軽貨物は戦略的にやる時代!稼ぐことより生き残れ!

先日の「ガイアの夜明け」で軽貨物運送業の世界で今、主流になりつつある配送マッチングサービスのPickGoが取り上げられておりました。

月に110万円稼いだドライバーが紹介され話題になっていますが、ひと昔前までとは全く違ったイメージになりつつある軽貨物の世界。
いったい何が変わったの?

 

運送業って「重労働」「長時間」「稼げない」というイメージがありました。
いや、今でも会社や仕事によっては全く変わっていない環境のところもあります。

従来のイメージを大きく変えたのが配送マッチングサービスです。

これまでの運送業の働き方というのは、多くが早朝から稼働しエンドレスのような荷量と日々格闘し、帰宅は夜遅くなるというようなパターン。
まさに巷で想像されているイメージそのものの働き方です。

昔は相当稼げた仕事だったのでキツくても人は集まって来たし、さほど悪いイメージではなかったようです。

ところが規制緩和で参入ハードルが下がったことから同業者が急増し、仕事獲得のために値引き合戦が始まります。
自らの首を絞めていくような醜い争いにより、運賃相場は下落し稼げない仕事へと変わっていきました。

キツイのに稼げないでは人は来ません。
人材の活性化も起きずにドライバーは高齢化が進み、現在の深刻な人手不足へと繋がっています。

軽貨物の分野でも人件費削減のため、ほとんどの運送会社で正社員ではなく業務委託という形で個人事業主のドライバーと契約しています。

 

運送会社と業務委託契約している軽貨物ドライバーは、宅配仕事の場合は基本的には週5日~6日、1日8時間~という内容で最低限のパッケージ契約をしています。

宅配の場合の報酬は配達個数単価制の完全出来高制。
例えば1個150円で1日100個配達完了すれば日収売上げが15,000円。
ただしここから手数料等を引かれるケースもあり、ガソリン代等の経費は自腹ですから利益として残るのは売上げの7~8割程度。

労働時間を加味して考えた場合、100個程度の配達スキルでは普通に違うバイトしているのと大して変わらない。
むしろ車両の維持費や駐車場代・保険代等を考えたら割が合わないとも言えます。

もちろん配達単価がもっと高いとか配達スキルは150個以上とかであれば状況は変わってきます。
ただ初心者では1日の配達数は10時間走ってもせいぜい70個前後。当然最初は最低時給にも満たない感覚で凹みます。

1ヵ月も経たずに辞めてしまう人が多いのは、スキルが上がり収入が増えだすまで辛抱できないということ。
もしくは休憩時間もろくに取れずに早朝から夜まで働き続けるストレスに耐えられないか。

結局トラックも軽貨物も同じような働き方になり稼げる境地まで続けられないことから、人手不足は一向に解消しないのです。

 

しかし働き方改革という流れが出てきて労働法の一部改変もあり、運送業界も労働時間についてはかなり改善が進んでいます。
そして運送会社も人手不足には背に腹は代えられず、業務委託契約の内容もこれまでのような週40時間以上みたいなパッケージ型ではなく、週1日~、午前中だけ、週末だけ、のようなアラカルト的な働き方を容認するケースが増えています。
これにより副業で軽貨物をすることも可能になり、副業容認の世の流れにも対応することで人を呼び込もうとしています。

 

そして軽貨物という仕事が突然世間の注目を浴び、人気職業に変わったのが配送マッチングサービスの Amazon Flex の登場です。

これまでの日本の働き方のイメージを覆す、「面接無し、登録するだけ」「好きな時に好きなだけ働けます」というコンセプト。請負は基本2時間単位で何パターンか用意されています。
時給換算で2,000円というのも若者のハートに深く刺さったようで、最初の数千人の募集はあっと言う間に締め切られたほど。

1日8時間やれば単純に16,000円というのは既存の宅配仕事と比べても、残業がないため労働時間が限られ魅力的。一般的なバイトの相場と比べてもかなり良い。

そしてほぼ同時期にブレークしたのがウーバーイーツ。
こちらも配送マッチングサービスで自転車・バイク・軽貨物でできることから、Amazonと同時登録している軽ドライバーも多数います。

この「好きな時に好きなだけ働けます」というコンセプトは、特に人手不足に悩む運送業界にインパクトがあったようで、その後も同様のサービスが次々と立ち上がっています。

この流れの恩恵を受けたのが冒頭で触れたPickGo。
Amazon Flexのブームが落ち着いた後、Amazonより更に自由度が高い(時間ではなく案件で請負)ことで、運送業の隙間仕事としても面白い。

ただしこれまでの軽貨物のパッケージ型契約の働き方のように黙っていても仕事にありつけるわけではありません。
1つの案件に対して複数の競合の存在がある。スマホの向こう側では常に無言の競争が起きています。

登録者が続々と増えている中、案件を獲得するには手を挙げているだけでは能がない。どうすれば案件が取れるか?確立を上げる手段はないか?
もはや知力の仕事です。

これからの軽ドライバーにはPDCA(仮説⇒実行⇒検証⇒行動)が必要になってきます。
こうしたらこうなるかな?⇒やってみたらこうなった。
じゃあここをこうすればもっとよくなるね⇒おお!まさにその通り!

自分と働き方を進化させていかなければ稼ぐどころか仕事も取れません。

これは既存の宅配や他の配送形態でも同じ。戦略的に考えてやらないと利益も出ないし時間の無駄。
ダラダラと毎日同じことの繰り返しではせっかく独立して自分で考え行動できる自由を得たのにもったいない。

自分の持っているパフォーマンスを最高に引き出すことを考えましょう。

近未来的軽ドライバーは戦力的に考え行動します。
過去の慣習や常識に縛られていてはいけません!

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