サブスクを利用する?利用される?

使い切れるか?使いこなせるか?

誰もが何かしらのサブスクリプションサービスを利用したことがあると思います。
日本ではサブスクリプション(subscription)を略して「サブスク」と呼ぶことが一般的ですが、そもそものサブスクリプションの言葉の意味は「定期購読、定期購入」というのはご存知だったでしょうか?。
定期購読、定期購入というと新聞や雑誌、サプリメント等が思い浮かびますが、あれ?現代の私たちがイメージしているサブスクとはちょっと違うような・・・

 

私たちがサブスクサービスを利用する時は「契約期間内で使い放題」というメリットが決め手になると思います。
そう考えると新聞やサプリメントって「放題」ではないですよね?
1日または1回あたりの品・量が決まっていて、契約期間内だからといって何度も取り寄せることができるわけではない。
サービス対象物が1つに限定されているため、「放題」とはいかないのです。

ただサブスクリプションサービスとしての定義の一つに「契約期間の設定・途中解約が自由にできる」というものがあります。
この点は新聞やサプリメントの定期購読・定期購入についても当てはまります。

読み放題?ではないなぁ・・・

一方、似て非なるサービス・契約形態にはリースやシェアリングエコノミーがありますが、リースの場合は途中解約ができない・違約金発生等の縛りがあるのが普通。
シェアリングエコノミーの場合は期間縛りではなく利用に応じた料金制で複数人でサービスを共有する形態となるため、利用したい時にできないデメリットが存在します。

焼肉食べ放題というのも1種のサブスクと言えるかもしれませんが、その場だけという部分でちょっと違うかな?
お店によっては「1日1回のみ利用限定の期間を定めた定期券」みたいな特殊なサービスを提供しているかもしれません。
牛丼チェーンでも「一カ月内でいつでも利用毎に○○円引」みたいなカードを発行している(Sukipassとか)ところもあるし、「〇〇放題」ではないがサブスクに似せたサービスは世の中には結構ある。

短時間内での(食べ)放題サービスってサブスク?

期間的縛りや使いたい時に使えない等のデメリットを極力排除した「放題サービス」が、現在私たちがイメージするサブスクと言ってもよいかもしれませんね。
ただしそんなサブスクにもデメリットとして「使わないコンテンツ」が含まれていたりします。

巷でよくある「抱き合わせ販売」とは微妙に違うのですが、「このコンテンツは要らないからもっと安くしてよ!」というのはサブスクではちょっと受け入れられない。
じぶんにとって不要と思えるコンテンツは他の誰かにとっては必要かもしれないし、あっても無くてもサービス料金は一緒だと諦めましょう。
不特定多数を相手にする商売はどうしても間口を広げておく必要があるのです。

 

あっと言う間に世界中に広まりメリットばかりで使わにゃ損損と、事業者も利用者も飛びついてきたサブスクサービスですが、ここ最近になって雲行きが怪しくなってきたかも。

作品選び放題だけど鑑賞してる時間が・・・

今ではサブスクの代表的サービスとも言える動画配信の世界。
中でも飛ぶ鳥を落とすほどの勢いだった Netflix がどうも頭打ちになってきたようだ。
解約増が目立ってきて契約者の減少傾向が止まらない。株価も1年前には700ドル近くあったのが6/24には約190ドルまで暴落してきています。

社内でも人員整理が加速してきており、5月に150人の解雇に踏み切ったばかりであるが更に300人の解雇が発表された。
急成長で規模を大きくしてきた会社は、風向きが変われば速攻手のひら返しで大規模リストラを断行という典型的な見本。
決して他人事ではありませんよね。

そもそもいくら「放題サービス」でお得感が強くても、利用する側に時間的な限界がある。
どんなに時間を持て余している人だって1日24時間しか使えないのです。
しかも最近ライバルも急増しコンテンツも被っている状況では契約者も分散するでしょうし、お約束の価格競争に巻き込まれて衰退ロードを歩みだし終焉へ向かう・・・

テレビはすでにオワコンであり、YouTubeではより各人に細かいニーズへアクセスする番組も増え、もはやお金と時間をサブスクに投下する時代さえも終わるのかもしれない。
サブスクの利用も一見便利でお得に思えても、本当に自分に必要なのか?を本心に問うてみるべき。

僕の人生、使われ放題・・・

ここまではサブスクサービスを利用する側の視点で見てきました。
ここからが重要な話となるのですが、事業者がサブスクサービスを悪用する傾向にあることの注意喚起となります。

その悪用されるサブスクサービスのコンテンツとなるのが、ズバリ!私達そのものなのです。
事業者のサブスクサービスというのは、顧客に対してではなく自分達へのメリットと考えている。
私達という労働力を「低額・働かせ放題」というコンテンツに見立てて巧みに運用する事例は昔からありますが、コロナにより仕事に困った人々に対し足元を見た搾取案件が露骨に増えている。

特に単純労働やシニア向け案件、建築・配送系の一人親方や個人事業主がターゲットとなりやすい。
最近話題となったAmazon系配送業務の中のデリプロのような中間搾取者との委託契約のような宅配仕事においては、報道されていたように誰が見たって指揮系統下で管理された状態で働かされている実態がある。

当初示唆されていた配達数から大幅に増やされたり(当然労働時間も増える)、報酬形態も配達単価制から日当制に強行変更されるなど、あきらかにサブスク的な働き方に移行している。
例えば単価150円で1日200個配達できる人が1日18,000円の契約に変更となれば、そりゃ怒る。
事業主側の言い分では「もし1日の配達数が2桁台しかなくても18,000円払うから助かるでしょ?」と押しつけがましい。

実際は配達数がちょっと少ない日があったとしても他車の応援に行かされたりして、結局いいように使われているだけ。
その他にも社員でもないのに朝礼出席がマストとか、とにかくこの業界は他人の時間を奪う・拘束するのが大好きな人達が集まっている
低賃金にして労働力・労働時間を確保しなければ回らないダメなビジネスモデルであることをしっかり認識した上で、サブスクコンテンツとして扱われない・働かされないように注意すべきです。

このままでは私の価値が下がっていく・・・

単純労働やガテン系の仕事に限らず、契約上の立ち位置を知り法を知り、仕事の妥当性(労働対価等)を認識していないと貴方自身が「放題サービス」の犠牲者となるだけです。

最近はいろいろな業種で個人がユニオンに加盟し闘う姿勢が出てきたことは評価できますが、その前にその労働環境から速攻逃げることも必要なのかなぁ と思ったりする。

そんな労働環境で人生の大事な時間を失っていくのは本当にもったいない。
家や車と同様に刻一刻と貴方の中古品としての価値も落ちていくのです。
仕事先選択の失敗は仕方がないが、働き方の失敗は防げると思うのです。

サブスクの良いとこ取りをして働きましょう。
いつでも・どこでも・何度でも
選択肢は自分にあるのであって、決して他人で決められてはいけないのです。

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