レッドオーシャンを泳ぐ人
緊急事態宣言が徐々に日本全国へ広がりつつある今日この頃。
相変わらず今度の首相は後手後手。早めに始動していれば効果も期待できた政策を、小出し小出しにして結局は事態を悪化させていくばかりの繰り返し。
これでオリンピックを必ずやり遂げるのだと?
日本がビジネスシーンにおいて世界中からどんどん置いてけぼりを食っているのが少しわかるような気がいたします。
TOPの判断力・行動力が遅い!
菅首相がいかにも日本の衰退の象徴そのもののように思えるのは私だけでしょうか?
もちろんTOPとしての責任は組織の規模が大きくなればなるほど重くなり、軽々しい言動は慎むのが基本線になるのでしょうが、緊急事態に直面しているのに「少し様子をみる」「専門家と相談して意見を伺う」という言葉ばかりが出てくる。
誰に忖度しているのか(国民は皆知っている)わかりませんが、いろいろな事態を想定して準備していないのだろうか?
結局は地方自治体や国民の圧に押されて渋々と弱々しい政策をポロポロ出してくるが、いづれも中途半端感が否めない。
後出しジャンケンで負けているような情けない状況ですね。
今のところ補償も罰則も伴わない緊急事態宣言ですから、昨春の第一波の時のような緊張感は薄い。
従った者だけが損をするというような空気が漂っています。
最終的に生き残るためには各自が最善と思えることをやるしかないのでしょうか?
民主主義国家では国をまとめるのは非常に難しい。
貧富の差も開いていくばかりの現代社会構造では、平等に行き渡るようなルールというのはまず無理でしょう。
そのような中で唯一コロナ補償に関して平等性があったのが、一時的にせよ消費税の減税もしくは中止。
補償金の配布は不平等の部分と悪用されるケースが容易に想像できますが、消費税は全国民に適用されている部分ですから一時的にせよ平等に恩恵を与えるものですよね。
相乗効果として消費税が中止もしくは減税の間に消費力が高まることも期待できます。
これこそコロナ禍の中で新たに補償金を配布する手間を省き(消費税率を変える手間はかかるが)経済を回す一つの策でしょう。
コロナ騒動の中では業種や職種の違いで影響の大小が出ています。
影響が大きかった業種・職種の特徴を掘り下げてみると、同じようなサービスを多くの会社やお店で提供していることでしょうか。
もちろん人との接触や移動が必須な商売は全体的にダメージが大きくなりがちですけど、同じようなサービスを提供するのでも実店舗対面型とオンライン完結型ではだいぶ違っています。
これからは実店舗だけでの商売は厳しくなり、オンライン化が当然のようになっていきます。
実店舗でのサービス提供には家賃や人件費といった固定費が重くのしかかり、オンライン展開では固定費は大幅に削減が可能で、その分を商品・サービス価格に反映させて差別化を図っている会社も増えています。
オンラインのみの対応のドコモの新プラン「ahamo]などはその典型でしょう。
不動産の場合は最終的には物件の案内や重要事項説明・銀行での決済・鍵&権利証の受け渡し等、接遇が避けて通れないシーンはまだまだありますが、物件自体はその多くが全国どこの不動産屋でも扱えるはず。
ネット上でいろいろな不動産会社のサイトで同じ物件が同じ値段で出ているのを見たことがあると思います。
売主と直接繋がっている専属専任媒介の不動産会社以外はレッドオーシャンの世界です。
同じサービス・同じ価格のモノを不特定多数の需要の中から客を見つけて売るというのは宝くじの世界に近いものがあります。
専属専任媒介の会社が有利なのは客を直付けできれば手数料を売り買いで得られる(両手と呼ばれる)こと。
物件チラシ等の一番最後に「媒介」としか記載されていない会社は手数料は客からの片手だけなのです(媒介だからといって怪しい会社ということではありません。いや怪しい会社の可能性はありますけど)。
ほとんどの業界では既存のサービスや商品はレッドオーシャン。
いかに付加価値を提供できるかが他との差別化になるのですが、最終的には価格競争となり体力の無い者が市場から退場することになる。
いかに他者より早く始めて美味しいところを食したら、未練を残さず次のオーシャンを求めて移っていく。
成功者の残骸に群がっている2番煎じ的な者は真の成功・報酬は難しいのではないか?
私は仕事中でもちょっとした時間があれば書店やブックオフに行くのが習慣になっています。
特にブックオフや家電量販店のワゴンセールコーナーでは、今でもせどらー達が端末でその商品が利益が出るかどうかを調べています。
しかし笑ってしまうのは同じ店舗の中で何人ものせどらー達が同じ端末を使い、商品毎の売価を調べられる同じサービスを使い、同じ本やゲームソフト、DVD等をチェックしている。
当然出てくる結果は同じだし、利益が出そうな品は先にチェックした者が持っていく。
いまだに残骸に群がるせどらーたちの悲哀。
私も20年ほど昔、まだブックオフが全国展開していなかった頃に本のせどりやオークションにゲームソフト等を出品して稼いでいた時期がありました。
当時はライバルはほぼ存在せず、まさにブルーオーシャンでした。
今はブックオフは全国展開しせどりを意識した値付けをしているため、せどりで利益を出すのは悲しいほどに難しい。
しかも同業ライバル同士が同じ商品をご苦労なことに皆でチェックしている。
先週、ブックオフで久しぶりにせどらー達のご苦労を見ましたが、レッドオーシャンを泳ぐとはこういう後追いの姿なのだなと改めて思った次第です。
何かが流行りだしたら、それに気付いた時にはもう遅し。
昨年の軽貨物やフードデリバリー仕事の盛り上がりにも、レッドオーシャンの臭いが漂っています。単純作業ほどその危険性は高いと思います。
さて、コロナ禍で今年は何が流行るのでしょうか?
早く気付くか、それとも自分で仕掛けるか?
流行を追っかけているうちは成功するのは難しい・・・