最初から100点を考えない
春は移動シーズン。人生の次へのステージに向けて期待が高まっている人も多いことでしょう。
学業なり社会人なり新たなスタートを切る時に、妙に意気込み過ぎたりして空回りしてしまうことがあります。
スタートダッシュは誰でも意識する。しかし張り切るあまり自分のレベルに見合ったペース配分をしっかり考えていなかったり、他者との比較を意識しすぎたり成功を急ぐことで、せっかくの新人・研修期間をおろそかにして地力を付けずに先へ進んでしまう人がいる。最初は上手くいくことがあるかもしれないが、時間が経つにつれ最初にじっくりしっかり力を付けてきた者に追い抜かれるケースがままある。童話「ウサギとカメ」のストーリーがいつの時代にも教訓として語られるのは、成功したければ「急がば回れ」の教えが根底にあるから。
「最初から100点を考えるな」なんて言うと、有名塾のカリスマ講師から「オマエ、甘え~よ!!」と怒鳴られてしまうかもしれませんが、私の方針は無理に競争社会に身を投じなくてもそれぞれの身の丈に合った成功の仕方があると思っておりますので、最短で100点を目指すことなくボチボチやって行けば、遠回りしているようで最後には地に足つけている人間になると信じている。
成功を急ぐあまりに、ズルしたり法を犯したりという企業・人間が後を絶たないのは毎日のニュースの通り。
これまでにもブログ上では同様のニュアンスでコメントしてきましたが、転職や独立を躊躇うのは「最初から100点取らなければ」という強迫観念のような追い込みを自分に課しているからではないか?
最初に上手くいかなかった時の心配が強すぎて、100点以外は皆失敗と思っていないだろうか?それでは何事にもチャレンジなんかできるわけがない。
どんな新しいステージでスタートを切るにせよ、何歳であろうが最初は新人なのですから謙虚に学び吸収して欲しい。社会人経験とか過去の実績というプライドみたいなものを持ち込みがちな人ほど謙虚さを失っているので、「それぐらいは知ってるよ」と研修期間を省略したがる。その結果、のびしろもなく中途半端な立場に追いやられてしまう。
100点なんて早々に取ってしまうと後が大変になる。そこから点を落とせば気分的には良いわけがないし、現状を維持し続けるというストレスは徐々に100点に近づけていく努力より相当大変である。目標に到達してしまったものと目標に向かって進んでいる者のモチベーションの差なのでしょう。ボクシングの世界で言う新しくチャンピオンになるより防衛する方が数倍大変ということと同じ。
だからと言って100点目指すなということではない。100点を満点と考えずに単なる通過点として考えていれば良いのだが、独立・転職時には月収○○万円とか労働時間がどうだとか、後で変えることが出来るようなことをハードルとして考えてしまうから難しくなる。大卒者が初任給は30万なきゃ就職しない、残業があるなら働かない、と言っているようなもの。
今の環境が自分の希望をクリアしていないから独立・転職を考えているのに、今と変わることを恐れて動けないというのも何だかなぁ・・・
与えられた課題に100点取ったとしても、所詮それは他者が評価する点であり、自分の満足度とは違って感じることがある。
目指すは自分なりの満足点であることを忘れてはいけない。世間の100点は自分の50点かもしれない。世間の50点が自分の100点であればそれでいいと思うのですが、なかなかそこに気付かずにいる人が多い。
最後に勝つイメージがあれば、最初のうちの低評価は気にせず受け入れておきましょう。例えスタート時に満足いく待遇でなくても徐々に数字は上げていけば良い。それができる環境かどうかを見極めることが大事であって、最初に月給いくらとか残業や休日にフォーカスしてしまっては選択肢は非常に狭くなってしまいます。
軽ドライバーだって求人上の待遇は決して恵まれたものではありませんが、慣れれば「時間」という宝物を得ることが可能になる。この時間の使い道次第ではかなり面白い働き方に変えていくことができるのです。
働き方・収入は与えられるものではなく、自分で創りだすものです。
そこがしっかりできていれば、独立も転職も自信持ってやっていけますよ!