委託を切ったヤマト運輸がギグワーカーを活用?

会社の方針が迷走を続け顧客もドライバーも離れつつあるヤマト運輸。

この4月より組織変更を行いヤマトホールディングスの社長となる現ヤマト運輸の社長は、宅配の配送網について新たな取り組みの構想を持っているようだ。

 

それが何と「ギグワーカー」を活用するということらしい。
ギグワーカーとは簡単に言えば好きな時間に好きな仕事を選ぶ働き方をする人達。
Amazon Flexやウーバーイーツと言えばわかりやすいですね。

Amazonで学んだイマドキの宅配

過去には委託の軽ドライバーを使っていたのが、ヤマトスタッフサプライというFC組織に組み入れたと思ったら、アンカーキャストという契約社員システムを重要視するがために委託もFCも切り捨てるという暴挙が行われていた。

働き方改革の一環として進めた結果、アンカーキャストは目標の1万人の募集に大きく届かず、委託もFCも切ってしまったため宅配の現場はますます混乱を極めることに。
ただ、運賃の値上げの影響で顧客は離れAmazonの荷物も大きく減少したため、非正規のドライバーが減っても何とか社員でやりくりできたという皮肉な結果に。

人件費を削ることはできたが荷量の落ち込みやドライバーの残業代未払い等の問題もあり、業績は周知の通り過去に例を見ないほどの大幅な赤字となり株価も急降下した。

特にAmazonの荷物の減少は想定外だったようで、しかもAmazonはデリバリープロバイダーやAmazon Flex等の自社流通システムを構築しつつあり、これにヤマトは危機感を募らせせっかく値上げしたものをなりふり構わず再値下げして物量の回復を図ろうとしている。

結局は働き方改革という対外的なポーズとは裏腹に、人員が整わない中での荷量回復を優先にすれば以前の労働法に触れるような現場の混乱が目に見えている。
運送業にありがちな経営側と現場の温度差が乖離しすぎている。

荷量を増やし売上も増やすためにはドライバーを増やすことは必須。
単純な論理だが、今の世の中ドライバーを確保することは容易ではない。
しかも自ら委託を切ってきた信用できない会社という印象の悪さがある。
ではどうするか?

そこで冒頭の社長の「ギグワーカー」構想に繋がる。

これまでドライバー職というのはどちらかと言えば不人気の職業でした。
普通に募集をかけてもなかなか人は集まらない。それはどこの会社でも同じ。

しかし不人気を覆したのがAmazon FlexやPick Go、ハコベルといったマッチングアプリ系の働き方。
「好きな時間に好きなだけ」という、それまでの運送業の常識を覆す働き方に、現職ドライバーはおろか未経験者までが応募に殺到するという社会的現象にもなった。

こうなると更に旧態依然の働き方で募集をかけても人は集まらなくなる。週5~週6で早朝から夜までという条件ではそこそこ稼げる程度ではなかなか難しい。
そこそこ稼げるというのも完全出来高制であるがゆえに金額の保証はないわけで根拠に乏しい。そこに前述の委託切りというイメージの悪さが加わるので尚更苦しい。

 

そこで時代の流れ、人気の働き方にあやかろうと考えたのでしょうか?
Amazonとの取引の中で、Amazonの自社流通の考え方と世間の反響に感化されたことは間違いないでしょう。運送会社主体の働き方は今の時代では世間に受け入れられないことに気付いたか。

クロネコの手も借りたいほど忙しい現場を救うには背に腹はかえられない。これまでのように朝から晩まで拘束する働かせ放題のような募集だけではなく、「好きな時間で働いてください」という選択肢を設けることで少しでもドライバーを増やし社員の負担を減らそうという取り組みは、大きな組織変更を間近に控えた今こそが実施するチャンスでしょう。

ただしギグワーカーの条件はどうなるかが最大の焦点か。
すでにAmazon Flexの時給2,000円というのが一般的に知れ渡っており、これが軽運送業を請け負う現在の一つの基準ともなっている。
これより好条件で出てくればまた軽運送業の勢力地図が変わってくるでしょう。
ここは要注目ですね。

「同一労働同一賃金問題」で委託のドライバーの待遇はどうなる?

委託のドライバーが週5レベルで朝から晩まで配送を請け負っていれば、当然社員ドライバーと「同一労働同一賃金」の問題が関わってくる。
ヤマト運輸のような規模の会社であれば今年の4月から実施されるわけで待ったなし!
ヤマトはその辺も意識してのギグワーカー構想なのかとも想像する。

これまでのような非正規の働かせ方では当然交通費や賞与、福利厚生まで面倒をみなければならなくなる。社員の残業代すら出し渋るような会社が非正規の人件費の負担を避けたいのは当然。
であればギグワーカーとして分離しておけば、同一労働ではないよ~と逃げることができる。

 

ヤマト運輸に限らず現在正社員に近い労働時間で委託で働いている軽ドライバーの皆様、およびこれから軽ドライバーデビューを予定している皆様にお伝えしておきたいことがあります。

それは同一労働同一賃金問題を請負先の運送会社や元請けとしっかり確認しておくことです。

 

中小企業規模では実施は来年の4月からですので、まだ具体的に考えていない会社もあるかもしれませんが、ヤマトや佐川、日本郵政等の規模の大きな会社で委託契約で社員並みに働いている方、これからそのように働く予定の方は法の適用が関係してくると思うので要確認です。

会社側がそれが嫌で突然労働時間を減らされたりするケースも考えられるため、時間はあまりありませんが事前にしっかり勉強・確認をしておきましょう。

より良い条件で働くためには法を知り、利用することは効果大です。

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