改革・働き方改革を実践している者はドライバーの世界においては十人十色として相手に認識してもらえると勝手に思っております。