LIFE SHIFT WORK SHIFT その1

引退は簡単だが、新たな自分を発掘していく覚悟があるか?
別ブログにて既報の通り、この度軽貨物ドライバーの第一線(本業)の仕事から引退いたします。
理由は後でお伝えしていきますが、個人的な2024年以降の問題とでもしておきましょうか。
まあ人間誰しも避けられない「老い」をいよいよ誤魔化せない状況になってきたと言えばわかりやすいか。
これは会社員にも言えることだし、どんな働き方をしていてもやがては訪れる宿命みたいなもの。
会社員の場合は仕事からの「引退」は年齢的な企業側のルールが適用されることがほとんどで、「定年」という言葉で昔から誰もが働く前から知っているサラリーマンのルールの一つ。
ところが少子高齢化により労働力不足が顕著になってきたことから、強制的な引退ルールでもあった「定年」は国の思惑もあってどんどん後ろになりつつある。
法に付き合わされる企業はある部分ではいい迷惑なのかもしれない。
ただでさえ社員の社会保険の負担を抱えているのに、コストパフォーマンスが良いとは言えない高齢者の存続まで許さなければいけないとなると、そのしわ寄せは一体どこに・・・?
人件費だけではなく光熱費やガソリン代の高騰はオフィスや営業車両の維持費に大きく影響するし、製品の原材料費も高騰し配送・倉庫代等の物流費も今後は上昇の一途を辿るでしょう。
オフィスの空調や照明等の電気代って意識したことありますか? 個人宅のレベルとは全く違います。
売上と並んでここも皆様の給料を決めていると言っても過言ではないでしょう。
本音は手っ取り早く切り込める人件費に手をつけたいはず。

ガソリンは会社持ちだからといつまでも笑ってられないよ!
コロナ禍により一時期在宅勤務やオフィス移転等が話題になりましたが、それまでのオフィスの維持費や従業員の交通費の負担額にようやく企業側が気付いたことも一因。
しかし相変わらず旧態依然の風習から抜け出すことを恐れ、いつのまにか出勤形態が戻っている企業も多い。
経営者の考え一つで組織が振り回されるのは相変わらずだし、辞めるタイミングもいくら元気だろうが仕事ができようが年齢という数字で決められてしまう。
まあ中には嘱託とか体の良い番外ルールで給料を減らして能力的部分だけを吸い取ろうという形もあるが。
一方の個人事業主や自営業に属する者は自分の引退は自分で決められる。
これはメリットの部分が大きいと思うのですが、日本人にはそぐわないのだろうか?
プロのスポーツ選手なども組織には属しているが引退に決まった年齢などはない。あるのは私たちが勝手に「何歳ぐらいだろう」と思い込んでいる創り上げた引退像。
その勝手な思い込みに反して現役を続けたりすると何故かバッシングを受けたりする。
いつ辞めようがフリーに生きている者の特権でしょ!
逆に言えばいつまで続けるのも自由でしょ!
一匹狼としてリスクも背負っているのだから誰に指示されて動く必要もない。
この辺を「自分勝手」と決めつけたがるのが、群れるのが好きな日本人体質なのだろうか?

現職を引退するのは忍びないが、次のステージへの準備さ!
私は別に年齢という数字で引退を決めたわけではない。
「その時がきた」と感じたから本業の運送業は引退しようと思ったのです。
無理すればまだ現状を引っ張ることは可能とは思うのですが、無理して続けたその先に何があるのか?
そこは割と冷静に考えている自分がいる。
軽貨物運送業の第一線からの引退に至った理由を細かく分析していくと、社会的な影響によるタイミングというものも無視できない。
まず物流の2024年問題は少なからず影響があった。
周囲ではドライバーが次々と辞める流れが加速してきており、荷量が減ってきているのに残ったドライバーの負荷は増え続けている矛盾。
運送業界の体質として「何とかなるやろ」みたいなその場凌ぎは相変わらずで、これを是正するための法改正ということが未だに理解していないのか?と危惧してしまう。
こういう体質が一向に改善する気配が無いことに呆れてきた、将来に不安を感じたというのが一つ。

