残業 VS 複業
恒例の対決シリーズ。今回は 残業 VS 複業 です。
どちらも貴重な時間を費やして収入を発生させる行為なのですが、その中身には大きな違いがあるようです。働いていないと不安な日本人にはどちらも捨てがたいですね。残業も複業もする欲張りさんだっているし(笑)
さて皆様はどちらがお好みでしょうか?
両者の一番の違いは「やらされ感」でしょうね。複業は自分の意志で組み立てますが残業は有無も言わさず決まってしまう感じ。しなくて良い残業をして小銭を稼ごうとする人は「自主的」なのかもしれませんが、サービス残業なら絶対にやらないでしょう。
残業は文字通り残り物を片付けるような作業。定時勤務時間内に終えられなかった業務の延長戦ですね。
人間の集中力はせいぜい3~4時間。一般的なサラリーマンは実質1日8時間労働が基本的だと思いますが、途中に食事休憩を挟むのは集中力をリセットする意味で理にかなっている。しかし時に忙しかったりして食事を抜いたり後回しにしたりするケースもあるかもしれませんが、作業効率は落ちて行く一方です。
ところが決められた時間に食事休憩をしっかり取っても、その後に睡魔に襲われることってありませんか?これ厄介ですよねぇ。特にデスクワークの場合は逃げ場がない。パソコンの前でカクッカクッと舟を漕いでる人を見かけますけど、身に覚えがあるためこれには皆けっこう寛容です(笑)
これは人間の生体リズム。眠気のピークは深夜2時~4時、昼の14時~16時の2回と言われています。これに加えて食事をすると覚醒を促すホルモンの分泌が抑えられることで眠りに誘導されてしまう。そして集中力の回復のために疲労した体や脳が眠るようにサインを出してくる。このトリプルパンチをいかに克服するかで残業を回避できるかもしれません。
食事休憩が1時間あったとしてその時間をどのように使っていますか?
食事はそこそこにゲームに没頭したりテレビを見たり仲間とずっとお喋りしていたり・・・
リラックスしているようで実は「脳」は休憩できていません。休憩したつもりなのにその後に睡魔が襲ってくるのは「脳」の切実な叫び・実力行使です。
最近は「お昼寝」を推奨する職場もチラホラと出て来ました。集中して昼寝が出来る部屋やグッズを用意し、お昼寝タイムを公然と認めている会社がメディアで取り上げられたりしていますが、経営者がいかに従業員の生産性を上げることに真剣かが垣間見える取り組みの一つです。30分の楽しいお喋りタイムより15分の昼寝が真の休憩・睡魔の回避・集中力の回復に効果的なことは、いろいろな検証がされています。オフィス街などでは昼寝のための施設なども出て来てビジネスとして成り立っている。出来るビジネスマンは堂々と昼寝を取り入れて効率的に仕事をしている時代です。普通のサラリーマンでもお金を出してでも昼寝をする必要性を感じているのです。タバコ代が昼寝代になっていく。実に健康的じゃありませんか!
至極の一服より究極の一睡!
作業効率を求めるのなら周囲の目を意識して働き通すのではなく、どこかでしっかり息抜きする勇気も必要。
皆が同じペースで仕事できるわけがないのに横並び主義の日本人は労働時間・休憩時間を均一にしたがる。社員を管理・監視しているつもりが、一人一人の生産性を落としムダな残業代を発生させている可能性を検証しない。時間は拘束できても各人のコンディションまでは拘束できないということ。日によって体調の良し悪しはあるし睡魔が襲う時間もいつも同じではない。いかにその日その時を上手く乗り切るには、休憩時間や息抜きは決められた総時間の中で自由に取るべきだと思う。社員の体調管理に役立つのがフレックスタイム制でありテレワークだと思います。
先日の首都圏を襲った台風の時、交通機関が止まっているにも関わらず定時勤務の呪縛に1分1秒でも早く会社に行かなければと駅に長蛇の列をつくり、通勤に2時間3時間を要しヘトヘトに疲れた状態で勤務してその日はどれだけ仕事が進行できたのか皆が疑問に思っていたことでしょう。始業が遅れた分が後ろにずれ残業になっていた方も多いと聞く。
だったら最初からフレックス・テレワークと決め、無駄な通勤による体力の消耗を回避するやり方ができたはず。それをさせない会社にも問題があるがただ従順に奉公してしまう働く側にも疑問を感じてしまう。経営者側は残業時間を削る効率性を考えることが出来るはずだし、労働者側もムダな消耗を防ぎ生産性を上げるやり方がわかっているはず。後は経営・労働側それぞれのメリットを照らし合わせていけば自ずと答えは出てくるはず。
残業が非生産的な事象から発生する可能性を述べてきましたが、じゃあ複業(副業)はどうなのかというと、これは本業とは全く関係性なくできることなので本業のルールを引きずらない。本業の延長でありません。労働時間も場所も収入も内容も自分の都合に合わせて決めることができるし、複業を実践している人はあえて嫌なことや苦手なことを業にしていないはず。よほどお金に困っている場合でなければ。
副業は生活費の補填的な理由でやっている人が多いと思いますが、複業になるとお金以上の何かを求めてやっている人がいる。わざわざ自分の時間を削ってやっていることですから、サイドビジネスを育て増やしていくことに楽しみを見い出した人や将来に向けて見聞を広めるためにやっている人もいる。単純に小銭を稼ぐだけでよいのなら複業より副業、仕事を絞った方が時間効率的なメリットはあるでしょう。
冒頭でも触れましたが、やらされ的な残業に比べて複業は自由度が高い。仕事が変わる瞬間は良い意味での気分転換になるし、全然違う仕事をすることで集中力がリセットされ隙間的な働き方なので持続する。本業ではないという妙なリラックス感が逆に意外に生産性を高めたりするので、「実はこっちの仕事の方が俺には向いているんじゃね?」と気付かされたりもする(笑)
自分の働き方のミスマッチを知るために他の仕事を経験するのは結構大事なことなんです。
もし残業・複業とも時間当たりの収入が同じで、「本業以外の時間をどちらをやってもいいですよ~」となったらどちらをやりたいですか?人によっては慣れた仕事の延長でやってた方がいいとも思えるし、気分転換や将来の可能性に繋がりそうと思えば複業を選択するのかな?
ということは今の本業に可能性を感じていないということ?(笑)
いくら副業解禁にしますと言ったって、ただでさえ残業まみれのサラリーマンが更にその隙間時間に複業したいとは思いませんよねぇ。せっかく時短を歓迎している人があえて複業したいとも思えませんね。
同じ収入を稼ぐのであればストレス少ない「複業」が圧勝かと思いきや、すでに疲労困憊の労働者には収入のために働くことを楽しもうという余裕さえないのでしょうか。
複業をアルバイトみたいに「労働」と考えると確かにそうかもしれません。でも今はお金を生み出す手段はいくらでもあります。時間も場所も選ばず趣味的にお金を作ることが可能な世の中です。
会社に奉仕したいなら残業一択。
自分に投資したいなら複業一択。
要はその先に何を見てやっているかです。
残業するのに理由もへったくれもありませんけど、複業は数や内容にその人の人生模様が見えたりしてちょっと興味が湧きませんか?
周囲にマルチワーカーがいると私は妙に仲間意識が生まれて会話が弾んでしまいます。他人の複業は刺激になったり参考になったりします。残業の人の話にはあまり得るものがありませんが。