浪費・消費・投資(人脈編)
会社員から独立して大きく変わったなと思う部分が人との関わり具合でしょうか。
それまでは職場があって上司や同僚・部下がいて、頻繁にお会いする取引先があって・・・ と自分の周囲には常に誰かがいて会話があって、人とのコミュニケーションがありました。
独立と言ってもいろいろな形があって、社内起業みたいな中には一応退職・独立の形は取るがオフィスは変わらずデスクを借りてこれまでとさほど変わらない環境・仕事を継続するものもあるし、事務所や店舗を借りて完全に独り立ちするものもある。
軽運送業の場合、その多くは最初は個人事業主として自宅を事務所として独立という形になる。やり手の人は自宅とは別に事務所や拠点を構えて元請けとしてステップアップしていく人もあれば、軽運送業とは別のビジネスを発展させて複業化させていくような働き方も最近は増えている。
パラレルワーカーという言葉も近頃よく耳にするようになったと思いますが、大雑把に言えば「複業」と同意語なのですがニュアンスとしては、副業・複業が少々日本的というか主となる仕事(本業)があって、その他に従となる仕事を持っている働き方という感じであるのに対して、パラレルワーカーというのは全てが本業という感じの働き方。プロのスポーツ選手の中で、例えば野球とバスケットとか、アイスホッケーとフットボールとか、季節によってプレースタイルを変えるみたいな違う種目でプロ契約しているような人などは、究極のパラレルワーカーと言えるのではないでしょうか。
私の場合は軽運送業メインで副業をプラスしての開業でしたが、現在は副業が複数化しており収入的にも軽運送業を含めてどれが本業でも良いぐらいの感じになってますので、これまでは自分をマルチワーカーと称してましたけど実質的にはパラレルワーカーの領域に踏み込んできているかも知れません。
さて、冒頭で触れた人との関わりについてですが、軽運送業というのは独立形態としては人との接点が少ない方の働き方と思います。あえて職場とするならば荷物の積込み場所になりましょうか。そこでは他のドライバーさんと毎日顔を合わせることはありますし、会話や情報交換などもしますので一種のコミュニケーションとは言えますが、基本的にはそれぞれが別会社みたいなものですから同じ職場にいても同僚と表現するのは会社員の同僚とはちと違う感じがします。大体顔を合わせるのも朝だけですし、仕事終わって一緒に飲みに行ったり打ち合わせすることもまず無いですから、本人達同士も同僚とは思っていないでしょう。
会社員を経験してから独立すると、独立後の仕事内容にもよるでしょうけど人との接点が極端に減る。事務所を借りて人を雇うような仕事をするならそこに毎日顔を合わせるような人がいる職場が生まれます。しかし自宅で開業したり独りでする仕事で独立すると、意識的に行動しなければ人との接点が生まれないような環境になる。
人との関わりが面倒という理由で独立する人もいます。特にドライバー職はそういう人少なくないですから。
実際ドライバーで独立すると快適ですよ。上司がいないというのはホントに快適!(笑)
ただそれがベストな状態かというと違うとも思ったりする。
人脈というのは一つの貴重な財産であり、勝手に増えていくわけではない。これは独立して感じます。
これまでは会社のバックボーンがあって人脈を採掘するための行動が出来ました。自分の会社・仕事が相手にとってどのようにメリットがあるかを伝えやすかったから。大企業に勤めているならその名刺だけで人脈を掘り起こせたりすることが出来ました。
しかし独立すると自分と関わるメリットを相手に伝えることが少々難しくなってくる。会社員でなくなるとカードを作るのが難しくなるのと同じですね。世間的な信用が一端リセットされてしまうのです。
人脈というのも信用あってこそですね。例え個人で仕事していても世間的に認められる成果を上げている人はいますし、そういう人には人も仕事も集まって来る。自分がチョイスできるような状況になれば人も仕事も充実してきます。そこにはブラックな環境は皆無となる。このブログで考えて来た働き方改革の一つの肝は自分に選択権があること。相手に主導権があるうちは改革が滞る。
今まで関わって来た人々を顧みて資産・財産と思える人はいましたでしょうか?その人とは関係は続いていますか?なぜ大事に思っていますか?仕事の切れ目が縁の切れ目になっていませんか?
この付き合いは意味ねぇな、自分をダメにする付き合いだな、と感じる人はいませんか?単にウマが合うとか居心地が良いというだけでダラダラと無駄に飲んだりしていませんか?その人は将来的に自分に何をもたらしてくれますか?
一時の付き合いなら消費感覚で良い。その人が今後自分の人生に良い影響を与えると信じることができるなら、人脈として大切に関係を継続すべし。悪い方向へ導くと感じればその時間を他に使いましょう。
フリーのドライバーは人との接点が少ない分、出会いにおける機会損失は勿体無いです。キーマンになり得る人かどうかを瞬時に判断し出会いを大切にしていきたいですね。反面、相手からも観察されていることを忘れずに。ただのドライバーと思われてしまってはそれも機会損失です。何か一つでも相手に興味を持たせるような部分を作っておきたいですね。
お金や時間というのは自分で解決できますけど、人脈というのは相手あってこそ。相手を資産とするような関係が出来れば、すなわち相手にとっての資産が自分と言うことも出来る。WINWINの関係を数多く作っていくことが独立した者の基盤を強固にしていくことは間違いない。