軽貨物ドライバー 地獄の黙示録
今回は2024年問題を目前に控えた年度末スペシャルとして、中高年軽貨物ドライバーの未来を全否定するようなフィクションだかノンフィクションだか微妙な話をしてみたい。
今、好調に軽貨物ドライバーとして走りまくっている人も、行き詰まっている人も、これから軽貨物ドライバーをやってみようと思っている人も、少しの時間を引退間近な爺さん軽ドライバーの戯言にお付き合いくださいませ。
本気にするも一笑に付すも自由でございます。
ただ間違いなく10年後の皆様の視界には今現在では想像もできない景色が広がっていることでしょう。
50歳から地獄?軽貨物運送業の残酷な現実
50歳を過ぎたら、軽貨物運送業はもう地獄への門となる。
かつては活気に満ち溢れて夢を追いかけた仕事が、
それでも必至に眠気と疲労に抗いハンドルを握り続けるでしょう。
収入は年々減少し将来への不安が心の底から湧き上がってくる。
それでも仕事を辞めるわけにはいかない。
家族を養う責任、
軽貨物運送業とは、夢と希望ではなく現実と絶望を突きつける世界。
容赦ない体力・気力の衰え
軽貨物運送業は、体力と気力が必要不可欠な仕事。
しかし50歳を過ぎると、30代40代の時には想像もできなかった体力・気力的衰えが容赦なく訪れる。
かつては軽々と持ち上げることができた荷物が、いつのまにか重く感じて持ち上げられない。
40キロ以上ともなると、腰を痛めるリスクは相当に高くなる。
自分にはそんな荷物は回ってこないと祈るばかり・・・
階段を登るときなどすぐに息があがり、午前中でも疲れてしまう。
前日の疲労だけでもまるで何日も寝ていないような重圧感。朝から
こうなると仕事中に運転事故を起こしたり、
地獄が口を開けて待っているのです。
老後の不安
50歳になる頃からドライバーたちは、
体力・気力的に仕事が続けられるかどうか?収入が減っていくのではないか?ただでさえ会社員より不利な社会保険や年金が将来まで保障されるかどうか?
仕事以外の大事なことに気付き出し、不安な要素はどこまでいっても尽きない。
老後の生活を想像すると心が沈んでしまう。
病気や怪我をして長期休養を余儀なくされたら、
そしてちょっと人身事故でもやらかせば仕事と運転免許は奪われ、下手すれば生活保護を受ける可能性さえある。
軽貨物運送業には、老後に向けた確実な保障は存在しない。
閉ざされた未来
50歳を超えたドライバーにとって、
体力や気力的に他の仕事に対応・順応できないことが多い。ドライバー以外に潰しが効かないとも言われている。
トラックはやる気もなく軽貨物運送業しか続けられないとなると、先に述べたような理由で収入は減少し将来への不安は大きくなるばかり。
まるで地獄の門に閉じ込められたように、
それでも進むしかないのか?
絶望的な状況の中で、
それは家族を養う責任。妻や子供たちを食べさせるために、
そして、もう一つの理由は、プライド。
「意地でも軽貨物で食ってやる!」
実はこのプライドが危ない。
選択肢を持たない中高年の悲惨な未来が見え隠れし始めている。
軽貨物運送業の残酷な現実
何度も警告するが軽貨物ドライバーという働き方は、確実に体力・気力を蝕んでいくのに将来への備えを真剣に考えない人が多い。
50歳を超えてもドライバーたちは、
この何かに憑りつかれたように自腹を切ってまでも働かねばならない過酷な現実を冷静に分析する必要があるのかもしれない。
未来への希望?
軽貨物運送業の未来は、決して明るいとは言えない。しかし、
例えば、自動運転技術の進歩は、
ドローンによる配送も法整備が整えばすぐにでも可能なところまで来ている。
これらは良い方に転ぶのか悪い方に転ぶのか?
自動運転車が普及すればドライバーの負担は軽減されるでしょう。体力・
しかしラストワンマイルまで自動運転・無人配達が進んでくると、今の軽貨物ドライバー人口は過剰とも言える。
ドローン配送が普及すれば更にドライバーは削られるでしょう。
政府や業界団体による取り組みがどうなっていくかも気になる。
まとめ
- 50歳以降も軽貨物運送業を続けることのデメリットは、体力・
気力の低下、収入の下方向への変化、社会保険・ 年金の不安など。 - 物流全体がドライバー不足や高齢化などの問題、過酷な労働環境、低賃金、社会の無理解など、
多くの課題を抱えている。 - こうした課題を解決するためには、政府や業界団体による支援、
そして社会全体の意識改革が必要だが進んでいるとは言い難い。 - 軽貨物ドライバーは、運送業界の多層構造の末端に位置し搾取されまくった残りカスで働かされており、その未来は不透明。
- 軽貨物を辞めた後の職探し(特に50代以降の人)は辞める前からアタリをつけておかないと苦しい。
最後に
50歳を過ぎてもどうしても軽貨物運送業を続けて行くのであれば次の3つを意識しておきたい。
- 見た目の売上よりコストパフォーマンスの向上を意識する
- 高齢者でも無理なく続けられる働き方を探す
- 軽貨物に拘ることなく選択肢と可能性を常に持つこと
要約すれば軽貨物ドライバーである前に、個人事業主=経営者であることを認識すべき。
極端な話、軽貨物ドライバーであるかどうかなんてどうでもいい。
貴方の事業を続けていく方法を考えましょう。ドライバーというのはあくまでも収入手段の一つ。
思い通りにいかないのなら潔く撤退することも地獄から逃れるためには必要。
長く安定して収入が得られる「何か」があれば、配達仕事に固執する必要はないのではないか?
軽貨物ドライバー < 個人事業主
の主従関係を忘れずに!
今回のお話は軽貨物運送業というより高齢ドライバーの危機管理についてでした。
50歳を過ぎればあらゆることが右肩下がりに進行していくと想定して行動すべし。
目の前の景色だけではなく、3年後、5年後を想像しながら動いていきましょう!