ロジカルシンキングとラテラルシンキング
人間を形成する要素というのは「先天的」なものと「後天的」なものに大別できるでしょう。
「先天的」なものと言えば、「遺伝」「血統」に代表されるDNAの継承により世代を超えて現れる特徴とでも言いましょうか。
背が高いとか足が速いとか・・・ 「素質」と表現できるかも知れませんね。
「後天的」なものというと、生活環境や人間関係等で育まれてくる「周囲の影響」が大きいと思われます。
もし皆様が違う場所、違う学校、違う友人という環境で育ってきたなら、今現在の自分と全く同じ人格・思考回路になっていると思いますか?
現在の自分を形成しているのは遺伝的な要素(体格等)と環境(経験)が大きなウエイトを占めているのは間違いないでしょう。
稀に事故や病気というアクシデントで、形成してきた要素を失うという悲劇もあり得ますけど。
垂直思考と水平思考
ロジカルシンキング・ラテラルシンキングという言葉、どこかで聞いたことがあると思います。
ビジネスセミナーや自己啓発書でよく紹介されているので、見聞きしている流れの中でどこかにインプットされているのではないでしょうか?
ロジカルシンキングとは論理的な物の考え方。
例えて言うなら外堀を埋めていくように物事を筋道立てて正解を導いていく考え方。
常識と過程を重視しロジックを掘り下げていく感じ。
垂直思考とも呼ばれており、正解(ゴール)に向けて決まった道を踏み外さず、確実に進んで行くというもの。
割と日本人が得意としているやり方ではないでしょうか。
ただ正解を一つとする反面、途中で道を外れると迷宮に彷徨い多大な時間を消費する怖さがある。
完全主義者 = ロジカルシンキング みたいなイメージがあります。
ラテラルシンキングというのは、過程や順番を問題とせず正解は唯一ではないという考え方。
ロジカルシンキングが1+1=2というのが常識であり正解であるならば、ラテラルシンキングは1+1=? という感じでしょうか。
自由な発想・様々な可能性を許容し、時には意外な結論に至ることもある。
水平思考とも呼ばれ、平面のどこからでも仮説を立てることができ、正解(ゴール)も一つと限らない。
結果が全てであるが「最初に結果ありき」ではない。時には非常識な結論となることもある。
ちょっと日本人気質には受け入れ難い感じもいたしますよね。
ところが最近では外資系の企業も当たり前のように存在し、競争社会を勝ち抜くためにはこれまでの常識的な正解ばかり追い求めるやり方が通用しなくなってきている。
他との差別化を図る上でもラテラルシンキングは注目を集めるようになってきています。
書店に行ってビジネス・自己啓発コーナーを覗いてみれば、その時の流行を知ることができるのですが、ラテラルシンキング系の書籍が数多く出てきているのがわかります。
融通の利かない思考で凝り固まったルールの下で働いている方は是非書店に足を運びましょう!
ラテラルシンキングの主な考え方は、上でも紹介した1+1=? というような、疑うことから始まります。
なぜ? 本当に? 前はそうでも今は? ・・・
自由な発想を阻害する固定概念のようなものを取り除き、子供のような純粋な興味をぶつけてみる。
昔は 1+1=田んぼの田! みたいなこと、やってませんでしたか?
大人になると変な常識が働くようになって当たり前の回答しか出てこなくなる。
これを改革していくのは容易ではないかもしれませんが、何でもかんでも疑ってみるのは一つの方法。
「あいつが何で俺の上司なんだ?」「俺の給料、おかしくね?」「朝礼、いらないよね?」・・・
うかつに社内で声に出して言わないように(笑) まずは疑問を並べて回答を考えてみる。
で、その導き出した回答が正解になるにはどういうやり方があるかを考えてみる。
そんな気楽なことから始めると、いろいろなアイデアが出て来るし正解も一つではなくなるのがわかります。
軽貨物運送業という働き方にも相通じる部分はある。
まあほとんどの人が「稼ぎたい」と思っているのですけれど、その「稼ぐ」に向けて何を考えどう行動するかという部分が重要なのです。
正解は「稼ぐ」であってそのための働き方は自由なはず。
ただ多くの軽ドライバーは稼ぐために「より多く配達し長時間労働」という働き方に陥っている。
これこそまさにロジカルシンキング・垂直思考だと思いませんか?
確かに軽貨物という働き方で稼ぎたいのであれば、順番に筋道を立てると「より多く配達し長時間労働」に行き着く。常識的な考え方であれば間違いではない。
しかしラテラルシンキング的に「稼ぐ」ということを正解として考えてみると、軽貨物の働き方に拘る必要は全くないことがわかります。
あくまでも軽貨物は一つの手段であり、それに固執するから窮屈になり可能性も限られてくる。
私は結果的に開業当初からラテラルシンキング的な思考で動いていたわけで、軽貨物+複業という一般的な軽ドライバーとは違う切り口で「稼ぐ」という正解に至っています。
もし自分が軽貨物のロジカルシンキングに陥っていたら、今と同じ収入を得るにはどれだけ苦しい思いをしなければいけなかったのだろうと考えるとゾッとします。
たぶんブログなんぞ書くような心の余裕もないでしょう。
人それぞれに正解はいくつもあると思います。
常識的な正解とは別に自分にとっての正解と思えるものをいくつも考えてみて、どんどん達成していけば人生も楽しくなってくると思います。
子供の頃はラテラルシンキング的な発想をしていましたよね。
本来人間が持つ先天的な能力の一つだったはずなのです。
ところが生活環境・風習・人間関係で思考が誘導されていき、いつのまにかロジカルシンキングな大人が出来上がっている。
まさに後天的な影響が狭い視野の人間を作り出している。
周囲の目や考え方はあくまでも他人の正解。
貴方だけの発想を大事に、未来を切り開いて行ってください!