軽ドライバーの災害対策

場所もタイミングも想定外なほど被害は深刻になるなぁ
年明け早々の能登半島地震。元旦の大地震・災害ということで強烈なインパクトを日本中に与えています。
日が経つにつれ被害の規模が大きく膨れ上がっていきますが、と同時にクローズアップされてきたのが遠くない未来に起きるであろう南海トラフ大地震。
南海トラフでの大地震の発生間隔はおおよそ100年前後で起きているようで、長くても150年以内にはマグニチュード8以上の大地震が発生していると。
一番近い所での発生は1944年のM8.2の昭和東南海地震、1946年のM8.4の昭和南海地震。
プレートの半割れというメカニズムが、隣り合うプレートで順々に起こることで大地震が時間差で起きるという恐怖。
その前の南海トラフでの大地震は1854年のM8.6の安政東海地震とM8.7の安静南海地震。
この時はなんと東海地震の32時間後に南海地震が発生している。余震と思われていたものが実は最初に半割れしたプレートの近くで残ったプレートが割れて起きた別物。
M8.6の大地震のたった2日後にはM8.7の大地震が襲うという恐怖。
震度7クラスの地震が2日間で襲ってくれば、当時の建物ではどうにもならなかったのではないか?
しかも海に近いところでは当然大津波にも2回襲われているということ。
現在のように警報を知る手段のない時代では被害規模は想像を絶するものがある。

台風には強いが地震には弱い瓦屋根。住みにくい国、日本!
安政東海・南海地震と昭和東南海地震との間隔は90年。
直近の昭和南海地震と今現在は既に78年が経過しており、そろそろ本気で対策に取り組まないと間に合わないでしょう。
一昨年だったか「今から30年以内に巨大地震の起こる確率70%」と京都大学名誉教授の方が警鐘を鳴らして話題になりましたが、あながち適当な発言でもなさそう。
それから既に2年が経過し更に巨大地震発生の確率が上がっているということ。
能登半島地震は南海トラフとは離れているエリアであり地形的に被害対策が遅れてしまった感がある。
しかし東日本大震災から少し年月が経ってまた人々の中には油断が出てきたかもしれず、改めて気をひきしめるキッカケにしたいところですね。
南海トラフで起きる大地震は上記のようにプレートが半割れ、半割れと連動することで短期間に大地震が続けて起こることが危惧されている。
大きな被害を被るエリアとしては静岡~九州の太平洋側と広範囲に及び、首都圏を含めると日本の人口の約半分以上が暮らしているという。
そして人々が暮らす多くの場所で、想定される10m以上の津波の被害に遭うと言われている。
地震の揺れに建物が耐えられるか?そして運よく外へ脱出できたとしても、大津波から逃れることができるのか?

災害時は車で逃げるのは諦めよう!後はどこにどう逃げるか
大地震発生!その時軽ドライバーは?
日本の人口の大半が暮らすエリアで起きる大地震ということで、軽貨物ドライバーの皆様の大半も普段から活躍されているエリアでもあるでしょう。
以前に別ブログでも書きましたが、配達中に大地震に遭遇してしまったらどう対処すべきか?
まずその前に業務委託契約上、配達中の災害遭遇の際に積載中の荷物をどのように考えるのか?ということを確認しておきたい。
荷物を車内に放置して避難することがやむを得ない状況で、最後にその荷物を回収できる保証などないからです。
様々な映像で津波で簡単に流されていく車両を見たことがあると思いますが、まさか車両内の荷物の責任を押し付けられたまま仕事をしてませんよね?
責任の所在を明確にしておかないと後々面倒なことになります。
おそらく道路上で大地震に遭遇してしまったら、車両で移動することは極めて困難になる。
社会道徳上では運転中に大きな揺れを感じたらハザードランプを点け後続車や周囲の車に注意を促し、減速して道路の左側に車両を止めます。
窓を閉めドアはロックせずエンジンキーは付けたまま、もしくは車内のわかりやすい場所に置いて車から離れます。
もしドアロックしたままとかエンジンキーを持ち出して緊急車両等の通行の妨げになった場合、道路管理者は車の所有者の同意無しにやむを得ない限度において、車を破損し移動させることができます。(災害対策基本法 第76 条の6 第3 項)

貧相な構造の軽自動車は災害時にはひとたまりもない
配達すべき荷物を積んだままドアロックもせずに車から離れるなんて、まさに災害時に暗躍する火事場泥棒の格好のターゲットじゃん!
と思っちゃいますよね。
だからと言ってぐずぐずして荷物と心中するわけにもいかないし。
荷物と自分の命のどちらが大事なの?と問えば答えは決まってる。
ただし真面目な日本人は責任感が強いので災害時にも仕事の心配をしてしまう。
だから仕事を請け負う前に災害時の時のルールと責任の所在をハッキリさせないといけませんよ!ということ。
よほどのブラックな相手と取引していなければ、災害時に荷物を放置・盗難に遭っても責任は問われないはず。
「死んでも荷物は回収して来い!」なんていう相手と仕事をしてはいけないのです。
これから災害に遭遇する確率が高まっていくのですから、明日にでも取引先とは確認しておいた方が良いです。
曖昧なままにしておくと責任は全て弱者に押し付けられますよ。
同じ配達仕事でも、フードデリバリーとは運んでいる物の価値が全然違う。食べ物を弁償するのとはわけが違うのです。

車を停めるところが数メートル違っただけで無事には帰れない
自分が配達するエリアではどのような危険が想定できるのかを確認しておきたいですね。
ブロック塀や倒壊しそうな建築物(工事現場の足場とか)の側によく車を停めていませんか?
ガードレールしかない急坂や崖の上によく車を停めていませんか?
地下や商店街の中によく車を停めていませんか?
トンネルや橋の上をよく通ったりしませんか?
海や河川の近くで走り回っていませんか?
気にしだしたらキリがないですけど、「今ここで大地震が起きたら」とシミュレーションしておくことも役に立つと思うのです。
本番で一瞬の機転の差が生死を分けるかもしれません。
車両で避難できるような道路事情なのか?
群集のパニックが起きそうな場所なのか?
車両および荷物を後で回収できそうな場所なのか?

近くにいたらアウト!遠くても仕事や日常が失われる
災害は大地震に限りません。
噂されている富士山が噴火すれば広範囲に火山灰の影響を受けます。
火山灰が5センチも積もれば車両は動けなくなると言われているし、やはり車両と荷物を放置してどこかに避難しなければならないでしょう。
とにかく災害時に運送仕事の抱える問題は「荷物」と「車両」を放置して逃げるということです。
そして災害が起きればガソリンは当分給油できないと考えておきましょう。
東日本大震災の時には停電で信号も点灯せず道路は大混乱。
現金は必ず所持していた方が良い。停電と通信網が止まるとキャッシュレスで買い物もできなくなる。
積み地に荷物が運ばれてこないため日々の食材や生活物資も店頭から消える。
配達の仕事もできる状態にならず、収入もストップする。
「その時、どこにいるか?」が生死の分かれ目と言われていますが、それは軽貨物ドライバーも同じ。
崩落する橋の上を走っているのか?大きな地割れに突っ込んでしまうのか?落石に潰されるのか?液状化した道路で動けず津波に流されるのか?
災害リスクの高い職業と言えるかもしれませんね。
いや高層ビルのオフィスで働いているより生き延びる可能性は高いかな?