俯瞰せよ
遊ぶにも働くにも、続けていくと何か上手くいかないなぁと思うことってありますよね。俗に言う「壁」みたいなものでしょうか。
心のスランプというか悪い意味での「慣れ」「飽き」というか、それまでの歩みが急に減速してしまったような感覚に襲われることはありませんか?
仕事や遊びが上手く回らなくなる時は単にタイミングや巡りあわせの問題で、時間が解決することもあります。下手にジタバタすることにより、状況が更に複雑化してしまうこともあります。まずはスランプと感じている原因・理由を冷静に見つめてみること。
もし時間で解決できなさそうな時は、一端自分の状況を俯瞰して見ることが大切です。問題点を2次元の目線で追おうとすると、まるで迷路の世界に入り込んでしまうようなもの。目の前には壁しか見えず、壁の切れ目を探して無駄に動き回ることになりがちです。テレビドラマで刑事が捜査を続けるも犯罪者を特定できずに「迷宮入り」とか呟くシーンなどは、まさにこのような状況ではないでしょうか。
上の写真はこの説明が一目瞭然。俯瞰して見れば、自分の位置や障害となっているものがハッキリ見えてきますよね。目標やゴールとしているものの位置や距離感まで掴めますので、自分を俯瞰して見ることの訓練・習慣化はスランプ脱出や問題解決方法としてとても効果的です。普段見えている景色とは全く別の角度や切り口で物事を捉えることが出来る人は成功者に多い。
自分の行動も俯瞰して見ると効果的なコースへ誘導することが可能になる。また行動や考え方のクセみたいなものも把握できたりする。そう言えばいつも迷ったら右に進んでいるなぁとか、必ず広い方の道を選んで失敗しているなぁとか。
人とのコミュニケーションにおいても俯瞰で見ることで無用な衝突を避けることができたり、あえて回り道を知ることもできる。会議でも結論に到達する過程を俯瞰しておけば無駄に長時間費やすことも防げるでしょう。
また、転職で悩んでいる時にも、第三者的に自分を観察できれば「転職するならする」「しないならする」「とにかくする」(笑)と選択肢と進む方向が見えてきます。「自分の目の前の壁しか見えていない・その壁の向こうの景色を見る努力もしない」で勝手なネガティブな想像だけで歩みを止めてしまうのは実にもったいない。壁の向こうには進撃の巨人などいないかも知れないではないか。
自分で創り上げてしまう虚構の世界感を打破するためにも俯瞰力は必要です。
俯瞰力と似たような考え方に「ゴールから逆算して考える」というのがあります。
ゴールや結末の姿・時間を設定すれば、自ずとそこに到達するまでのスケジュールややるべきことが明確になる。ゴール設定が曖昧だとダラダラと進行していくだけで「前へ進んで行く」感覚に乏しくなり、進捗状況も把握できぬまま気が付けばゴール寸前に来ているのに何も出来ていないとか。子供の夏休みの宿題なんかもそうですよね。ゴールはわかっているのに逆算して考えていないから最後はドタバタになる。
計画は立てるだけなら誰にでも出来る。計画に沿って進行・管理するのが一番難しいのです。俯瞰力はスケジュール管理においても役に立ちます。俯瞰力の有る無しで仕事に対するセンスも変わって来るし評価にも影響する。
幸い俯瞰力は後付けで身に付けることが可能。常にいろいろな物事を俯瞰して見る練習をすることで、仕事に役立つことを改めて実感できるようになるはずです。「自分はそんな能力ないから」と資格や訓練から距離を置いてしまう人がいますけど、それは単なる食わず嫌いなだけ。
もし自分が何か困難に直面した時、その自分を第三者の目で俯瞰して見ると自分が自分に適切なアドバイスを送ることも可能になったりします。当事者の目線ではなく、あえて他人目線で見てみると容易に無責任なアドバイスが浮かんできたりします。しかしそれが意外に適切であったり何かに気付かせてくれることもある。窮地に陥っていると当事者はプレッシャーからか発想が狭まってしまい、更に自分を追い込んでしまったりする。第三者の目線でその状況を見れば、「あ~あ、こうすれば良いのに」とか簡単に思いついたりしますけど、それが追い込まれた脳では出てこない。
自分が自分にアドバイスするなんて不思議な感覚ですけど、そういう効果も期待できるということ。
「敵に勝つにはまず己を知れ」
俯瞰力は生きていくためにも強力な武器になる。