ドライバーの「失敗」とは?

今回は軽ドライバーの仕事において「失敗」とはどんなものか?についてのお話しです。

いろいろな職業があってそれぞれに独特の失敗があると思います。その場で謝って済む軽微なものから、上司が登場してきたリ挙句の果てには会社を巻き込むような大騒動に発展してしまうものまでキリがないですね。

 

一概にドライバー職と言ってもバスやタクシー、介護送迎等の「人」を運ぶ仕事から、トラックや軽貨物等の「物」を運ぶ仕事、救急車や消防車のような「人命」に関わる仕事、霊柩車といった特殊なドライバー仕事もあり結構幅が広いのです。

ドライバー職の仕事の特徴として一番強く感じるのは、常に「事故」のリスクと隣り合わせなこと。
いろいろなドライバー職に共通しているのは「交通事故」の類。仕事中の事故の中でも最も重大でありときには「死」と向き合わねばならないこともある。車を擦った程度であればまだしも、器物損壊や他車との接触となると社内的にも始末書では済まなくなるかもしれないし、人身事故に至っては運転免許・職を失うどころか、残りの人生を賠償責任に追われ償うことになってしまうかも知れません。

また、自分に何ら問題が無くても「もらい事故」というリスクもある。以前、バスの運転席に対向車が飛び込んで来るというショッキングな映像が話題になりましたが、現実に対向車に突っ込まれるというケースは有り得るなと運転していて感じます。最近は高齢者の暴走や運転中に意識を失うといった報道が頻繁にありますが、運悪くそういう車と遭遇してしまったらこちらがどんなに安全運転していようが関係ない。他人事ではなく自分が運転中に突然意識を失う可能性だってあるということ。
想像しただけで怖いですな。リスクに見合った仕事なのだろうかと時々思ったりする。

 

軽ドライバーが背負う失敗には、上記のような重大なものの他にもいろいろあります。
多いのは荷物事故でしょうか。破裂・破損の類ですね。セメント袋や大きな小麦粉等の袋類はちょっとした接触で破けますし、配送中の車内で破袋していようものなら他の荷物にも粉が付着してしまいます。もう外箱に小さな汚れが付着した程度で返品喰らうような神経質な納品先もありますし、粉類の商品も1袋あたりの分量が重要な納品先もあるので破袋して中身が流出してしまうとほぼアウト!なので荷物の積み方・置く位置に大変気を遣ったりする。品物を段ボール等で養生したりするのは必須。

お酒等の瓶モノも破損させるケースが多い。私も開業間もない頃、やや前上がりのスロープだった納品先でハッチを開けた瞬間に室内のワインケースが落ちてしまい割ったことがあります。未だによく覚えている失敗なのですが、この時は自腹で7,000円弁償いたしました(運送会社に対して)。結構ドライバー責任として弁償させられることがあるので、貨物保険等は加入しておいた方が安心かも知れませんね。特に高額な品物を配送する機会が多い方は。

品物以外にも「外装・化粧箱」のキズ等も破損扱いとなる。たぶんこれが破損扱いとしては一番多いでしょう。もう触る前からキズ・破れがあるのは当たり前のようにほぼ毎日遭遇します。路線便到着時の荷降ろし作業中が原因なのですが、我々ドライバーは持ち出し時にキズ・破損があったことを申告していないと、何かあった時の責任を被ることになる。なので配達先のチェック同様に荷物自体のチェックもしなければなりません。慣れてくるといろいろ疎かにするので要注意です。
※関連記事:積荷くずし「これ、誰の責任?」

 

まあ荷物の破損に関しては余程いい加減な作業をしていなければさほど大きな問題にならないのですが、一番やってはいけない失敗は「誤配」です。これに関しては会社から厳しく指導されます。発覚前に誤配先で荷物を開封された場合は重い処分を覚悟しなければならないでしょう。特に法人取引での荷物の場合、納品書や見積書が同梱されているケースが多く、万が一開封されそれらの取引内容が他者に見られてしまうと企業の一取引を失いかねない事態に発展することもあり、運送会社には重い損害賠償請求が来たり、荷主先を失うことにもなる。軽ドライバーにおいては取引停止となる可能性もある。
「誤配」は仕事に慣れて来た頃が一番危ないのです。「思い込み」が失敗に繋がるのです。

配送上の失敗では他にも「早配」「遅配」といった希望納期を守らないケースもありますが、誤配のレッドカードに比べればイエローカードといった感じ。もちろんやってはいけないことなのですが、例えば「大雪」「台風」といった特殊事情が予め見込めているような場合は事前相談の上実行することはあります。ただし通常時は例え荷受人がOKしていても荷主指示が最優先。午前中指定の荷物がお昼になっても配完していないと確認の電話が来るぐらいシビアな荷主もいますし、午後指定の荷物を午前中に配完をあげてしまうとやはりクレームが来る。今の配送はそれぐらいPOSで管理されているので、ドライバーが良かれと思って機転をきかせることが出来にくいかも知れません。

 

ご紹介したのは一般的な失敗であり、ドライバー個々にはもっと多くの失敗談があるでしょう。これがAIを導入して自動運転・自動配送になれば完全に解消されるのかというと、ドライバー経験者ほど「NO」と言いたくなりますね。物流においては倉庫業に関する仕事は完全自動化が可能だと思いますけど、運送の世界においては受け取り側や荷主が人間である限り、歩車道完全分離とかにならなければ完全自動化というのはなかなか難しいのではないでしょうかね~。

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