年度途中の廃業の確定申告

インボイスで余計に面倒になったよなぁ。廃業するかぁ!

関東平野部でも雪の予報が出ていましたが、取り合えず3日は交通に影響が出るようなことはなかったようで関東エリアの配送の問題は特に起きませんでした。
ただ引き続き4日5日も雪予報が出ており、関東甲信地方の山沿いや山地を中心に大雪の見込みだと。
関東南部の平地でも積雪の可能性。
ドライバーがモヤモヤする曖昧な天気予報ですな。

軽貨物ドライバーとして現役時代の私でしたら、1月~3月の期間は雪が降る降らないにかかわらずスタッドレスに履き替えていました。
加えて坂の多い横浜なので、季節関係なく4駆をスタンバイして仕事するのは一つのリスクヘッジ。
雨雪なくてもハンドル切りながらの急坂などではタイヤが空回りして焦ることもしばしば。
ビビりの私はそんな坂に挑む時には予め4駆モードにして慎重に登っていきます。

急な下り坂の時もしかり。特に雨の日などは濡れた枯草でスリップっぽくなる時は生きた心地がしません。
荷物満載の時は本当にシャレにならない急坂の上り下りは、是非皆様にも経験して頂きたいw

アクセルとブレーキの加減がわからないだけじゃないか!

そんな私も今では運転仕事から解放され、天気予報に一喜一憂することもなくなりました。
この運転ストレスからの脱出は、特に高齢者になればなるほど運転手のみならず周囲の人々にとっても安心材料となる。
ドライバー本人の運転中の急な体調変化で周囲を巻き込む事故は毎年起きているし、安全運転していてもそんな危ういドライバーからのもらい事故はたまったもんじゃないですよね。

なので唯一残っていた副業である介護施設のデイサービスの送迎の仕事も引退させて頂きました。
何とか60代になってから無事故無違反で周囲に迷惑かけずに過ごせたことでホッとしております。
まだまだ60代70代のドライバーが仕事・プライベートにかかわらず公道の上を走り回っているのが現状ですが、何かキッカケでもないとなかなか運転を辞める決断というのは難しいでしょうね。
そのキッカケが大きな事故でないことを祈ります。

さて、私が運転を辞めるキッカケとなったのが既報の通り軽貨物運送業を廃業したこと。
そのキッカケにも3つの要因がって、一つは自分自身の体調不安。2つ目はインボイス制度を拒否して本業の委託の配送を辞めた事。3つ目は副業の配送仕事が荷主移転で契約終了となったこと。

たった1年の間に立て続けに「オマエはもうハンドルを握らない方がよいぞ」という神の声が私をあらぬ方向に導いた。
この神の声こそ、実はインボイスが始まる年の春に他界した父ではなかったかと思っている。
もしかしたら体調不安を我慢してそのままハンドルを握っていたら、運転中に何かヤバいことが起きていたかも・・・
インボイス制度に屈して増税を受け入れてまで儲からない軽貨物に固執していたら・・・

60歳過ぎてハンドル握る仕事は嫌です。リスクだらけだし…

引退後のガソリン価格の高騰やインボイスの経理で苦労している個人事業主の姿を見ていると、いいタイミングで逃げ出せたなと思わずにはいられない。
別ブログでも書いたが、インボイスの経過措置による2割特例は来年10月から5割となる。
2.5倍の増税になることを現役の個人事業主ドライバーの方々はわかっているのだろうか?

増税だけではない、物価高騰は車両のメンテナンスにも及んできている。
オイル、タイヤ、バッテリー、ブレーキパッド、作業工賃などが軒並みUPし、黒ナンバー軽車両による事故の急増で商業車保険料も値上がりする可能性が出ている。

それに対して軽貨物仕事の報酬は増えているのだろうか?
前年度と同じ収入だとすると、手元に残るのは経費と増税で実質は2割以上目減りするのではなかろうか?
労働量・労働時間は増えているのに逆に年収は2割以上減っていくとか、そのビジネスを続ける経営者としてのセンスはいかに?

年金もらいながら気楽に働くならまだしも、本業として食っていくなら目先の仕事より3年後5年後の世界を意識して考えていくべきでしょう。
2024年問題と言われながら世の中あまり大きな変化が起きていないように感じるかも知れませんが、バスの運転士不足は路線廃止や大幅な減便となって全国各地で起き始めている。
ヤマトと日本郵便は協業に活路を見い出そうとしても結局は自分たちの利益優先という体質が暴露してしまったし、人を大事にしない運送業界を体現してしまっている。

始めるのは簡単!廃業は未練がましくせずに計画的に!

