Amazonの新配送をどう考える?


先月、Amazonから新しい配送プログラムが発表されました。

Amazon Hubデリバリーパートナープログラム

という名称で、配送のラストワンマイルを担う手段にまた一つ可能性を開拓した形となっています。
既存の宅配ドライバーにはどのような影響があるのでしょうか?
積荷オヤジなりに考察していきたいと思います。

軽貨物っぽいブログなのに内容があまり軽貨物に特化していない!とぷらっと立ち寄って頂いた方からお叱りを受けそうですが、今回はちゃんとやります(笑)
軽貨物に寄り添った内容は別ブログの「積荷くずし」、職業に拘らず生き方・働き方にフォーカスしているのがこの「近未来的軽ドライバー」とおおよそに考えて頂ければ幸いです。
今回のAmazonの新配送について何でこちらのブログで取り上げたかというと、これは既存の軽ドライバーにも新たな働き方のチャンスと考えたからです。
日々時間と配達数に追われ、狂った馬車馬のように走り回るのが果たして人生の正解なのか?
いくら少々稼げるからと言っても、いつまでもそんな働き方が続けられるわけではない。

Amazonも日本の物流に殴り込みをかけてきた当時は、効率重視で日本の悪い慣習とは無縁の海外事業者ということで長時間労働低賃金の呪縛から解放されるのでは?と期待されていた。
しかし売上重視・荷量確保でタッグを組んだ大手運送会社はその取引条件の厳しさにすぐに音を上げ、現在はデリバリープロバイダーとしてAmazonの配送に特化した数社の運送会社と、Amazonが直接末端のドライバーと契約するAmazon Flexという配送形態が有名ですね。

最初は大手運送会社に協力してもらう形で日本での配送実績を積み上げてはいたのですが、次第に運送業界での存在感を増してくると自社で物流を全てコントロールする方向へ移って行き現在に至っている。
全国各地に次々と巨大配送センターを設立し、日本の物流は確実にAmazonに乗っ取とられようとしている。

その原因の一つが日本の物流・運送業界の未来への危機感の無さ。
それならAmazonが自社で労働者を抱え込みコントロールしようとやりたい放題。
しかしAmazonが好き勝手にルールを作り実行することで、従事する者への悪い影響が出始めた。

当初の報酬レベルのまま、増大していく荷量を処理することを半ば強要するケースが顕著となってきている。
「不満があるなら契約解消」という切り札をチラつかせながら条件を飲ませていくという、ブラック企業的な側面も見えてきた。
だからデリプロもアマフレも結局は配送業の末期、狂った馬車馬化してきている。

前置きが長くなりましたが、Amazon Hubデリバリーパートナープログラム が何故ドライバーの働き方のチャンスになるのかを、いつものようにのあらぬ方向からの切り口で考えてみました。

Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの特徴

●地域の中小企業や店舗をパートナーとしてAmazonの商品の配達を委託し、報酬は週払い
●配送量は日々30~50個(配達日・個数は応相談)が届けられ、配達時間指定は原則無し
●配送エリアはパートナーの拠点から半径2㎞以内、配送方法は徒歩や自転車も含め自由
●パートナーの条件1:ビジネスオーナーであること
●パートナーの条件2:空いた時間に配送が可能なこと
●パートナーの条件3:商品を保管する十分なスペースがあること
●パートナーの条件4:納税証明書、開業届、事業の登記情報 のいずれかを提出
●自動車配送の場合は黒ナンバー必要。自転車の場合は保険加入必須

ざっとこのような内容になりますがイメージは出来ましたか?
なぁ~んだ、個人のドライバーじゃ関係ねぇじゃん!

と短絡的に思ってしまった貴方、一生狂った馬車馬の世界にいてください!
この情報を見て自分の働き方に転用・加えることを何も思いつきませんか?

そう、自分が直接パートナーにならなくてもいいんです。
知り合いで商売されている方がいれば、その倉庫スペースが活用できればその方から配送を請け負えばいいんです。
もちろんその方が直接配送することで商売の副収入にもなるでしょうし、Win‐Winの関係でOK。

Amazonと取引するか、近所のお店と取引するかの違いなんです。
地元で商売されている方は結構横の繋がりがある。
もしかしたら紹介紹介で意外な広がりが期待できるかもしれない。
最強の営業ツールは「紹介」なんですから。

実際、私の配達エリアの酒屋の方から似たような話を聞いたことがありました。
「コロナ禍で取引先の飲食店が皆閉まっちゃったので収入が激減して困っちゃってるんで、自分の商売とは関係ない配送仕事を請け負ってるんだ」と。
今はコロナの規制も緩まってきてはいますが、物価も上がり商売は厳しいところが多い。
そんなお店や事業者に副収入ネタとして「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」の紹介をし、ついでに配送のおこぼれをいただく。
間接的ですがこういうのも立派な営業活動です。
自分の狭い常識からちょっと外れた視点で考えるとチャンスは生まれてくる。

私が軽貨物を始めてすぐに感じたのが「この仕事って営業できるよなぁ」でした。
配達仕事って法人相手だけでなく個人の宅配でも「自然と玄関を開けさせることができる」。
これ、飛び込み営業されている方ならわかると思いますが、とにかく相手と対面するのはなかなか困難。

突然訪問したって相手にされないし会話をするキッカケさえつかめない。
個人宅に訪問したって見も知らぬ相手に応対などしてくれません。
ところが配達という理由があれば心のドアも開けてくれる(笑)

「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」の利点はまさにそれ。
商売されている方にとっては配達で伺うついでに自分の商売の話も出来る。何だったら「今後もご贔屓に」と商売物の一つでも差し上げてくれば商売の広告効果としてはかなり良い。
確実に相手の印象に刻まれたはずですから。
パートナーとして良さそうな相手は結構幅広い。
新聞店や牛乳配送店は朝夕は稼働しているが昼間は割と時間が使える。配送はお手のものだし。
酒屋や八百屋などもそうだが地域に根付いた商売をされている方はエリアの地理・情報に詳しいし、下手なドライバーよりはよっぽど信頼できる。
Amazonは面白いところに気付いたものだ。

地域の個人商店では結構ヒマそうにしている(失礼!)ところもあるし、そういう空き倉庫やスペースを活用しお店の小遣い稼ぎをしてもらって最終的には自分のビジネスに繋げていく。
そのパートナー先、アイデアを考えることこそビジネスです。1日の配達数を競わされるのはビジネスではなく作業です。

パートナー1つ1つからは大した荷量にならなくても、5つ6つと取引が増えていけばそれなりの収入に繋げていける可能性はある。
時間指定のない置き配可能なAmazonの荷物なら自分の仕事の合間にもできそうですよね。
提携パートナーを増やしていけばそれなりの数を自分のペースで近所だけとか、狂った馬車馬の世界から抜け出すことも可能です。
何なら自分自身が法人化するなどオーナーになり、自分で倉庫借りてパートナーとなれば一人デリバリープロバイダーの完成です。

1つの情報からそこまで妄想できてこその独立した醍醐味です。
今のところ報酬がいくらなのか?が見えていませんし、これからも情報を追っていかねばと思いますが自分ペースでできる配送という意味では期待が高まります。

でもAmazonはすぐにルールを変えてくるからなぁ~(-_-;)

※今回使用の画像は全てimpress Watch掲載のもの

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