負け戦、負け仕事

国民の総意とかけ離れて事が進行し、利権政府の思惑ともかけ離れようとしている東京オリンピック。
コロナウイルスという予想だにしなかったアクシデントがあったにせよ、1年間の延期という猶予を受けて対応できる時間は十分にあったはず。
開催まで約2週間に迫った現在に至ってもドタバタしている醜態は、とても先進国とは思えない。

過去のオリンピックでは設備的な準備の遅れや政情不安等はありましたが、運営組織自体の不手際で直前まで方針が二転三転するとか一体どうなっているのか?

「子どもに見せたくないもの、見せてはいけないもの」として「首相会見」とまで言われている菅さんの様々な会見内容、全くその通りだと思う。
いかなる質問にも誠実に回答しない。Q&Aが噛み合わない。頓珍漢なやり取りしかイメージが湧きません。

質問している側ももっと首相の答弁の異常さを指摘できないのかなぁ?
首相は自分に都合の良いようにあらゆる質問を自動的に翻訳・回答するロボットみたい。
もし小学生が同じような質問をしてもはぐらかすのだろうか?

負け方の美学

「負け戦(まけいくさ)」という有名な言葉があります。

辞書には「負けると決まっている戦い」というような意味で紹介されています。
つまり戦う前から結果がわかってしまっている、それも敗北が決定しているという悲しい状況。
圧倒的な実力差・能力差がある勝負でよく用いられる言葉ですね。

今のオリンピック開催直前の状況がまさにこんな感じ。
「コロナに打ち勝った証」「安全安心な大会」「国民の命と健康を守っていく」と必死にファイティングポーズを取ろうとするが、これまでのドタバタを検証すれば、もはや勝機を逸している。
もう少しやりようもあったのに負け戦にしたのは、最後まで利権に固執した政府である。
潔よい負け方を考えるのも政府の仕事。

国民は疾うの昔にオリンピックへの情熱を失い、国民への自粛と露骨な利権開催の異常な扱い・ギャップに嫌悪さえ抱くようになっている。
しかも見苦しくもどこに忖度しているのか「開催ありき」で密を招く聖火リレーは止めないし、上限1万人の観客(あわよくば屁理屈を重ねて2万人とか)等の暴走を企む有様。

結局これまで何度も過ちを繰り返し学習能力の無い感染対策のおかげ(?)で、東京では陽性者が急増するに至り緊急事態宣言再発令、一都三県の無観客を渋々決定。
首相が「緊急事態宣言再発令なら無観客も辞さない」と啖呵を切っていたことが仇となり、ようやく国民が当然と思う開催ルールに近づいてきた。

多くの競技が開催される首都圏での直前での無観客決定は各方面への影響が大きい。
すでにチケットを入手している者は返金があるとしても、抽選を経ての喜びは一体何だったのか?という虚しさ。
観戦ツアーを企画していた旅行会社、首都圏のホテル・宿泊施設などは既に大量のキャンセルが発生しだしている。

スポンサーもその一つ。
高いスポンサー料を払って無観客とか各種イベントが中止とか、おまけに国民の怒りの対象として不買運動すら起きてはたまったものではない。
早々に五輪中止を決めてくれればスポンサー契約自体も撤回できたかもしれないが、直前まで生殺し状態ではコストに見合わない大会でしょう。

オリンピック関連のグッズ、競技場周辺の消費も期待できず経済的損失は大きい。
そして無観客ということでボランティアも半分以上は不要となるでしょう。
純粋にボランティアであれば運営側の損失はほぼ無い。契約要項にも開催側の都合によるキャンセルについての詳細は決められているはず。

ただ説明会やらユニフォームの受け取りやらで上京した交通費等はボランティアの持ち出しだし、ユニフォームの返却も求められたら何の思い出も記念にもならない。
(逆に希少価値が増し、メルカリやらヤフオクでの値段が・・・)

直前まで無理やり引っ張ろうとするから皆が負け戦になってしまう。
潔く中止を決断していれば政府や小池さんの評価も変わったものになったでしょう。
変に期待して余計な準備もしなくて済んだし、経済的損失はもっと少なく済んだはず。

政府としては開催することにドロドロした思惑があったのでしょうが、その結果がオリンピックという大きな負け戦を作ってしまった。
これはコロナと言う天災ではなく、無能な政治家達による人災と言えましょう。

負け方を誤ると被害が拡大するという好例。
政府が自分達の利権を優先するがゆえの「国家」「国民」に対する立派な背信行為。

更に東京都が補い切れない損失が生じても、国は補填しない姿勢を見せている。
あくまでも主催者は東京都であり、国の責任は限られているような発言を官房長官や丸川さんがしていますが、だったらG7に出席して五輪開催に大口を叩いていた首相は越権行為?

北海道では急遽、札幌ドームのサッカーを全て無観客とすると決定したようです。
開催に関する詳細は各都道府県に決定権があるようなことは聞いていましたが、これは英断ですね。
他県も追随してくるのでしょうか。

常に誰かの顔色を窺い指示を仰ぐのが日本人の国民的気質と言われていますが、さすがに今の政権のやり方には我慢も限界。
他国ならデモや暴動が起きていても不思議ではないが、本当に日本人は行儀が良い(一部除く)。

負け戦の中には「負け仕事」というものもある。
やることに何のメリットも無いのにやっている仕事、ありませんか?

「抱き合わせ」という表現でよく用いられる、仕事を受注するために誰もやらないような事までクライアントに押し付けられる状況ってよくありますよね?
運送業でもよくあります。付帯作業と言って納品時に倉庫内の整理やら雑用をやらされる。

この負担、実は末端のドライバ―が被害者とも言えます。
付帯作業分の賃金や手当が増えるわけで無し、自分の時間を無償の労働に提供しているだけ。
運送業のドライバ―だけでなく、下流にいる仕事では珍しくはない。

金にならない労働はまさに「負け戦」。
一時の負けも将来に繋がるのであれば意味もありますが、そんなことに期待していてはいけない。
経営者としては負けるとわかっている戦い(ビジネス)は避けたいもの。

負け戦に手を出す者はずっと負け戦を強いられる。
どこかでその人生の負のスパイラルに陥っている自分に気付き断ち切らないと。

潔く負けを認め、次の戦いの準備をすべし。
いつまでも負け仕事にしがみ付いていてはいけない。

何か投資の世界にも共通する姿勢ですな。

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