貴方にとってのコストパフォーマンスは?
最近、YouTube において軽運送業に関する情報を発信する方が増えてきました。
実際に体験されたようなことを動画発信してくれているので、軽運送業に興味がある方とかこれからやってみようかと思っている方にとっては大変参考になることが多いです。
ところがそんな動画の中でちょっと気になったものがありましたので、そこに少々私なりの考えを加えさせていただきたく今回取り上げました。
今回取り上げた YouTube の内容については本当は動画を貼り付けようかと思ったのですが、動画主さんは初めての投稿だったのか話し方が少々まとまりに欠けており同じようなことを何度も繰り返して話すので最後まで視聴しているのが正直辛かったので、ここではポイントだけまとめてみます。
動画の内容は、求人広告によく掲載されているある軽貨物運送事業の企業さんの説明会に行ってきたというもので、ネタとしては興味を持ちますよね。
私が軽運送業を始めるに当たっては企業の説明会に行って自分の目・耳で確認できたことが開業を決定付けました。説明会に行くことすらためらっている人には「説明会っていったい何話してるんだろう?」という部分だけでもとても参考になるはず。
この企業の求人は2種類あって、両方とも日収が1万1千円前後。
動画主さんはこの日収に魅かれて説明会に行ってきたそうですが、まずここでポイントが一つあります。
日収1万1千円って、金額的に魅力ありますか?
普通に1日(8時間ぐらい?)アルバイトして1万1千円ならまあ悪くはないかな。ただし経費がかからない仕事の場合ですよ。
軽運送業は仕事をするとなると様々な経費がかかってくるのです。経費が相手持ちならまだしも、この説明会の企業様の仕事はごく一般的で経費自腹。ということはガソリン代やら保険代やら駐車場代などを加味して考えないとおかしなことになる。
動画主さんはまずこの部分を甘くみていたようです。あと、重要なことは企業の手数料的な部分。よく「車を持ち込める人は優遇します」的な謳い文句が求人広告の中に記載されていることがありますが、今回の企業の優遇的な部分というのは手数料の違いとなってはね返ってくる。
動画主さんは車を所持しておらず、この求人が車を貸し出してくれることも魅力だったようですが、車持ち込みの場合が手数料が売上げの18%。貸し出しの場合が手数料35%とか(^_^;)
求人広告上の日収は18%引いた時の金額。彼の場合は18%戻してそこから35%引いた額が委託料金となる。さすがに1万1千円が好条件と思っていた動画主さんもこれを聞いて頭の中がざわつき始めたと。遅いっす!
こういう部分が上っ面の求人内容からは読み取れない部分なんです。しっかり説明会で確認することなんです。
経費と手数料を考えたら日収1万1千円前後の仕事は軽運送業としては割に合わない。ただしこれが半日で終了できる仕事ならまた話は違ってきますけど。
この動画を見ていて、今回の求人の仕事ってどれだけ拘束されるのか?という肝心な部分を注視していたのですけど、動画の中では最後まで出て来ませんでした。まあ日収の仕事ですから8時間は拘束されての配送になるのでしょうけど。
見た目の収入で仕事を選ぶ人いますけど、ちょっと待った!
A)日収15,000円 実働10時間 経費5,000円
B)日収10,000円 実働 6時間 経費3,000円
という仕事がありました。さあどちらを選びますか?
(ドライバー仕事は走れば走るほど経費も嵩みます)
A)は手元に10,000円残るが10時間拘束される。
B)は手元に 7,000円しか残らないが6時間で解放される。
労働時間に4時間の差があるが、ここがポイント。
3,000円の収入差と4時間の労働(拘束)時間の差。
実質賃金を時給換算にしてみるとわかりやすい。
更にこの4時間をどう使うかでコストパフォーマンスに対する意識度がわかります。単純に言えばこの4時間を経費のない時給換算1,000円の別なことすれば、同じ労働時間(10時間)で所得が逆転する。
まあ別に4時間を労働に使わなくても好きな事に使えるというのは大きい。
もっと高単価高時給の事をすればもっとコストパフォーマンスが良くなるのです。日収で軽運送業に拘束されるような働き方をメインに考えてしまうと時間的にも他に何も出来なくなってしまいます。
動画主さんは経費やら手数料やらと聞かされたにも関わらず、最期まで日収の金額が好条件のように話していたのがちょっと問題だなと感じました。
単に日収の金額だけならもっと高額な案件はあるし、労働時間・コストパフォーマンスという部分に全然触れて来ないのが独立して働いていく上で会社員的な危うさがある。
まず情報弱者という感じがしますし、自分がどうなりたいという明確な意志が見えて来ない。たぶんもっと条件の良い案件に辿り着いたとしても長続き出来ないタイプの人なのかな。他人に何かを伝えたいという熱意が動画配信という行動になっているわけですから、そのパワーをもっと自分のために使えば違った世界に行けると思うのですが・・・
この動画で改めて確認できたこと。
相変わらずドライバーを食い物にしている企業が存在していること。
軽運送業は労働時間と収入のバランスを考えるべし。
収入を増やすには労働時間を長くしたり配達数を増やすことしか方法が無いとしたら悲しすぎる働き方です。収入はトータルで考えましょう。決してドライバー仕事に長時間拘束されることしか方法がないわけではない。
時間を生み出しどう使うか。
コストパフォーマンスを高めていくことを考えましょう!