キャスティングボートは労働者が握れ!

最終決定権は相手ではなく貴方にある

確定申告提出期限も残り10日ほどに迫りましたが、事業主皆様の昨年の損益はいかがでしたでしょうか?
白色申告にせよ青色申告にせよ、1年間の売上・支出・所得を明確にする言わば通信簿を自分でつけるようなものが確定申告。
会社員においてはその面倒な作業を会社がやってくれていて、しかも社会保険料を半分負担してくれるという有難みが理解できていない人は多いのでは?源泉徴収票をもらってようやく年間の収支のバランスに気付いたりする。

脱サラ独立してみると収入と支出の重みは毎月痛感することになる。
特に軽貨物運送業のように「ガソリン代」「駐車場代」「事業用車両保険」「メンテナンス費」等、生活費とは別に毎月のように発生する支出は、一般的な会社員のように銀行口座上で給与振込・水道光熱費・家賃・通信費等が全て完結してしまうような生活とはまたちょっと違った苦労を味わう。

駐車場代・車両保険料はともかくとして、ガソリン代・メンテナンス費は月ごとに金額が変動するし、何より会社員の給料と違って収入も毎月定額ではないことが家計をややこしくする。
ガソリン代をカード払いにしている人は多いと思いますが、給油回数が月に1回違うだけで数千円違ってくるわけでしかも支払い日(引き落とし日)も翌月以降とタイムラグが発生する。

働ければ良いってもんじゃない!労働対価は意識しよう!

つまり報酬振込額が多い月とガソリン代引き落とし額が多い月が必ずしも一致するとは限らず、振込額が少ない月(収入が少ない月)と引き落とし額が多い月(支出が多い月)が重なれば心がザワザワしてくることになる。
大きなメンテナンス(修繕やタイヤ購入・交換等)や車検があると収支がマイナスになることもあるし、こうなると心がザワザワどころではない。

その逆のパターン(振込額が多く引き落とし額が少ない月)も当然ありえるのだが、この場合は「生活余裕じゃん!」と勘違いも生む。
この収支が落ち着かない部分が、フリーランスという働き方が不安定と言われている理由の一つでもある。

そんな不安定な働き方を極力安定化する方向に導いてくれるのが副業収入。
収入が変動するような本業1本に生活を依存していると、その波に合わせて支出をコントロールする必要に迫られる。
自己管理が完璧に出来る人であればまだしも、毎月収支に振り回されるのは何か落ち着かない。

そんな生活を副業収入でいくらかでも補うことができれば、心のザワザワも静めることが可能になるでしょう。
そこで屁理屈が飛び交うのが、「副業なんてやってる時間も体力もねぇっ!」と。
屁理屈言うなら時間も体力も失う働き方を辞めちゃえば?と泥沼な論争になる。

労働者全てが不安定な時代。皆が不安定なら非正規が良い?

そもそも本業だけで生活できない人が多いことが今の日本社会のおかしなところ。
国は国民を救うどころか増税で更に締め上げようとしているし、企業や経済界の重鎮も終身雇用の終焉を堂々と告げている。
国民や従業員を守るという責任放棄の代わりに「自分の身は自分で守ってね」と急に副業を認めたり推奨をしたりしだしたではないか。

そうなるともはや安定の代名詞であった「正規会社員・サラリーマン」もフリーランスとあまり変わらなくなる。
月の収入(給料)こそ定額で安定しているだろうけれど、増税や物価高が続けば支出は不安定でしかなくなる。
転職や副業を真剣に考えだすのも当然か。

求人情報のオモテとウラのギャップを読め!

そこで転職サイトや副業情報サイトを慌ててチェックし出すのだが、多くの人が陥るのが求人情報のオモテとウラのギャップの罠。
基本的に求人広告では採用側にとって不利な情報は見せません。
求人広告上では見えていない部分をいかに穿り出せるかが働き方を豊かに出来るか否かの肝となる。

労働の生贄を確保するための採用側の悪意を見逃すな!

