ジタハラ
ここ数年ですっかり定着した ○○ハラスメント という言葉。一般的には略して ○○ハラ と使われますが、もう訴訟の材料みたいに何でもかんでも作ってますよね。
セクハラ・パワハラというのは特に有名ですけど、全部で40~50種類はあるそうですよ。聞いただけでは何のことだかさっぱりというのも多い。
働き方改革により生まれた造語はいくつかありますが、ジタハラ(時短ハラスメント)というのもその一つでしょうか。
サービス残業が当たり前のように蔓延っていたのが、長時間労働が問題視されると手のひら返しのごとく残業することが悪のように扱われだし、仕事量が減ってもいないのに強制的に帰らされる・・・
結局は会社でできない分を自宅や喫茶店に持ち出してやることになる。サービス残業と何ら変わらなくなることを命令しておいて、コンプライアンス順守してますと美化してしまう会社や上司の立場を利用した嫌がらせと考えれば、十分ハラスメントと言えますね。
まあジタハラは運送業界においてはなかなかお目にかかれるものではないですな。一度でいいから「早く帰れ!」と言われてみたい(笑)
それどころか法を順守したら会社が存続できないようなビジネスモデルですから、社員が「早く帰らせろ!」と言おうものなら会社がジタハラで社員を訴えたりして ^^;
ドライバーが「早く帰れ!」と命令されたところで家に持ち帰ってできる仕事ではないですからね。委託の車持ち込みの軽ドライバーであれば配達しながら直帰することは可能ですけど、社員がトラックごと直帰するのはちょっとねぇ。車を戻しに帰社したら早上がりの意味ないし。
自宅にトラックを入れられるほどの駐車スペースがあれば直帰も可能と考えるんでしょうなぁ、この世界の命令する側の人達は。オンとオフという概念が飛んでますからね。
私はいつも書いてますように商業貨物便ですので早く帰れないということはほぼ無い。あっても年に2~3日、それも繁忙期に限ってのこと。それでもせいぜい19時には帰れます。
宅配で朝から晩までやっている方の「早く帰れない」と思う時間は何時ごろでしょう?
時間契約でもしていない限りは、朝から通しで宅配されているドライバーには「再配達」という2度手間3度手間を何件も抱えているでしょうから、19時前に上がるのはちと難しいかな。
スポットやチャーターをメインでやっている場合だと、そもそもの開始時間やら荷量やら配達先が不規則ですから、時短も何もない。軽のフリードライバーには労働時間という法的な制約が無いも同然ですから、例えば社員ドライバーが定時上がりして残った荷物を委託のドライバーが深夜までかかっても配達完了させるというケースは実際にあります。
似たようなケースで私も開業してまだ間もない頃に個人のお宅に深夜0時半頃に配達(再配達)に行ったことがあります。この時は受取人さんが毎日23時を過ぎないと帰宅できないことがわかり、私は副業を終えた帰りなら深夜0時過ぎでも配達が可能だったので受取人さんと事前相談の上、社員が出来ない深夜配送をやって会社に恩を売っときました(笑)
しかしその時の恩は一向に戻ってこないので今は夕方以降の配送は全部断ってます!
この技を ひとり時短さ と呼んでいる ^^;オリンピック向け?
フリーの軽貨物ドライバーは所属先から「早く帰れ!」と言われることはまずない。アマゾンフレックスですと終わりの時間を厳守させられているようですからうるさいみたいですけど。
軽のフリードライバーは労働法の規制が及ばない存在(今は少々変わってきましたけど)なので、会社側にとっては使い勝手が良いですから無理言ってくることもあります。契約外のことであれば当然それを請ける請けないは基本はドライバーの自由なのですが、中には雇用契約と勘違いしていいように使われてしまっている軽ドライバーもいます。
それで残業代やインセンティブを付けてくれる、対価に見合うと思ったなら請ければ良いし、条件に不満があれば突っぱねないと変な委託相場が発生してしまい他のドライバーにも不利益をもたらしかねない。「Aさんはこの金額でやってくれたよ」なんて皆に当たり前のように割の合わない仕事が回ってきたりしますから、契約外の仕事は自分のためだけでなく委託ドライバー全体の価値観を保つために条件に不満があればキッパリと断るべし。
雇用契約でないのだから、労働対価に対する意識は高く持ちましょう。安請け合いは自分の価値・軽ドライバー全体の価値を下げてしまいますよ。
働き方改革は自由に出来ない会社と自由の無い社員のせめぎ合いという感じですけど、フリーの者にとっては何を今さらという感じのはずです。譲れない自分のルールがしっかり根底にあれば、働き方に迷いは出て来ないしそうでなければ独立している意味は無い。他人に言われた事を何でも請けてしまうのではなく、自分の価値観に合う合わないで行動する習慣を身に付けないと。
そんなこと出来るわけないよ! と思ってしまうのであれば、独立は向いてないと思う。
独立したらやるかやられるかの世界です。会社員のように誰かにすがりついて遜って生きていけるわけではない。
強く芯のある働き方を構築して行きましょう!