社畜ドライバーより経営者を目指せ!

軽貨物始める前に自分の事業計画書が作成できますか?
何かとドライバー職に関する話題の多い昨今。
「2024年問題」が騒がれ始めてからというもの、トラックはもとよりバスやタクシーのドライバーについても論じられるようになりました。
現職の方々から見れば「何を今さら」というような話なのですが、「劣悪な労働環境」「低賃金」「事故リスクの高さ」等で人手不足が加速して運行がままならなくなっていることが突然のようにクローズアップされて毎日のようにマスコミを賑わせている。
運送業界では労働時間規制が始まることで残業が強制的に減らされ収入が減ることが問題視されている。
いろいろな人が多くの記事でコメントしているが、残業しなければ生活が苦しいような働き方がおかしいという意見に私も一票。
普通に働いているだけでは食っていけない仕事から抜け出すという考え方はないのだろうか?
まあトラックドライバーという特殊な分野のスキルで他の業界に移るというのが難しいと考えるのは仕方がない。
しかし食えない仕事を続けるしか選択肢がないわけではないと思うのだが・・・

人を運ぶ、物を運ぶ… 何かを運ぶ仕事以外にも目を向けよう
一方、バスの方はもっと深刻さを感じます。
多くは決められた「路線」の中で分単位で運行をしなければならない。
人々の移動手段の一つとして生活に密着しているため、運転手の責任・ストレスは相当なもの。
しかも割り込みやすり抜けバイク・自転車に神経をすり減らし、ブレーキの加減によっては乗客からのクレームに対応しなければならない。
拘束時間が長くそれに見合った収入が得られないのはトラックと大差ない。トラックは物言わない荷物を運ぶだけマシかもしれない。
タクシーもコロナ禍でかなり厳しい時期を経験し、残業や飲食客が激減しとてもじゃないが売上を作れず退職者が相次いだ。
ようやく世の中の人の流れが戻りつつもあるが肝心の運転手がいないというジレンマ。
ただ最近はトラック運転手からの転職者が増加し、エリアによっては「稼げる運転職」と注目を浴びるようになってきている。
昔のようにムダを承知で走りながら「客を探す・拾う」手間が、最近は「配車アプリ」の導入で効率よく客を拾えるため労働時間の短縮にも繋がり、不安だらけのトラックから応募する者が増えているのだと。
結局はドライバー職の中での人の奪い合いみたいな構図で、ドライバー人口が増加しているわけではなさそうですけどね。
大雑把に俯瞰してみれば今後労働時間が規制されるなら、残業代で収入を構成していたトラックやバスのドライバーより、労働時間が短くなっても効率よく売上が期待できるタクシードライバーに転職するというのは、運転職から離れられない者からすれば大きな選択肢ではありますな。

ストレスチェックに引っ掛かる仕事ばかりしていませんか?
軽貨物ドライバーは安泰か?
2024年問題においてはあまり軽貨物ドライバーの話題は出てきません。
というのも軽貨物ドライバーは基本的に個人事業主であり雇用されている立場ではないので、残業規制には該当しない。
ただ働き方という観点からはいろいろな指摘がありますけどね。
特にヤマト運輸の契約解除とかAmazonの隠れノルマとアカバンみたいな不安定な立ち位置について、雇用契約でもないのに労働組合やユニオンを立ち上げて争うニュースが流れています。
そもそも会社員を辞めて個人事業主として独立した覚悟は何だったのか?
と非難する声も多い。
確かに独立自営の事業主と言っても結局はどこかにぶら下がって足元見られて悪条件で働かされているドライバーがほとんど。
自分で荷主探してきて条件交渉して事業として成り立っている者がどれくらいいるのか?
そう考えると2024年問題で運送業界が混乱すると全く影響がないとは言えないでしょう。
このまま混乱に巻き込まれると軽貨物ドライバーだって将来が不透明になってくる。
ここは一度初心に戻って「なぜ軽貨物運送業をやろうと思ったのか?」を見つめ直したい。
相手の言いなりの条件を全て飲んで働きたいのだろうか?
サラリーマン辞めて独立したのは自由のため?お金のため?それとも何?