廃業した年度の確定申告
まあ皆が愛想つかしている運送の世界の話はいい加減飽きてきたので、ちょうど確定申告真っ最中の時期ということもあって廃業した年度の確定申告についてお話をしてみたいと思います。
ちょうど私が昨年6月末で軽貨物運送業を廃業したこともあって、今回提出する確定申告はタイムリーな話題を提供できそうです。

以前にも紹介しましたが、まず事業を廃業する場合は税務署に廃業届を提出します。
おそらく事業主は青色申告もされているでしょうから、廃業届と同時に「青色申告の取りやめ」も提出します(同時でなくてもOK)。

これで税務署に対しての所得税に関する手続きは終了ですが、この他に住民税にかかる手続きを最寄りの県税事務所等に別紙にて提出します。
私の場合は税務署に提出した届出書が4枚綴りとなっていて、複写した書類を税務署から県税事務所に送ってもらうことで県税事務所に足を運ぶ手間が省けました。
この辺は税務署に確認しておくことをおススメいたします。

青色申告は廃業年度の確定申告もできますが赤字なら控除なし

で、確定申告では何をするか?ということですが、既に「青色申告の取りやめ」をしましたけど廃業した年度までは青色申告が可能です。
注意すべきことは経費をいつまで計上して良いか?ということでしょう。

一般的には廃業日以前に発生した経費はOK。廃業日以降に発生した経費は場合によっては認められます。
ところがここで注意したいのが廃業日の設定。

例えば6月30日付けの請求書分をもって事業を終了したとします。
6月30日付けの請求分の入金があった月の月末を「廃業日」とするケースが多いのですが、これを悪用して仮に廃業日を10月末日としたとします。
廃業日は自由に設定できますが、さすがに入金が4か月も先になることはないでしょう。
そうすると10月末日までの経費が絶対に認められるか?というとこれは危険。

廃業年度の経費はいつまで認められる?誤れば税務署が来るぞ

軽貨物運送業の経費で割と多いのが家賃兼事務所と水道光熱費などを按分しているケース。
既に6月30日以降、軽貨物事業の体をなしていないのに家賃や水道光熱費が10月末日まで経費として認められるでしょうか?
ましてやガソリン代や駐車場代など認められると思いますか?
こういうのは確実に税務署からお尋ねがくるでしょうね。

廃業日以降でも経費が可能となるのは、例えば経理処理等で廃業日の翌月も事務所を使用しているとか。
税務署に説明がつく特殊事情があれば大丈夫だと思います。
でもそういうケースが想定される場合は廃業届を出すときに直接税務署に確認しているはずだと思いますけど。

私は全ての経費は廃業日の前月までで終えています。ギリギリまで経費を引っ張ってもよいのですが、そんなことしなくても事業収入は既に赤字だしセコイことしてもあまり意味がない。
極力税務署にツッコみさせないことが申告では大事です。

いよいよ面倒な確定申告とも今回で終わり。次からは楽ちん?

そして今回私が確定申告を作成途中で気付いたことがあって、実は廃業年度は事業収入より経費の方が上回って赤字となっていました。
「これは還付金が発生するのか?」と少し喜んでいたのですが、仮作成した申告書上の青色申告控除欄に数字が何も記載されておらず、電子申告ソフト会社に問い合わせてみたところ「事業所得がマイナスになるようなケースはそもそも青色申告控除が発生しないため、本来の青色申告控除額650,000も発生しない」とのこと。
控除するものがないということですね。

ただ所得税は前年より大幅に減り、今までの個人事業時代は何だったのか?と自分にツッコミを入れたくなる。
恐らく住民税も相当安くなるでしょう。

給与所得は増えているが、全体の税金は減っている。
個人事業を廃業して良かった!w
と複雑な気持ちでいる廃業年度の確定申告です。

計画的な自主廃業はソフトランディングが可能ですが、追い込まれた廃業は確定申告どころではないハードランディングになりがち。
始めるのは簡単な個人事業主ですが、辞め時は結構面倒臭いことは覚悟しておきましょう。

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