軽貨物ドライバー引退して次に何するか?

久々に組織の中で働きます。ようこそ社畜の世界へ?

8月10日を持ちまして、本業の軽貨物運送業を引退しました。
2008年9月1日開業から丸15年と区切りも良く、個人事業主というフリーランスの素晴らしさを十分堪能できたと思っています。
副業としての軽貨物のお仕事は続けては行きますので完全なるドライバー職からの引退ではないのですが、来週には63歳となる身分での本業転職ということで、かなりの葛藤がありました。

既に他のブログも含めて今回の引退の理由についてはお伝えして来ましたが、年齢による体力的な衰えが40㎏以上の荷物を持ち運ぶような商業貨物の仕事に耐え切れなくなってきたということが大きい。
まだ誤魔化しながら何とかなるだろうと思われる方もいらっしゃるでしょうけれど、たまにニュースで報じられる「重機の下敷き」みたいな事故って結構現場では起きている。

多いのは重量物を持ち切れずに落として足を粉砕骨折するような事故。
何とか落とすまいと最後まで手を放さず頑張ることで足元に重量物を落下させてしまう。
足を骨折などしたら、右足だったらAT車だって運転できなくなる = すなわち配達仕事が出来なくなる。

完治すれば御の字だが配達仕事はちょっと難しいだろうなぁ

社員だったら当然労災で医療費に関する補償はあるでしょうけれど、個人事業主だと自己責任で終わることもしばしば。
それどころか荷物を損傷させたことで弁償させられる場合もある。重量物は繊細な機械類とか高額なモノが多く実に気を遣う。

お酒の瓶を割ったりセメント袋を破袋させて軽ドライバーが弁償させられることなど珍しくない。
ドライバーに非がなく最初から損傷していたとしても、報告無しに持ち出してしまったら全てはドライバーの責任となる。
腕力握力が衰えてくれば荷物事故をやらかす可能性も高くなる。
その危険性を感じてきたので、周囲に迷惑をかける前にも自分のためにも身を引こうと思った次第です。

いや、この数年間の肉体的な衰えは自分でも情けない。
夏にも暑さにも強いと自負していたのに、こちらも弱っちくなってきた。
50代半ば頃までは余裕で70歳まで肉体労働できると思っていたのだが・・・
人間いつどこで挫折するかわからんもんですなぁ。

無理しても何もいいこと無いですよ。血管切れちゃいますよ!

本業辞めるのは簡単だが、そのままでは私も生活できない。
何かそこそこ収入になる仕事を見つけないといけないのです。
まあ軽貨物を始めた時から副業探しでいろいろと求人誌やサイトを見続けてはいたので、大よその求人と賃金相場みたいなものは理解していた。

世間では高齢者が就ける仕事って大体イメージが固まっている。
建設現場等の交通誘導員やビルの清掃員、スーパーや商業施設での警備巡回や買物カート回収、学校や寮・社員食堂等での給食調理配膳・・・

高齢者に求人の門戸が開かれているとは言え、どれも体力使うし容易に続けられる仕事ではない。
炎天下で路上にずっと立ち続けて交通整理とか、普通に外仕事とか肉体仕事を経験していない人は無理でしょう。
それでも自分にマッチするとは思えない仕事をやらざるを得ない状況って、人生って酷だよなぁ・・・

平凡に定年まで会社員続けていよいよ追い出された時、一体自分に何が出来る?
今は定年がほぼ65歳まで延びてはいるけれど、年金だけでは暮らしていけず65歳以降も働かねばならないのがスタンダード。
65歳で就活して何したいですか?

選択肢を持つ。機会を逃さない。自分を変える勇気!

私は今回、本業の軽貨物を辞めようと思った時、次に何するか決まっていたわけではない。
上記のような高齢者向け(?)の仕事も頭を過ったが、 ちょっと働く目的が見いだせないし収入にしろスキルにしろ伸びしろが全く感じられないことで自分の選択肢からは外れました。
もちろん大事な仕事だしその環境が合う人だっているでしょう。でもたぶんどれを選んでもワーキングプア一直線のような気がするのです。

十分な年金が貰えて体力維持とか社会との関りを保ちたいみたいな人は、近所ならやるのもあり。
でも年金だけでは生活費が足りないとなると、最低時給レベルで補うにはどれだけ働かねばならないのか?

