ワークライフインテグレーション
今年もまた多くの職種・企業で新社会人が誕生したことと思います。
昔と少々違うのは、どの仕事環境においても常にマスクを強いられる状況が続いている。
ただでさえこの時期は新人の名前を覚えるのに苦労する上司にとって、マスクで半分隠されて顔の判別すら難解なのはコミュニケーションを図る上で厄介なことになっているかも知れませんね。
新人さんたちが初々しく思えるのは、この時期は黒髪が多いこと。
今では男女とも髪を染めることは珍しくもなく、社会人としての常識の範疇で容認する企業も増えてきた。
もし学生に人気の企業が「染髪禁止」としていたら、学生たちの志望先は変わるのだろうか?
髪を染めたくて社会人になるわけじゃねぇよ!
と上っ面では反論してみても、潜在的には学生と言う経済的に不自由な部分と就職を意識して人の視線を気にしてよそ行きに振る舞っていた生活のストレスは、自覚の有る無しに関わらず相当に蓄積していたはず。
それが就職することによって一旦解放することができる。
定期的な収入が手に入り、そこそこ買いたいものが買えやりたいことができる喜び。
私は初任給より大学卒業前の収入の方が多かったので収入的な部分での喜びは感じなかったが、「これで勉強しなくていいんだぁ」という解放感は確かにあった。
ただ解放感に浸りすぎて将来のためにやっておくことをしなかった!
その成れの果てが今の積荷オヤジ、このザマです(-_-;)
ファッションで外面を見繕うのも良いが、中身を磨かないと失われた20代として後悔することになる。
今回のお題である「ワークライフインテグレーション」って聞いたことありますか?
ちょっと前に流行った「ワークライフバランス」は聞いたことがあるでしょう。
似たような言葉ですが、一体何が違うの?
「ワークライフバランス」の場合、ワーク(仕事)とライフ(生活)を別物として考えており、それぞれのバランスを調整することで理想に近づけていこうというもの。
働きすぎず遊びすぎず、もしくは集中して働き遊びも楽しむ という感じでしょうか。
24時間の中で働く時間・私生活の時間を上手く配分することで人生が豊かになるという考え方は、働き虫である日本人の心には確かに響いた。
しかし現実は労働時間を減らすことすらままならず、仕事と生活のアンバランスはなかなか改善されていない。
一方の「ワークライフインテグレーション」というのは、「ワーク」と「ライフ」を明確に仕切るのではなく融合させることで相乗的な効果を期待するというもの。
極端にいえば遊びながら仕事をするみたいな。
実際に仕事に遊びを取り入れたような働き方はあるし、グーグルやらフェイスブック(メタ)等の大企業においてはオフィスの中に日本人には信じられないような娯楽的スペースが用意されている。
いちいち場所を変えてオンオフを切り替えなくても、同時進行することで時間の効率化とストレスの軽減を図れる。
新しい働き方として注目されているものに「ワーケーション」というものがありますよね。
「ワーク」と「バケーション」の合成語であり、働きながら休暇も取るというもの。
働き虫日本人の凝り固まった頭では到底受け入れがたい感じがいたしますが、リモートワークが珍しいものでは無くなってきた現代社会では、いつまでも知らんぷりはできないでしょう。
皮肉なことにコロナ騒動によって、オフィスにいなくても仕事が出来る時代であることは証明された。
職種によって難しい部分もありますけど、毎日同じ時間に全員が一つの箱に集まらなければならないという洗脳された働き方は時代錯誤も甚だしい。
変わらないことが安定・安心としているから、日本の競争力はどんどん他国に抜かれ今では発展途上国並みのランキングに収まってしまっている。
オフィスにいなくても仕事ができるという部分を活かした企業では、高いオフィス賃料が不要になり水道光熱費が浮き社員の交通費も抑えられる。
一時的に多少の売上が落ちたとしても固定費を大幅削減することで利益が増え、逆に経営的な数字が良くなったりする。売上至上主義が絶対ではないんですね。
労働者にとっても通勤から解放されるだけでもストレスは減る。
育児と仕事の両立も可能になるし、台風や大雪でも無理せず仕事ができる安心感。
どうしても出社しなければ仕事が捗らないという者のために、どこか狭くて安い賃料のオフィスを確保しておけば事足りる。
やはり在庫や固定費がかかるビジネスは長く続けることが難しい。
規模のメリットでつまらん不安を解消できるならそれはそれで良いのですが、少子高齢化がどんどん加速する日本においては労働環境を整備できなければ人を集めることすら難しくなっていく。
日本にはまだまだブラックな環境で働かなければならない人は多い。
それは働くことが求人に依存しすぎて全て相手の思いのままに操られてしまうから。
パソコン一つ使えれば、自分主導で収入をコントロールできる働き方も可能になることをもっと知って欲しい。
毎日決められた時間に決められた場所に行き理不尽な作業に苦しむのが嫌ならば、収入ネタとなる働き方を少しづつ増やして自分を取り戻して欲しいのです。
そのためにも「ワークライフインテグレーション」は一つの希望であり指針となる。
「ワークライフバランス」のように仕事も生活もどちらも大事というのも良いのですが、1日24時間しかないことを考えるとより柔軟に両方を使いこなすような働き方も面白い。
軽貨物ドライバーというのは「ワークライフインテグレーション」を可能にする働き方の一つだと思うのです。
これまでも「ライフワークバランス」を目指した頑張り方をしているドライバーさんはたくさんいらっしゃいましたけど、どうしても労働時間と私生活のバランスが不十分。
以前にもお伝えしましたが、私が軽貨物の働き方で非常に理想に近いと思えたのはYouTube「亀さん軽トラの旅」の亀さん。
スポットで全国を走り回り、行く先々で観光も楽しむ番組はとても素敵でした。
まさにワークライフインテグレーションです!
残念ながら現在は軽貨物をやめられたそうで「亀さんの旅」というチャンネルになっています。
それでも旅行中心に生活が成り立っている働き方(?)は、例え大金持ちにならなくったって楽しく生きることの大事さを考えさせられます。
私も軽貨物という仕事とプライベートの行動をちゃんぽん・同時進行できているので、時間対価として上手く回せている手応えはあります。
早朝から夜まで仕事オンリーで走り回り、たまの休みに疲労困憊の身体にムチ打って遊ぶことが最高の幸せとは思えないので、今の自分の働き方は数ある軽貨物の労働パターンの中でも最も自分の理想に近づけることはできているのでしょう。
求人の働き方が全てではない。少しづつでも自分の理想を知り、それに近づける工夫をすれば面白い働き方を手に入れることは可能だと思います。
「ワークライフインテグレーション」という働き方も意識しておきましょう。