未来図の修復

 

菅首相の突然の辞任意向表明。
たった1年の就任期間だったとも言えるし、長く感じた人もいる。
「やっぱり」という感想が多いのは、国民の中ではリーダーとしての資質に大きな疑問が生じていたのと、相変わらずの自民党内の勢力争いの背景がまた表面化してきたからか。

 

「志半ば」「組織の都合」「やりたいことができない」というジレンマは何も首相に限ったことではない。
私達の仕事や生活の中にも日常茶飯事のようにありますよね。

自分が思い描いていた進路がどうにも上手くいかなくなる時、どう対処されますか?

悪あがきだ何だと言われようが何度も何度も壁に体当たりして己の道を貫こうとするか、潔く撤退して他の道を模索していくか・・・
また、撤退を自ら決め実施するのか、有無も言わさず撤退させられるのかによっても、その後の人生に影響がある。

一時でも名を成した政治家さんであれば、後味の悪いような撤退をしてもその後の人生、さほど努力しなくても食っていけるでしょうから羨ましいというかムカつくというか(笑)

ところが私達一般庶民ではそういうわけにはいきませんね。
特に勤め先が倒産したとか理不尽なリストラに遭うとか、もしくは近年多発している地震や豪雨などの自然災害に巻き込まれるとか、自分の意志とは関係ない部分での被害を被った時、そこから自分の人生を立て直す術や気力を持ち合わせているかどうか。

得てして災いというものは心構えも準備期間も無いような状況で訪れることが多い。
想定外な事態ほどダメージは大きく、現実的な将来を考えると絶望感に支配されてしまうであろうことは容易に想像できるのに、何故か私達は備えることをしない。
まさに「災害(災難)は忘れた頃にやってくる」という有名な標語が示唆していることそのもの。

だからと言って毎日ビクビクして悲壮感漂わせて生きていくのも、それこそ「何のために生まれてきたのか?」ということになってしまう。

 

昭和の時代は良い学校に行かなくても就職は容易であったし、日本の社会・経済が右肩上がりに勢いがあった。
昇進も昇給も約束されていたようなもので、退職金と年金も老後を担保できるぐらいであったし銀行金利も5%以上とか、預金していることがローリスクハイリターンの投資みたいなもの。
多くの国民が心の拠り所があった安心の時代でした。

ところが今では国内産業は空洞化し、年功序列・終身雇用・退職金等の日本社会特有の労働者を優遇してきた制度が崩壊し始め、給与で守れない分は副業を容認するなどして「これからは自分の身は自分で守ってください」というメッセージを発信するようになっている。

「企業存続のためには人件費にも手を付けますよ!」というなりふり構わない姿勢は、日本国内だけでなくワールドワイドに競争が激しくなっている証拠。
これまでは多少役に立たない従業員でも面倒を見てもらえたかもしれないが、これからは容赦なく切り落とされていきます。
経営者は自分も生き残るために温情を捨て非情にならざるを得ないのです。

そんな社会の変化の中で、私達も将来設計を多少考え直さねばならなくなってきている。
現職の30代の社員でも平気でリストラする会社が当たり前になっているのに、社会に放り出された40代以降の人間をどうして雇用するでしょう?
余程の才能やスキルがある者なら採用されるかもしれませんが、そもそもそんな有能であれば社会に放り出されていないと思うのですが。

 

会社の経営状態は良好ですか?
社内の立場は安泰ですか?
絶対リストラされない自信は?
その根拠は?
収入や待遇が悪化しても会社と運命を共にしていきますか?

上記の設問の中で、もし一つでも「NO」と答えるものがあるならご自身の未来図の修復を準備しておいた方が良さそうです。
それも早ければ早いほど良い。

「今の会社で65歳定年を全うして退職金で住宅ローン残を返済!」というような未来図は普通の会社員の方に多そうですね。
これが崩壊するという仮定でどのような未来図に描き替えますか?

例えば現在30代の場合、40代の場合、50代の場合では、それぞれにそこからの未来図の姿も変わるでしょう。
年代が進むにつれて未来図の自由度は失われていくことに気付けるか?いつ気付けるか?

私は何度か転職をしておりますが、初期の2回の転職はいずれも転職先の企業が消滅するという自分でどうにもできない悲惨な状況を味わっています。いずれも在籍期間は2年に満たずに。

まあ転職前の企業分析が甘かったと言えばそうなんでしょう。
いずれも羽振りの良い会社で上場寸前だったということも自分の判断を誤らせた要因だったことは否定できません。

この2社はそれまで安泰だった広告代理店の営業マンという職を捨て、自分の明確な意志で転職したものですから後悔はありません。むしろトータルの約3年間は刺激的で密度の濃い時間を過ごしておりました。

問題はここからの自分の未来図の修復作業でした。
妻・子供を抱え、まずは当面の収入と仕事をどうするか。

宅建士(当時は宅地建物取引主任)を取得していたこともあって、おおよその仕事がわかる不動産業に就職。
月収100万円を超える月もあるなど、そこそこ生活できそうでしたが社長が少々クセの強い人で生憎私とはウマが合わず、パワハラまがいのこともされていたので残念ながら再度未来図の変更を余儀なくされました。

この時すでに50歳がもう目の前。
自分の心の中では「たとえ就職しても大した条件の求人もないだろうし、だったら好き勝手にやれて収入と働き方を自分でコントロールしたい」という未来図が浮かび上がっておりました。

10年以上前は軽貨物運送業など、どちらかと言えば世間からは敬遠され冷たい目で見られる職業でした。
情報もデメリットなことばかりで全く魅力的には映りません。

ただ開業のハードルは低く50歳目前の私でもすぐに始められることと、せどりやヤフーオークションを頻繁にやっていたおかげで通販の世界の可能性を強く感じていたことで、軽貨物での運送業には将来性を信じていました。
自分の理解できる分野、肌で感じた将来性、そして不動産業で養われた道路・地理知識と運転の慣れが大きく役立ち、個人事業主で独立と言う現在に至る未来図を描けたのでしょう。

未来図の修復作業は簡単なものではないと考えていませんか?

自分の常識の範疇や過去の慣習で何かしようと思っても良いアイデアは出てこない。
それまでの生き方から見ている景色や切り口を変えたところにヒントがありそうです。私のように趣味でやっていたことと過去の仕事の融合で想像もしていなかった働き方が見えることもある。

未来は未来。自由に描けなければ貴方の存在を否定しているも同然。
過去に拘らずに自分と素直に向き合えば、思いがけない未来図が出来上がるかもしれません。

大事なのはいきなり100%の完成を目指さないこと。
物足りない箇所が見つかったら少しづつ修復していけばよい。

どうせどこにも雇われないなら、自分で自分を雇う開き直りを未来図にしてみてはいかがでしょうか?
平凡なサラリーマン図より面白いものが描けそうでしょっ?

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