軽ドライバーとマネージャー

軽ドライバーとして長続きできない人の特徴の一つとして、「サラリーマン感覚の抜けない人」というのが挙げられます。
「お給料・ボーナス」「残業」「手当」「土日は休み」といった習慣に関する甘え。
これまでの当たり前だったルールが通用しない働き方に適応できないと、続けていくのは難しい。

個人事業主として独立しているわけですから、軽ドライバーは言わば「一匹狼」です。
まあ初心者でも大抵はどこかに属して仕事をスタートするでしょうから、全くの一匹狼という感覚は無いかもしれません。
仕事を教えてくれる人や他の軽ドライバーが周囲にいるので、職場という感じはある。

しかし同じ配達仕事をしていても、労働時間も収入も一人一人が全く違います。
もちろん経験やセンスによって差は出てくるのですが、実は「経営者脳」の有無が軽ドライバーのその後を大きく左右することになります。

 

冒頭で述べましたが、「サラリーマン感覚の抜けない人」=「サラリーマン脳」のままの人は、「経営者脳」の人に比べると労働時間や実質収入(経費を差し引いた所得)に差をつけられる。

単に見た目の収入が多く見える人はいくらでもいるんです。
ただ労働時間がやたら長かったり支出管理が甘かったりして、労働対価という部分で少々問題のあることに気付かない人もいらっしゃる。

金額的にはそこそこ稼いでいるのに、「疲労感が半端ない」とか「思ったほど手元にお金が残らないなぁ」と感じているドライバーが多いのは、労働と収入と支出のバランスが上手くいっていないと思われます。

サラリーマン時代と違って毎月の収入額は変わるし、ガソリン代のような支出額も毎月変わります。
いくら自分は頑張っていても、収入も支出も自分の意志ではどうにもならない変化に晒される日々。
これらを全て自分でマネジメントする面白さと厳しさ。
まさに事業主としての醍醐味を感じる部分です。

軽貨物という部分だけで考えず、生活全般を含めてトータルで考えると自分の現在地が見えてきます。
軽貨物を唯一無二の仕事と考えず、あくまでも収入手段の一つと考えることで世界観が変わります。

労働時間と自分の時間のバランスは正しいか?
収入の増減を自由にコントロールできているか?
支出を減らすのと収入を増やすのは同じ。

個人事業主として独立した軽ドライバーは、マネージャーとしての仕事を兼務します。
言わばプレーイングマネージャーですね。

マネージャーというと真っ先に思い浮かべるのは学生時代の部活動でしょうか。
野球部やサッカー部等の運動系の部にはマネージャーがいましたよね?
何故か女性が担当することがほとんどのような印象がありますが、なぜ女性?

部員のモチベーションが上がるから、というのはあながち間違いではなさそう(笑)
部員を増やすための広告塔みたいな意味合いもあるのだろうか?
いやいや最近は女子野球部や女子サッカー部も珍しくないから、そうなるとマネージャーは男子?

あの部活動のマネージャーという仕事は応募で受け付けているのだろうか?
強豪校なんかだと応募は殺到しそうだけれど、最後は面接で決めるのかな?
学生時代は何も疑問を感じなかったけど、今頃になって興味が湧いてきた。

サラリーマン時代は自分はプレーヤーに専念していましたね。
社会保険も年末調整も会社側でやってくれていた。

ところが独立した軽ドライバーはプレーヤーとして収入を作ってこなければならないし、仕事内容も労働時間も収入も全てを自分で内容を吟味してマネージメントしなければならない。
その手腕一つで環境が変わるのです。満足度が変わるのです。

そのマネージメント能力が不足すれば、いたずらに労働時間の長い安い仕事を請ける羽目になるし、ただの便利屋的に相手にいいように使われる。
体力に任せて多少安くてもガンガン仕事をこなせば良いというものではない。
短期的にはそれでも良いかもしれませんが、それが貴方の労働単価基準として相手に認識されてしまう危険が大。
この人にはこれだけ払っておけばいいやと。

仕事を取るために安請け合いするのはマネージメントとしてどうだろう?
運送業の賃料相場が年々下がってきたのは、皆が仕事欲しさに競って賃下げに走ってきたことを忘れてはならない。
一度下げた値段を上げるのは大変です。

相手の言いなりの値段で働くのは足元をみられている証拠。
個人事業主という弱者には世間は容赦ないと覚悟しましょう。
軽ドライバーという仕事・働き方しか選択肢がないのは、相手に足元をみられやすいのです。

世の中にはいろいろなマネージャーの仕事があります。
例えば介護系のケア・マネージャーというのは聞いたことがあるでしょう。

誰もがすぐになれるわけではなく、介護・医療に関する勉強と経験を求められます。
人の命に直結する判断を求められることもあり、大変責任の重い仕事だと思います。

また、最近多くの人の関心を集めている投資の世界にも、ファンド・マネージャーという聞きなれた職種があります。
他人の資産を預かって運用し満足する結果を出さねばならないという、こちらも責任重大な仕事です。

多くのマネージャー職に共通するのは、専門的な知識はもちろん幅広い知識を必要としていること。
時には違う切り口から解決策を導くことは、思わぬ効果をもたらすことがあるのです。
目の前の壁を乗り越えるには、引き出しの多さは強力な武器になる。

世の中のマネージャーという仕事は、自分のためではなく他人のためという意味合いが強い。
その点、軽ドライバー兼マネージャーというのは自分のため家族のため。
そこそこ気は楽だが、手を抜いて良いわけではない。

上のマネージャー例と同じように幅広い知識は軽ドライバーにも必要です。
それは労働法や道交法などの法的な事は当然として、営業的な話法やテクニック、複業の情報・・・
収入を増やすためにも労働時間を減らすためにも、しっておくべきことはたくさんある。

それを知らずに「辛い」「稼げない」と辞めていくのはマネージメント不足。
収入増やしたければ配達仕事を減らして複業を増やすというやり方だってあるのです。
あるいは投資というお金に働かせる方法だってある。

仕事・生活で行き詰ったら、マネージャーという部分を発動させましょう。
自分をいかに運用・活用するか。
第三者の目で自分を観察してみると、思わぬ解決策が見つかる事もありますよ!

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