インボイス対策

まだ施行まで少々時間があるとはいえ、フリーランスを中心に騒ぎが広がっている「インボイス制度」。
これまでは請求した消費税分が実質的な収入となっていた者が多かった法の抜け目?も、ついに国税庁によるメスが入ることにより生活が苦しくなること必至です。

 

現在は2期前の年間の売上高が1,000万円を超えると課税事業者、以下であれば免税事業者という大まかなルールとなっています。

個人事業主である軽貨物ドライバーにおいてはほぼ全員が免税事業者と思われます。
ただし元請けとして活動している者においては、既に課税事業者となっている者もいます。
インボイス制度で大きく影響が出るのは現在免税事業者となっている者です。

免税事業者は文字通り事業売上げの消費税納付が免税となっています。
例えば1年の事業売上げが500万円だった者は、売上げ先に別途消費税として50万円を請求していると思います(売上内容が全て消費税10%だった場合)。
この50万円が納付せずに自分のフトコロに入れることが出来ているのです。単純に利益となっている。
ただし事業の仕入れ等の中で消費税として支払っている部分もあるので、本当は請求税額から差し引いた税額分が税としての利益。

もちろん免税分の利益は所得税の方で課税されるのですが、たかだか数万円。
本来納税すべき消費税分の利益に比べれば全然問題ないレベル。
個人事業主は多くは売上額は高くなく利益も満足に出ていない者も多いので、請求した消費税分が利益となるのは非常に恩恵を受ける部分です。

納税強化策ともいえる制度が令和5年10月1日より導入されるのです。
インボイス制度についての詳細や簡易課税という選択についてはネット上やYouTube等で数多く情報が出ているので、ここではあえて詳しい説明は省きます。

しかし個人で事業活動している者にとって「請求消費税分がそのままフトコロに入る」のと「免税されていた消費税を納税する」のでは雲泥の差となる。
金額の部分もそうだが確定申告における計算が非常に面倒になるのは容易に想像がつきますよね?

 

これまで余剰利益としていた消費税。
今後は同じ売上げを立てていても実質収入は減ることになるんです。
国はどこまで弱者から搾り上げようとするのか・・・

とは言っても実際はこれまでが免税で恵まれていたということ。
請求した税額分が利益としてフトコロに入るという恩恵を受けていたとも言えるんですよね。
インボイス制度が正常な状態とも言えるわけで、これで一気に事業や生活がおかしくなるというのはそもそもの事業・生活プランが怪しい内容だったのではなかろうか?

事業売上げ自体が激減するならわかるが、売上げ変わらず消費税分の支払いが増えただけで大騒ぎとなるのは、やはりフリーランスというものは会社員に比べて不利な働き方だから?

いや、働き方云々というよりそもそもの成果報酬がいただけていないということが問題なのだと思うのです。
どうしても個人の活動というものは信用という部分で軽く見られがち。
カードが作れないとかローン審査が通らない等はわかりやすい例ですよね。

私も軽貨物ドライバーとして14年目になりますけど、未だに本業の報酬単価は14年前と同じ。
配送スキルは相当に向上していますし、同じ物量をさばくのに昔のほぼ半分の時間で終えることができる。
それなのに仕事能力的な部分は全く評価されず、「仕事があるだけ有難く思え!」みたいな態度ですよ。

同じ仕事場で働く同業の軽ドライバーさん達も状況は一緒。
だから皆バカバカしくなって午後一に仕事終えても、長い休憩したり副業したりして運送会社に戻ってくるのは夕方。
早く戻ってくると違う仕事やらされる(日給制なのでやるだけ損)から。

私も複業の他の配送仕事は本業を終えた午後早めにスタートしている。
スキルアップで本業収入は増やせないけど、浮いた時間で他の収入を作ることが出来るから今の本業を続けられる。
他のドライバ―さん達も同じことやって生き延びています。

全てが自分の操縦にかかっている

 

インボイスの負担は個人事業で収入を得ている限りは重くのしかかる。
会社員の方々にはあまり関係ないかもしれませんけどね。

!!!

ここにインボイス負担を軽減するヒントがあるかも!
事業収入ではなく給与収入を増やすという秘策(笑)が!

無理に事業収入を増やせば消費税負担も大きくなる。
給与収入を増やす分には従業員側の消費税負担は関係ない。所得税や住民税は増えるけど。
税計算は消費税は自分でしなければならないが、所得税や住民税はほぼ自動的に決まるので楽できる部分は増える。

私の複業の中の給与収入においてはここ数年でだいぶ減らしましたが、まだ200万円ほどあります。
名目はアルバイトとして雇用されている部分の収入ですが、ここに関しては源泉徴収でやってくれるので確定申告上も源泉の金額入れるだけなので大変楽です。

ハイブリッドに生きよう!

私の場合の給与仕事のメリットは社会保険適用(条件有り)と経費がかからないこと。
いくら働いてもガソリン代がかかるわけではない。時給単価は高くはないがその分社会保険で恩恵がある。
私が常々口にする会社員と自営業の良いとこ取りをするハイブリッドな働き方が少し今回活きてくる。

極端な話、全ての収入を給与所得にしてしまえばインボイスで悩むことは無くなるが、それはもう個人事業主ではなく単なるフリーター。
それはそれでいろいろな経費が認められなくなるし、総収入自体つまらない金額になってしまう。

 

現在の私はインボイスに対してどう対応するかは、まだ少し時間があるので検討中。
簡易課税制度を選択するか、給与収入を増やすか、軽ドライバー等の個人事業を辞めるか・・・

令和5年10月の時点で私は63歳。
少々減額になるが年金受給も可能だし投資運用の成績によっては、労働収入とサヨナラすることができるかもしれない。
ガソリン代が今後どうなっていくかも気になるし、加齢による運転リスクも年々高まっていくばかり。
そして現在の愛車の買い替えの問題も重なってくるタイミング・・・

万人に値する回答は無いでしょうけれど、インボイスをきっかけに働き方を変える人が出てくるような気がいたします。

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