64歳はターニングポイント
64歳。それは一つの節目を迎える年齢です。
私は先週、ついに64歳といういろいろ決断を迫られる年齢となりました。
40代終盤に会社員の世界を離れ、15年ほど個人事業主としていろいろなことを学んできました。
今はまた雇用される世界に戻っておりますが、定年の無いアルバイトとして2社掛け持ちで勤務しております。
多くの人にとっては64歳というのは定年退職が間近に迫り、年金の受給が現実のものとなる時期です。
キッパリ労働から引退し年金で余生を謳歌するのか、再雇用で会社にしがみつくのか、新たな仕事に挑戦するのか、労働のチャンスとしては最後の選択になるかもしれない「その決断」を迫られるのが、64歳 なのです。
人生の終盤戦に突入しようとしているこの年齢は、これからの人生をどう歩んでいくのか、深く考えざるを得ない瞬間でもあります。
年金と老後資金の問題
64歳になると、年金の受給資格を得るための手続きを進めることになります。
実際は繰り上げや繰り下げして60歳から75歳までの間で受給開始することも可能であり、選択肢は意外にあるのですが一旦決めたら訂正はできません。
しかし、年金だけで悠々自適な老後を送れるかというと、多くの場合それは難しい現実です。自分の寿命もわからないため受給開始の最高のタイミングの判断も難しい。
更に日本の年金制度は年々見直され、支給額や受給開始年齢にも変化が生じています。
そのため、年金が老後の生活費を全てまかなうことができると考えるのは危険です。
ここで直面するのが「老後資金不足」の問題です。定年までにどれだけの貯蓄を作れたか、または今後どのように資金を確保していくかが重要になります。
老後の生活を見据えた場合、健康や生活スタイル、趣味などにどれだけの資金が必要なのかを具体的に考えなければなりません。旅行や趣味にお金をかけたい、家のリフォームが必要だ、孫に何かしてあげたいといった希望がある一方で、それを叶えるための資金が十分かどうか不安になるものです。
再就職か、セミリタイアか
「もう一度働くべきか?それともゆっくり休むべきか?」
この問いは、64歳の多くの人が直面する問題です。
老後資金を増やすために再就職を考える人も多いですが、体力的な不安や、企業が求めるスキルとのミスマッチに悩むことも少なくありません。
単に定年したからといってすぐに次の仕事などみつかるわけもなく、本当に働きたいなら少なくても1年ぐらいは自分の棚卸と社会情勢と覚悟を見つめ直す必要がありそうです。
一方で、辞める働くという2択ではなく、気負わずにセミリタイアという選択肢もある。
年金を得ながら週に数日働く、または短時間の勤務を選ぶことで、体力的な負担を減らしながら収入を得て生活を安定させる方法です。
この選択肢は、仕事を続けることで生きがいを感じる人にも魅力的に映ります。
仕事を通じて社会とのつながりを持ち続けることで、孤立感を防ぎ、心の健康を保つ効果も期待できます。
健康の維持と医療費の心配
年齢を重ねるにつれて、健康への関心が高まります。
64歳という年齢は、すでに何らかの持病を抱えている人も少なくないでしょう。糖尿病や高血圧、関節の痛みなど、生活習慣病が進行しやすい時期でもあります。
私も60歳を超えていろいろとガタが来ました。処方される薬も年々増えています。
この時期に重要なのは、健康を維持するための生活習慣を見直すことです。
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠が基本ですが、それに加えて、定期的な健康診断や検診を受けることも欠かせません。
特に個人事業主としてフリーに働いている方は定期的な健康診断を疎かにしている人が多い。
定年を迎えて急に体調を崩す人がいるのは、心の張りを失ったか生活リズムの変化によるところが多そうです。
それでなくても60歳過ぎればどんなに元気ぶっていても医療費が増加する可能性が高いため、予防に力を入れることは結果的に医療費を抑えることにもつながります。
しかし、どれだけ健康に気を使っていても、予期せぬ病気や事故に見舞われることがあります。
その際に備えて、保険の見直しも重要です。医療保険や介護保険に加えて、生命保険や終身保険の加入状況を確認し、家族に負担をかけないようにすることも考慮すべきです。
家族との関係と孤立感
この年齢になると、子供たちは独立し、孫がいる家庭も多いでしょう。
子や孫は別居し配偶者との時間は増えるが、社会とのつながりが薄れていくことで孤立感を覚えることもあります。
特に、長年勤めてきた職場を退職した後は、日常的な人間関係が減少することから、孤独感が強まることがあるのです。
この時期において、家族との関係を再構築することが重要です。嫌でも夫婦間の会話が増えるはず(笑)
配偶者とのコミュニケーションは絶対に深めていく必要があります。
新たな趣味を共有したり旅行を楽しんだりすることが難しくても、保険や介護については意思統一できていないと「いざ」という時に後悔することになります。
熟年離婚という考えが芽生えるのも配偶者の定年がキッカケとなることがある。退職金から慰謝料を狙ってみたいな恐ろしいことを考えていないかを探る意味でも夫婦間の会話は大事なのです。
家庭の外においても、地域社会や友人との交流は息の長い付き合いになるため積極的に向き合いましょう。
地域のボランティア活動に参加したり、趣味のサークルに顔を出したりすることで社会とのつながりを維持することができます。
これらの活動は、生活に張りを持たせるだけでなく、新しい友人との出会いや、既存の友人との絆を深める機会にもなります。
未来への選択
64歳という年齢は、過去を振り返りながらも、まだ未来に向けた選択ができる時期です。
「働くのか」「年金の受給開始をどうするか」など、残りの人生の根幹を決定するのが64歳なのだと気付かされました。
遅まきながら自分自身の価値観やライフスタイルを再確認することが重要であり、65歳以降の暮らしを豊かに出来るかどうかの瀬戸際でもある。
個人事業主として独立する時に「自分がどうなりたいか?」を明確に考えましょうとお伝えしたのと同様に、65歳以降どのような老後を送りたいのかを明確にしましょう。
経済的な問題だけでなく、心の充足や健康、家族との関係など、人生のバランスを考えた上での選択が求められます。
再就職を選ぶか、趣味に時間をかけるか、それとも新しいことに挑戦するか—選択肢はさまざまですが、どの道を選ぶにせよそこには皆様自身の意志が反映されるべきです。
また、今後の人生設計を家族と共有することも大切です。
あなたの選択が家族にどのような影響を与えるのかを考え、共に未来を描いていくことでより充実した老後を迎えることができるでしょう。
64歳は人生の終わりではなく新たな始まりの時期です。
まだまだこれからの人生にはもうひと山もふた山も波乱があるでしょう。
その時にこれまでの経験や知識を活かしながら、波乱をどう乗り切るかを考えこの先の幸福につなげていきたいものです。
自分自身に問いかけ、未来を見据えて心から満足できる選択をしていきましょう。
勤務先を自宅近くにする、車を手放す、年金は65歳から受給し当面は給与収入と合わせて貯えをつくる・・・
私が65歳前にできることは大したことではありませんが、「64歳」時にやっておくことは残りの人生を考えたら実に重要なことばかりです。
65歳になってから慌てて考え実行しようとしても、きっと後手後手に回って後悔するだろうなぁ・・・