最適な労働時間を考える
現在お勤めされている皆様の労働時間はどれぐらいになりますでしょうか?
日本では多くの労働者が1日8時間、週40時間という労働基準法上の建前のもと何も疑うことなく雇用契約を結んでいると思いますが、なかなかそう理想通りになっているわけではないと思います。
いや、よく考えてみるとそもそも1日8時間週40時間という数字を守ることが「理想」と呼ぶことすらおかしな話だと思いませんか?
会社によって職場によって仕事によって、それぞれに適した労働時間があって然るべきだと思うし何故全国一律のように無理に統制しようとするのだろうか?
当然、仕事によっては1日8時間週40時間など最初から無理だろうと想像できるものもある。それなのに現状と乖離した法の枠に押し込めれば当然そこに歪みが生じ、異常な残業時間とかノルマが生じて社会問題化している。
これは法がおかしいのか?それとも働き方がおかしいのか?
皆様は1日の労働時間ってどのくらいが適正だと思いますか?
まあ仕事により日により体調によりと一概に「○時間!」というのは難しいかも知れませんが、では現在の基準である「1日8時間」という数字に対してはどう感じているのでしょう?
先日、自宅に某政党のチラシが入って来ました。そのチラシのキャッチコピーが
8時間働けば ふつうに暮らせる社会へ
というもの。このコピーに私は物凄く違和感を覚えました。
我が国は1日8時間働かなければふつうに暮らせないのかと。
いや、1日8時間以上働いてもふつうに暮らせない人だって少なくないではないか。
この政党の目指す未来像はこんな次元の低いことなのか。日本の政党・政治家はこんな低レベルな政策で国民を誘導しようとしているのだから呆れてしまいます。
先週、某ラジオ番組に出演されていた社会学者の西田亮介氏が、日本の労働生産性の低さに焦点を当て「標準労働時間を1日6時間、週30時間化計画」という話をされておりました。他国の労働時間・労働生産性との比較を織り交ぜながら、日本の働き方改革の問題点の一つとして、多様化する働き方に対する労働時間の考え方が柔軟になっていないことを指摘されておりましたが、まさにそうですよね。
ちょっと前に「ZOZOTOWN」を運営するZOZO(旧スタートトゥデイ)が、時給1300円で2000人のアルバイト募集を出したところ、応募が殺到したった3日で募集終了したという報道が話題となりましたが、これも労働生産性で考えると「同じ金額稼ぐなら短時間・効率良く」というニーズがあるからで、求人に苦労している会社は参考にすべき点でしょう。求人に人が集まらないというのは労働対価に見合わないという部分が大きいことがわかっていないのだと思います。ダラダラと毎週のように求人広告にお金をかけるぐらいなら、多少賃金に色つけてでも労働対価を上げる努力を会社側はするべきだと思うし、それが他社との差別化にもなり働く側のモチベーションにもなる。
ちなみにZOZOは6時間労働制を取り入れている。
私も「1日を4分割する働き方」として過去ログにて持論をご紹介しておりましたが、これも基本は1労働(1ブロック)を6時間という考えがベースになっています。
1労働を8時間とすると拘束される時間としては中途半端であり、ほぼその日は他に何かに取り組もうという意欲の衰退や物理的な可能性が縮まってしまう感じがするのです。実際人間の集中力ってせいぜい5時間ぐらいがいいとこだと思うし、労働生産性や労働対価を上げるためにも集中力を高めて結果を変えず労働時間を減らす方向にシフトするのは時代の当然の流れ。各自がそうして自分の時間を生み出しそれぞれ有意義に使っていくべきで、最初に1日8時間ありきというルールを疑いもせず取り込まれてしまっては悲しすぎます。ストレスだらけの1日8時間労働よりストレスフリーの6時間労働+他(複業)の方が疲労感も少なく収入は多いという現実を実際に体験して来ましたから間違いない!(笑)
日本では未だに労働時間を短縮することを良しとしない風潮があり、労働力を長く縛りつけていないと不安で仕方がない自らが固定観念に縛られてしまっている経営者が多いことも働き方改革が進まない一因です。労働者がこうした時間搾取する経営者や上司の下で我慢を強いられている限りは、働き方改革など他力本願の絵に描いた餅にすぎません。
自分の適正とする労働時間・仕事・働き方をきちんと把握できていなければ、世間がいくら「働き方改革」と騒いだところで本当の働き方を手に入れることは出来ないでしょう。
労働生産性・労働対価が変わらないままに労働時間だけ短縮すれば、収入を減らすだけという結果になってしまうかも知れません。
労働時間・収入・働き方が満足度MAXになるようにするにはどうするか?
これを追求してみれば自分の理想像が見えてきます。もしかしたら今現在従事している仕事とは全く違うところに答えが転がっているかも知れません。いや、自分の常識を否定することが近道かも。だって常識的に生きて来た結果が不満だらけの今日の姿なのでしょうから。
長い長いと言われているドライバーの労働時間の問題点を見極め、稼げない稼げないと言われているドライバーの収入構造にメスを入れ、不安だ不安だというフリーランスを自由でストレスフリーで会社員以上の安定を手に入れようと10年間試行錯誤して来ました。まだ現在進行中ではありますが、かなり自分の時間を生み出すことに成功していますし、自分の時間の中で生きることが収入と満足度の向上に大きく寄与するということに気付きました。
他人の時間から抜け出すことが出来れば労働時間は自然と減らせるし、そこで生まれた自分の時間を活かせれば労働対価以上の価値をもたらしてくれるはずです。