また運送業界で問題発生!
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお付き合いのほど、お願い申し上げます。
と毎度毎度当たり前のようなご挨拶が世界中で飛び交いますけれど、考えてみれば誰もが明けているわけでもないし、おめでとうどころではない人もいる。
特に昨年元旦の大地震で被災された方々にとっては、お正月はそれまでのような気持ちで迎えることができないものになってしまったかもしれませんね。
大阪万博開催に向ける熱意と震災復興に対する熱意の違いが問題視されているのに改めようとしない国・政府。
それに鉄槌を下せない国民もまた国力の低下に一役買っている。
これ、目先の売上数字を追うことに躍起となって現場をおろそかにしているクロネコさんと同じ構図ではないか。
本来なら声をあげて問題提議しなければならない現場の方々も、文句は言うが結局はメチャクチャやってる上からの命令に従うばかりで自分たちがどんどん苦しくなっていくだけ。
これではますます人は集まってこないから更に残った者が貧乏くじを引くような状況に。
会社や職場を本当に良くするためには、まずは明確な意思表示(時には大量退職)などがないと腐った経営陣は目が覚めない。
この業界特有の殺し文句「お前の代わりはいくらでもいる」というのをいい加減に変えていかないと。
「労働力の代わりがいくらでもいるというなら見せてもらおうか」とタンカ切って辞表を叩きつける者が続出したら、経営側がどう反応するのか見てみたいですな。
さて、年明け早々にまた運送業界では呆れた問題が発覚しています。
日本郵便、ゆうパック委託業者に「違約金」 誤配・苦情1件1万円も
関東地方の郵便局が、宅配便「ゆうパック」の配達を委託した業者から、顧客の苦情の際などに不当に高額な「違約金」を受け取っており、公正取引委員会が昨年6月、日本郵便の下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請)を認定していたことがわかった。違約金は日本郵便が全国の委託業者と契約で定めており、公取委は違約金制度を是正するよう行政指導した。(朝日新聞DIGITALより)
日本郵便と委託業者(中間搾取する業者)の間にはこれまでも違約金制度が存在しており、その制度自体は違法ではないがその中身が「不当に高額な」違約金であり、その金銭的負担を末端のドライバーに転嫁していたことを問題視して違約金制度の是正をするように行政指導したのだと。
何が違約に抵触したのかというと、顧客からのクレームがほとんどらしい。
誤配やたばこ臭クレームはどこの運送会社でもよくある話。
ただし対処の方法については会社によって違ってくる。
私が軽貨物ドライバー自体にお世話になっていた運送会社でも、誤配に関しては厳しく扱われていた。
罰金などはなかったが、年に2回誤配をやってしまうと契約解除。
ある意味、罰金より厳しいかもしれません。
日本郵便の「違約金が不当に高額」と指摘されているが、じゃあどのくらいのルールだったのか?
内規では「誤配達1件5千円」、「たばこの臭いのクレーム1件1万円」などの目安額があるらしい。
これはひな型ということで郵便局ごとに契約書の範囲内で判断を任せているとのこと。
誤配よりたばこ臭のクレームの方が罰金額が大きいというのは意外かな。
罰金とちょっと違うが荷物破損の場合は状況にもよるが、基本はドライバーによる弁償。
私は荷物破損による弁償は2回経験がある。一つは後部ハッチを開けたと同時にワインのケースが落下。7千円ちょっと支払った。
もう一つは百均shopに缶コーヒーを数ケース納品している時に、ひとケースを台車から落下させてしまい外箱が陥没。
おそらくケース(24缶入り)の中の缶にもいくつか影響があると思われ、その場で店長に報告し損傷したひとケースをその場で買取りして処理した。
こういうリスクは末端のドライバーが被ることになる。
タバコ臭のクレームに関しては完全に常識の範疇であり、そんな人間は雇わなければよいし、禁煙できないならドライバー職などやらなければよい。
でも運送業には喫煙者が非常に多い。自分を律せない者が集まる職場環境であり、いつまで経っても改善できないのは中間管理職がほぼ喫煙者なため、禁煙ルールは自分を苦しめるからやらない。
ホントにダメダメな業界だよ。
ドライバー仕事は非正規でやるにはリスクが高すぎると思う。
かと言って正社員になればヤマト運輸の実情を見ればわかる通り、現場では人を人として扱われていない。
そんな環境で「責任感」を辞めないことの言い訳に、命じられるがままにいいように働かせられていることを続ける者がまだまだ多くいることに驚かされる。
こうした方々が物流を支えているのは事実ですが、同時にこの業界を変えられない原因にもなっているのではないだろうか?
そもそも「ドライバーを辞められない事情」とは何か?というところが問題の根底にある。
ドライバー仕事にもいろいろあるが、他の職種と比較してかなり高齢化が進んでいる。
「この歳で他の仕事で採用されるわけがない」「他に何も経験やスキルがない」「今さら年下の上司の下で新しい仕事を覚えようとは思わない」と、なるほどもっともらしい理由が並びます。
じゃあ今の仕事が打ち切りになったらどうするのか?という問いには、きっと「同業他社で探す」という答えになるのでしょう。
あくまでも自分の可能性を広げないスタイルを変えようとしない。
先に仕掛けようとしないんですな。あくまでも何か起きたらその時に考えるという受け身の姿勢。
経験者だしちょっと条件落とせばどこかに働き先があるという過信が見え隠れする。
受け身で職を探す者に待ち構えているのは、「足元を見られる」ということ。
つまり相手のルール下で好きなように使われる。年を重ねるごとにこれじゃあ悲しいよなぁ。
どうせ大した職に就けないと思うなら、当たって砕けてみるのもいいのでは?
せっかくこの世に生まれてきたのに無抵抗で朽ち果てていくのか?
年齢を言い訳にするのは簡単だけど、働けるならきっと今よりマシな仕事はあるのでは?
独り身ならまだしも家族がいるなら気概ぐらいは見せないと。
男として、夫として、父として、その存在を悪いイメージのまま消えてしまっては残された家族も浮かばれない。
生活は大事だけど毎日辛い顔をしないで済む生き方・働き方はないものか?
残された生きるためのエネルギーをどこに使うのか。
呆れたルールを振り回すような経営者のために我慢・辛抱を続けるのか?
特にここ数年の運送業界をみてもわかる通り、トップが現場をまるでわかっていない。
まだお給料が良いとかスキルを構築して次のステップに繋がるとかなら我慢・辛抱もわかる。
しかし現実は次々と出てくる報道のように長時間労働で低賃金、リスクばかり大きくて他で通用するスキルも身に付かない。
「何でその仕事にしがみ付いてるの?」と不思議がられている。
まだまだ膿と闇が暴露されていくであろう運送業界。
残るも地獄、出るも地獄。同じ地獄ならどちらがマシか。
逃げ遅れたら人生終わるということだけは言えそうだ。