その世界にスキルも経験もなければ報酬は低いのはまあ仕方がない。
ただスキルや経験が上がることで報酬や地位・待遇がそれなりに上がっていく仕事は、間違わなければまだ救いはある。
そういう視点で私は高齢者にも求人のある仕事を探してみました。
そこで一つの可能性を見つけたのです。

ただ、この職も世間では評判は芳しくなく避けられがちなジャンル。
なんで運送業から抜け出してその世界に行こうと考えるかなぁ・・・?
というように不思議に思われるでしょうねぇ。

積荷オヤジさんが選んだ職業。
それは

 

 

介護職

 

 

です。想像できました?
本人もビックリです。

介護の仕事や役職にもいろいろ。やるなら上を目指そう!

でも伏線はあったと言えばあった。
それは春先に父が他界したこと。

それまでも認知症の母も含めてそれなりに親の介護は経験していた。
日に日に弱っていく親の姿を目の当たりにして、つくづくと介護を仕事として働くって難しいなと思っていた。
なのになぜわざわざその困難な世界に入っていこうと考えたのか?

もうそれは親に導かれたとしか説明できない。
独り暮らしさせて孤独死させた後悔の念は今も心の片隅にはある。
老人の人生終盤をどう満足させることができるか。
言葉では綺麗ごとにできますけど、それを実現させるのはとても困難だし、ましてや昨日今日思いついて出来る仕事ではない。
資格も経験もないのに。
でも高齢者の仕事としては伸びしろはあるんだよなぁ。

実際介護職は人手不足の業界だが、求人の多くは資格無し・未経験者ははじかれる。
本当は未経験だろうが資格無しだろうが取り合えず人は集めたいのが現場の本音でしょう。
しかしある意味健康と命を預かる仕事ですから、未経験者に任せるのはリスクが高すぎる。
利用者側からみればド素人に自分の世話を託すのは不安だし、施設そのものに不信感を抱くかもしれない。

建設・運送とともに辛くて薄給のイメージが強いんだよなぁ

ところがいろいろと探してみると、ハードルを低く迎えてくれるところもある。
当然無資格・未経験者は報酬も低いが、最初は人体介助無しで職員の補助的なところから始められたりする。
資格取得支援制度があるのは地味に嬉しい。自腹なら1資格で5万~10万はかかる。
経験を積んだり資格取得で報酬がトントンと上がっていくので、そこはやりがいのある部分。

大抵の施設は女性の比率が圧倒的に多く、チームワークで統制をとって働いている。
病院内における看護婦さんの世界みたいな感じ。
施設利用者から見ても女性に面倒見てもらう方が安心なのかも。まあ私に介護されること考えたら自分でも嫌かも(笑)

それでも高齢者がその世界で働くメリットってなんだ?

夏涼しく冬暖かい。労働する側も体に優しい環境で過ごせる

まずは屋内仕事であり、利用者の体調を考慮して館内は空調が厳しく管理されているのがいい。
私のようについ先日まで屋外労働者だった者からすると、雨風関係なく1年中快適な温度の中で働けるなんてまるで天国のよう。

先にも少し述べましたが、資格取得や経験値が上がると結構昇給していくスピードが速い。
こういうニンジンの部分が高齢の労働者にも開示されているのは他の職に比べて有難いし面白い。

そして綿密なシフト体制で始業と終業がきっちりしている。
残業はほぼ無く(運送業出身には残念?)、プライベートの予定が立てやすい。
これは働き先によるかな?

