できそうでできないことをやってみる

収入が減っていく一方なのに、車に食わせる金は無い!
軽貨物運送業を完全引退して初めて迎える夏。
年々右肩上がりに暑くなる夏と反比例するように、加齢し弱っていく中高年。
闘う相手が気候なのか仕事なのか、追われる相手が時間なのかノルマなのか・・・
私たちは既に正しい未来像を見失い、誤った方向に舵を切って進んでいるのかもしれない。
こっちが儲かると聞けばこっちに群がり、あっちが稼げると聞けばあっちに殺到する。
軽貨物の新規参入者のほとんどがAmazonの宅配仕事を目指す不思議。
たぶん長期的視点は置いといて、目先の「売上」に惹かれるのだろうが世の中そんなに甘くない。
まず1日200個以上がノルマ化している現状を「稼げる」としか考えられないのだろうか?
自分の最大能力がノルマに置き換えられていく毎日を、いつまで続けられると思っているのだろうか?
そんなハードな世界とおさらばせねばならない時は必ずやってくる。
30代40代ではわからない世界が50代後半からいきなりやってくるのです。
特に気候がおかしくなってきた昨今、肉体労働者にとっては労働寿命を脅かす身体のメカニズムの異常・故障が顕著になりやすい。
無理すれば更に労働寿命を縮めかねないし、楽しようにも楽できない仕事に就いてしまっていれば逃げ道は無い。

収入は減っていく一方さ。じゃぁ何を削れば生活できる?
早めに仕事を変えてみる
私の場合は正解かどうかはわからないが、早め早めに次の一手を考え実行することを心がけている。
軽貨物の引退も、本当は65歳以降出来る限り先送りしたかったが体調の異変を感じて順次仕事を整理・転職していって、結局先月末の廃業に至っている。
それほど60歳前後になると身体のメカニズムの異常・故障は突然身に降りかかる。
そして身体の異変を感じてから対策を考え動こうとしても遅い。
まず働く自信が失われる。
身体がいうことをきかなくなると、気力も萎んでくる。
ただでさえ高齢者の就活は厳しいのに、「働けるのか?」と心配になるような者を誰が雇いたいと思うだろうか?
身体を壊すまで今の仕事で働き続けるのが当たり前と思われそうだが、身体を壊す前にもう1ランク身体に優しい働き方に移って労働寿命を延ばすという手もある。
私の場合がまさにその考え方。
働く選択肢がないと、軽いめまい程度ではドライバー職を続ける人は多いでしょう。
でも大抵このパターンでは我慢が大病に結びつき、悲惨な事故や長期療養生活になる可能性が高い。
無理する理由は他の仕事という選択肢が無いことと、生活のために収入を確保しなければならないから。
ほとんどの人が「生活のため」に働いている。そして現在の仕事を変えるということに躊躇する。
まあ当然と言えば当然。もう自由に仕事を選べる年齢でもないから老体にムチ打って無理するしかない。
ホントにそうでしょうか?
生活を守るために年金だけでは全然足りないので労働収入は続けたい。
しかし無理することで労働寿命が短くなっては元も子もない。
いかに長く働けるか?
いかに生活を守るか?
60歳過ぎたら収入は右肩下がりになることを覚悟し、その流れの中でどうやって生活を守っていくか。
悲しいが私も軽貨物を廃業し、今その立場でいろいろ考えている。

家計の見直しは急務です。削れる支出を本気で考えよう。
高齢者が生きていくための2つの条件
●収入を長く続けること
例え安くても収入を長く続けることは私のような弱者には一つの絶対条件。
なので70歳以降も働けそうな介護助手という仕事に就き、軽貨物でボロボロになった体調を整えながら細くても長く働ける環境に身を置いたのです。
2年前には想像もしなかった転職先ですが、高齢者が比較的採用されやすくかつ70歳以降も働ける仕事となると選択肢は相当狭まる。
●生活費を大胆に見直すこと
高齢者は低賃金が当たり前の世界。この収入の中で生活を考えていかねばならない。
そこでこれまで「考えはしたが実行できなかった」生活費の見直しを嫌でも実行する。
私も腹くくって取り合えず一つ先行して実行したことがあります。
それが車を手放すことでした。
う~ん、確かに車は金喰い虫ですから、所有しなければ支出削減効果は大きい。
皆様の中にも一度は車を手放そうと考えたことがある人はいるのでは?
でもそう簡単に実行できませんよねぇ・・・

