依存しない働き方
先日「近未来的軽ドライバーの心得」として3つのポイントを取り上げましたが、それぞれをもう少し掘り下げて検証してみたいと思います。
ドライバーに限らずいろいろな仕事において、生活の根幹はその従事している会社・仕事に依存していることがほとんどでしょう。
ただ、労働者が弱い立場にあることのそもそもの理由が、その会社・仕事を失うことを恐れるあまりに雇用側から足元を見られて、時間・報酬をいいように決められてしまっているからではないだろうか。
「仕事が欲しいんだろう?」「お金に困っているんだろう?」と契約をチラつかせ、最終的には相手の労働条件を飲まされる(面談時は冷静な判断力を欠いていることが多く、先方の気が変わらないうちにと本来の希望との違いを吟味せず契約を結んでしまう)。
ところが日が経つにつれ自分の思い描いていた環境・待遇との違いが表れてくる。まあ少々のズレはどんな仕事にもありますけど、問題はそのズレを修復できるか否か、ずっと付き合っていけるか否か。
多くの会社員の方は多少なりとも理不尽な環境・待遇を我慢して日々過ごしていらっしゃることと思いますが、それは雇用契約という縛りの中においては仕方がないかもしれません。収入も時間も場所も相手のルールの中で決められていることを承諾しているわけですから。そのルールに不満があるなら辞めるか闘うかしかない。
実際は辞めることも闘うこともできないから弱者なわけで、相手もそれを知っているから理不尽なルールを押し付けてくる。生活するためにそういう労働環境・会社に依存しなければならない状況がどうにも歯がゆい。
一方で、独立した個人事業主という立場は会社員とは少々違います。
雇用契約ではなく業務委託契約というものが主になる。立場的には同等なはずなのですが、実際は仕事を出す側、報酬を払う側の方が強い傾向にある。
報酬は労働対価という、会社員の給料よりは明確な数字(仕事の成果)となっているわけで、最初に双方で金額を取り決めてから業務がスタートする。もし金額が折り合わない仕事であれば最初から請けなければよいし、万が一途中で条件が変えられるような事があれば、契約不履行で訴えることも可能(その逆もあるが)。
私が10年間軽運送業を続けてきて感じたのは、いかに自分のルールが活かせる生活を創っていくか。
他人のルールの中で生きているうちは理想に近づけていくのは難しい。会社員時代も何となくその窮屈さは感じていたのですが、だからといってその環境から飛び出すのは簡単なことではなかった。初めて転職したのが43歳だったし更にそこから独立・自営の世界に至るまで6年ほどかかりましたから。
軽運送業で独立してからはすぐに副業も始めたし、今では定期的に収入を得ているものが軽運送業を含めて5件あり、今後も増やしていく予定です。何か一つに収入を依存するのは危険も伴う。極力リスク分散のために収入手段を複数持っておこうと思っています。
「Aという仕事がダメになってもBやCで補える」という状態にしておけば、理不尽な案件はどんどん切っていけるし、最低限の収入を確保しながらより良い案件を探していける。つまらない案件を我慢してやり続ける必要がないのは精神衛生上好ましい(笑)
ちなみに明日の昼間は、子供達にテニスを教える仕事をしてきます。草野球の審判とかフットサルのコーチみたいな趣味を兼ねた楽しい働き方です。いろいろ好きな事を仕事化して収入にしていくと、普通の会社員の収入より稼げたりするのですから自営業は面白い。
会社員でなくても食っていける世の中。会社や職場に依存しない働き方というのも一考の余地は十分あると思います。