社会保険関連は充実しており、定期的に健康診断も無料で受けられる。
その他にもいろいろありますが、この業界は割と福利厚生の部分は面倒見が良いと思いました。

個人的には何と言っても職場が家に近いことが最大のメリット。
これはこの世界に働く人全てに言えることではないけれど、暴風雨だろうが大雪だろうが5分で通勤出来るのは過去最高ズラ。

もちろん良いとこばかりではありません。
デメリット的な部分については次の機会にお話ししますね。

軽貨物ドライバー引退して次に何するか?” に対して2件のコメントがあります。

  1. 田口 英治 より:

    大変ご無沙汰しております。宮崎さんが立ち上げた一般社団法人軽貨物運送事業者協会の創設の頃にお会いしました田口です。
    覚えていらっしゃいますでしょうか。
    私は9年前に行政書士になり、相続と遺言の専門家(時々遺言と相性の良い任意後見契約公正証書の作成もやっています)として開業しております。
    行政書士開業後も私は時々積荷オヤジ様のブログを拝見し、ご活躍ぶりを知るとともに刺激をいただいております。
    この度、積荷オヤジ様が介護業界に進まれるとのことでしたので、もしかしたら私がお役に立てることがあるのではないかと思い連絡させていただきました。
    現在、私は地元の南区で法定成年後見人もしており、区高齢障害支援課や地域ケアプラザ、介護施設の方たちと関わる機会が多く、介護業界のことは多少は理解しているつもりです。そして、医療、介護の仕事が大変で改善すべき問題が多いということ聞いております。しかし問題はそこだけではないとも感じています。
    それは普段、直接的または間接的に面倒を見ている家族や親族側の問題です。
    現場でご家族ご親族とお話しをされる時に将来の不安や悩みなどを聞く機会があるかもしれません。その時にご家族ご親族にも寄り添って一目置かれる存在になっていただければ幸いです。
    末端の法律職である私としては、面倒を見てくれるお子様たち(お子様がいない方はご兄弟や甥姪たち)と本人のために任意後見、民事信託、遺言等を準備しておく必要がある場合が多いと思っています
    詳しいことを書くとキリがありませんので、もしご興味がありましたら田口までご連絡ください。事例などを交え詳しく説明させていただきます。
    私がやっていることはボランティア的な活動が多くなりがちで、費用対労力で見たら儲かる仕事にはなっていません。そうは言っても利益が出なければ長く続けられませんので、まずは収益化について一緒に考えていただけたら嬉しいです。
    長文になってしまい申し訳ございませんでした。
    ご検討の程、よろしくお願い申し上げます。
    追伸、ご興味が無ければご返信は不要です。

    1. 積荷オヤジ より:

      田口様
      お久しぶりです。まだ覚えていてくださってビックリです。
      協会の皆様はその後どうされているのでしょうか?

      ご指摘の通り介護業界はなかなか厳しい世界と認識しております。
      またコネも人脈も全くない業界ですので、ご協力ご支援いただけるご提案は非常に心強いです。

      父が亡くなり残された母も既に認知症で特養に入所し、司法書士に成年後見人の手続きを依頼済み。
      近日中に家庭裁判所から後見人候補者の連絡が来る予定です。
      もう少し早くご連絡いただければもしかしたらお世話になっていたかもしれませんね。
      まあお互いにそんな方面に転職しているとは思いもよりませんでしたけどね。

      介護・看護の現場では当人以上にそのご家族・親族のご苦労が伝わってきます。
      ある意味ビジネスに繋がる要素が多いとも感じますが、果たして有益なビジネスになるのか?
      というと、報酬と時間を考えると難しそうですよね。

      南区は私の配送エリアでもありました。
      老人介護施設や地域ケアプラザにも数多く配送で伺っており、雰囲気的には理解していた
      ということも今回の転職に踏み切った一因でもあります。
      永田地域ケアプラザの求人にもちょっと心が動かされましたけど。

      残念ながら今後は南区に行く機会があまりない(年金事務所には数年のうちに行くでしょう)
      かもしれませんが、ご相談事が起きましたら頼りにさせていただくかもしれません。

      他人ごとではなく私自身だって認知症の可能性は大いにあると思います。
      もしブログで認知症の気配を察したら大至急ご連絡くださいませ(笑)
      たぶんブログより先に職場で指摘されると思いますが・・・

      お互いにまさかの軽貨物引退となりましたが、知識を武器に長く働き続けられる方向に
      舵を切ったと思います。
      もし介護施設入所を検討している方がいらっしゃいましたら、逆に私の方にご連絡
      してください。施設長に相談してみます(営業)。
      ちなみに施設は港南区になります。業界大手の施設です。

      ではお元気で!

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