それなのに見せかけの月収と甘い言葉に吸い寄せられてきてしまう者は後を絶たない。
全ての求人広告が怪しいということではないが、採用側がどうしても伏せておきたい部分はある。
特に賃金の部分で 「月収50万円以上も可能!」とか「慣れてくれば時給1500円~」みたいな曖昧な表記をしているものは十分に気を付けた方がよい。

「月収50万円以上も可能!」というのは過去に達成者がいたという瞬間最大風速的な事実だけはあり、決して間違いではないという逃げ口が用意されている。
軽貨物ドライバーの求人でもこの類が非常に多い。実際達成する者もいるが長時間労働は確実。
宅配で毎日200個以上配達できるスキルがあれば可能ではあるが、毎日200個以上の荷物がある保証は無いし例え荷物数があっても土地勘の無いエリアでは最初の数か月はほぼ到達不可能な数字。

大体配達しやすいエリア(平坦、エレベーターが無い集合住宅が少ない、タワマンが無い、渋滞箇所が少ない)は既存のドライバーが押さえてしまっているし、新人や中途採用には条件の悪いエリアが任されてしまう。
結果、数字は伸びないし稼げないし辛いので辞めていく→また募集 の繰り返し。

年中見かける求人は何かしら問題があると思え!というのはもはや常識。
そういう裏読みもせず、たまたま見た求人の数字的な部分だけで判断すべきではない。
万人がお宝と思えるような求人は無いのです。

では求人情報の何を探ればよいのだろうか?

採用側のオモテの顔と裏の顔は違う!

まず自分が何を求めているかを整理しておくべき。
収入なのか?労働時間なのか?福利厚生なのか?人間関係なのか?
そこが曖昧なまま、何となく他より時給が良いからとか楽そうだとかアットホームっぽいとかで選ぼうとしてませんか?

アットホームを謳う求人ってガテン系に割と多いような気がします。
ともすれば上下関係が厳しそうとか思いがちな職種でもありますから、採用側とすればいかにその誤解を払拭するかで頭を悩ますのはわからないでもない。
しかし中には休日は皆でバーベキューを楽しんだり社員旅行なんかもありますよ!なんて時代錯誤も甚だしいことを強みと思っている会社もある。

こんなのイマドキ逆効果でしょう。
休日でも会社の行事に付き合わされるのかぁ、酒グセ悪そうな連中と社員旅行?、って思いますよね?
経営者の唯我独尊が垣間見れるのがこういうところ。中にはこういうのが好きな人もいるのでしょうけれど、お好きにすればって感じですね。

大手自動車メーカーの工場の期間工みたいな求人は数字も内容も明確だし、口コミ等の経験談も豊富に知れ渡っているので後は自分がそういう仕事(肉体的に厳しく単調ではあるが短期で稼げる)を受け入れられるかどうかとわかりやすい。

求人はエサ。釣り糸を辿れば相手の正体が見えてくる。

問題は聞いたことが無いような会社の仕事ですよね。
賃金はまあまあ。シフトはどのぐらい自由度があるか?残業代はちゃんと出るのか?
もしこういう曖昧な部分が多ければ問い合わせるなり面接でしっかり確認し、労働契約するなら書面で数字的なものをしっかり残す。

求人内容に書かれてなくても、私のように社会保険が適用されることを基準に考えておくと意外に悪くないケースも出てくる。
時給は単純労働だし大したことはないが、社会保険を適用してもらえるとこれが変わってくる。
月の社会保険料を会社が半分負担してくれる。その負担額は約2万数千円。
これを労働時間で割ると実質の時給は深夜給の部分も加わってか1,500円に近づいていく。
シフトの自由さや勤務地(本業の運送会社のすぐ近く)の利便性を考えると自分の場合は複業の一つとして悪くはない。

決して見た目の求人内容はパッとしなくても、自分の望むことと求人の裏読みがハマれば良い働き方となることもある。
譲れない自分の基準を持ち、採用側の弱みを見つけましょう。

キャスティングボートは採用側ではなく「貴方」が握っているんですよ!
決して卑屈にならずに自信を持って仕事を選びましょう!

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