もうトラックの仕事は無理だぁ!国も業界も信用ならねぇ!
大体2024年問題に対する国の対策が頓珍漢。
トラックの制限速度を上げましょうとか、問題の解決に繋がると本気で思っているのだろうか?
物理的には速く走れば速く到着する。それを繰り返せば物量は確保できるかもしれない。
その机上の妙案は全てが自動運転になってからの理屈。
物量確保するためにドライバーはスピード出して何度も走りなさいってか?
積載満杯のトラックが時速100㎞出していいよ!とか、「じゃぁお前が運転してみろ!」っていう話ですよね。
人間の労働時間規制しておいて何を言っているのだか。
そもそものビジネスモデルに切り込まないと2024年問題はずっと続くのがわからないのかなぁ。
普通に働けて普通に収入になる仕事なら辞めないドライバーも多々いるし、人が集まる業界なら個々の残業の心配などしなくても物量は回る。
こりゃあ愛想つかされても仕方がない。

導入するのを前提にしていてはダメ!抵抗するのも国民の権利!
次にインボイスの問題。
ただでさえ運送会社と私の間に元請けがいて中間搾取されているのに、そこに新たに実質10%の負担かい!
マイナカードと同様に「こういうルールにしたから従えや!」という国の態度にムカついた。
末端のドライバーが一人いなくなったからと言って痛くも痒くもないだろうが、昔と違って今は「お前の代わりなどいくらでもいる」とは言えないでしょう。
どうぞいくらでもいる代わりを立ててください!と皮肉たっぷりに引退できます。
運送業界に限らずインボイスに苦しむ方々の反乱と国の反応を高みから拝見させてもらいます。

インボイスにどこまで抵抗できるかでこの国の将来が決まる?
今回「軽運送業の第一線を退く」という表現をしているのは、実は完全な軽貨物運送業の引退・廃業ではない。
複業の一つとして直取引させていただいている軽配送は先方の企業から「インボイスしなくていいよ!」と暖かく対応していただけたので、こちらの仕事は残そうかと。
インボイスを求められる仕事はお断りするが、そうでない仕事は請ける。
そして軽貨物の仕事をわずかでも残すのは確定申告上の利点を意識している。
軽貨物の仕事をしているという事実があれば、車両に関する経費もそうだし税務署に届け出ている許認可は継続できる。
いつでも請負仕事は可能な状況(軽貨物運送業の届出)というのを残しておくメリットは大事にしたい。
軽貨物の収入と給与等による収入は逆転するが、良いとこ取りすることは意識しておきます。
更に個人の運転職を継続する不安要素という部分で最近ダメ押し的に出てきたのが国の燃料補助の打ち切り。
ずっと高値安定しているガソリン価格に感覚がマヒしている方も多いようですが、これが補助が完全に打ち切られる9月末以降はデンジャラスゾーンに突入する。

沈みゆく船に残るべきか?次の一手が残りの人生を左右する。
もし報じられているような単純なシミュレーション通りになると、10月以降はレギュラーガソリン価格がリッター190円とか200円超とか。
軽貨物の仕事でベースになる報酬はまず上がらない(安価でこき使うビジネスモデルだから)。
その状況で経費ばかり上昇していっても誰も喜ばない。
経費が増えたからといって売上も増えるとは限らない。いや、むしろ収入という面では下がるトレンド局面になっていると思うのです。
ただ、収入は増えず経費は膨らむと言っても、それが他の仕事をすることと比較して許容できるか否かは個人的な問題。
金銭的な面を度外視してでも働き方が気に入っているのであれば続ければよい。
体力的な不安以外にも上記でお伝えしたような要因が短期間に次々と起きてきたことが、第一線からの引退を決意した理由の一つです。
そしてもう一つの大きな理由もあるのですが、ちょっと長くなりましたので次回以降にお伝えしていきたいと思います。