何を目指し将来はどうなりたいかがわかっていますか?
軽貨物ドライバーを始めるにあたっていろいろと調べたり学んだりしたことはあったと思います。
私も求人募集しているような元請けさんと何人も会って話を聞いたしネットで情報も収集しました。
人それぞれの考えがあり目的があり方向性を見い出そうとしていたでしょう。
しかし私が「それはちょっと違うんじゃないの?」と思っていることがあります。
例えばお金を払って荷物の積み方とか配達時間を短縮する方法とかを習うのって、一体軽貨物でどこを目指しているんだろうと。
もう宅配・足し算の収入しか眼中にありませんみたいな。
運送業で稼ぐための単純な方法は「長時間働く」「たくさん配達する」ですけど、荷の積み方や多く配達するテクニックみたいなことにお金を払って学んだって結局は働かされる社畜系ドライバーになるための基礎講座ですよ。
軽貨物ドライバーという前に事業主であり経営者であることを強く意識して欲しい。
確かにたくさん配達できるようになれば収入も増えるでしょう。でもこの世界は悲しいかな足し算の収入でしかないので労働時間も増える。
配達スキルが上がっても単価は上がらず(評価されず)、逆にノルマだけが上がっていく。
そして一番忘れてはいけないのが走らされれば経費も増えるということ。
つまり経営者としての感性を身につけないと、せっかくサラリーマン辞めて飛び込んだのに結局は誰かに使われ搾取される末端労働者で終わる。
その末端労働者になるために荷物の積み方とか学んでお金を払うの?

あなたの目指す事業は薄利多売長時間労働?脱サラしてそれ?
確かに何も知らずに現場に行けば最初は苦労するでしょう。
ある程度知っていることがあれば他者より少しリードして始められる。
でも3か月もすればその差はほとんど無くなると思います。現場で肌で覚えることは結構早く身に付きます。
だから高い月謝払って事前に勉強しても結果はあまり変わりません。
社畜テクニック的なこと学ぶのにお金払うぐらいならスクワットでもして下半身鍛えた方が実践的ですぜ。
1つだけアドバイスするとすれば、ナビやグーグルマップに頼っているドライバーにはなって欲しくない。
最近はマップアプリを使いこなす仕事が増えているようですが、もし仕事を選べるとしたらエリア固定で自分の裁量で配達順やコースを任される仕事が絶対良いと。できれば自宅の近くなら最高!通勤のガソリン代も節約できます。
だいたいスマホと睨めっこして配達順やコースまで指定され走らされる仕事が面白いと思いますか?
それこそドライバーの存在意義の薄さに嫌気がさしてくるでしょう。自動運転の時代になれば必要ない人と言われてしまいます。
薄利多売な働き方してるから「お前の代わりはいくらでもいる」と軽く見られてしまうのです。

個人事業主の年金は1ヵ月換算の手取りが6万円あるかないか…
軽貨物ドライバーである前に経営者であれ。自分で仕事を動かせと。
自分主体に働くことを考え、相手の掌の上で踊らされないこと。
経費を重んじよう。5万円稼ぐのと5万円経費を抑えるのは手元に残るお金は一緒。いや、税金の分だけ経費を抑えた方が得か。
目の前の5万円より将来の10万円を考える(例えば軽貨物の時間削って副業で社会保険加入し厚生年金受給とか)。
軽貨物で人生を全うするなら老後に国民年金はいくらもらえるかを考えておこう。
厚生年金者の半額以下程度しか貰えない年金を考えると軽貨物で食えても老後はちょっと・・・
目先の足し算の収入で老後は安泰ですか?
お金払ってまで目指すのは配達数ですか?