車は俺の体の一部さ。手放せねぇよ。でも維持費も出ねぇ
私も車を初めて所有してからちょうど40年になりますか。
この間、一度も車の無い生活は経験しておりません。
振り返ってみれば、駐車場代・保険料・税金・ガソリン・メンテナンス・車検・買い替えと、1千万円を軽く超えるお金を投じてきたんですな。
恐ろしい。
しかしこれからの生活は感傷にふけっている場合ではない。
ちょうど廃業して車もリース終了してどうにでもできるタイミング。
そこで後ろ髪引かれる思いで車生活とはおさらばすることにしたのです。
誰もがそう簡単に車を手放せるわけではないですよね。
地方なら移動手段として車は生活必需品だし、一家に1台というより一人に1台みたいな感覚。
幸い今の家は駅近だし徒歩2分圏内にスーパーもコンビニもバス停もあるので、絶対になくてはならないわけでもない。
子供が巣立っているというのも車を手放せる要因でしょうか。

固定費をカットするのが一番支出削減効果が高いのだが・・・
では車を処分した後で、生活費にどのような変化が起きたかをご紹介しましょう。
リース代・・・月額¥28,600
駐車場代・・・月額¥14,000
保険料 ・・・月額¥9,900(貨物保険込み)
燃料費 ・・・月額¥4,500(本業の配送を引退後)
というのが主な削減できた支出。駐車場や保険料、燃料費というのは人それぞれだし、上記の他にもオイル交換やタイヤ交換は毎年かかるし車検も2年に1度ある。
それらが車を持たないという選択だけで、私の場合は月額に均せば6万円ほど支出を削減できた。
これはイコール6万円の収入が増えるのと同じ。
いや、収入が増えたら税金も増えるので、支出削減はそれ以上の効果があるということ。
皆様がもし車を手放したらどのくらい支出削減になりますか?

変動費の方がとっかかりやすそうだが、削るなら固定費!
効果が大きいのは固定費のカット
現実的に支出を5万円以上減らせる手段って、あとは生命保険の解約とかスマホ・ケータイを止めるとか(笑)
車も保険も通信費も、金額が大きいのは毎月一定にかかる固定費と呼ばれるもの。
固定費って一見必需のようで実は削れなくはない。
今まではただ本気で考えていないだけ。
逆に変動費の方が削りやすそうで実はさほど効果がない。
食費や水道高熱費なんかは我慢して節約しているようで、コスパはさほどでもない。
こんな猛暑でクーラー停めて節電とか、10~20円安いからといって2㎞先のスーパーに買い物に行くとか、それで月に数百円浮かして頑張った気になる?
だったら車を手放して一撃で5万円浮かせてみる勇気はある?

そろそろ真剣に考えないと。早く始めるほど手元にお金は残る
30代40代では家族で車を使用する機会も多いでしょうからなかなか現実的ではないですけど、いよいよ60代になり収入の伸びしろが無くなったなら、家計を楽にする方法は支出削減が最強だと思うのです。その一つが車を手放すこと。
老後は「年金+労働収入」でどのような家計になるのか?そこに投資の収入が加算できるのか?
車両を手放せれば免許返納もスムースに行く?
「車の無い生活なんて現実的じゃねーよ!」と思えても、現実はそうせねばならない人は増えていくでしょう。
やむなく手放すのか、積極的に手放して次のステージへ進むのか。
これって追い込まれて廃業するのと自主的に廃業することと何だか似ている気がします。
「廃業」や「車を手放す」ことを後ろ向きに考えては、先に進めない・・・