経済制裁で住宅ローン金利20%?
ロシアのウクライナ侵攻問題が大方の予想に反し長びいていますね。
この間、ロシアに対する世界各国による経済制裁は日に日に高まりをみせ、国連の常任理事国である大国のデフォルト(債務不履行)が現実味を帯びてきました。
ロシアだけの問題ではなく世界経済への影響も大きなものになるでしょう。
実は1998年にロシアはデフォルトしたことがあります。
この時は直前のアジア通貨危機による周辺国からの余波とロシア自身の財政悪化が原因でした。
つまり今回のような世界を敵に回す愚行というより、どちらかというと同情を得られる背景があって、償還期限の延長等の救済措置により最悪の事態は避けられたようです。
しかし一度デフォルトした国は、当然ながら信用度は低下してその後の取引等に影響が出ます。
個人の場合なら自己破産した者が一定期間の間はクレジットカードが作れなくなったり就業できない業種が発生するというペナルティを受けると言えばわかりやすい。
債務が緩和・帳消しになるなどしてペナルティが解消すれば、立ち直りを計れるチャンスもあるのですが、懲りずにデフォルトを繰り返す者(国)もある。
アルゼンチンなどはもう何回もデフォルトを繰り返している。
悪い意味で「開き直り」。どうせ俺様を潰せるわけがないという感じか。
アメリカだって毎年のようにデフォルト危機が報じられていますけど、まあこちらは政党の駆け引き的なパフォーマンスと市場は織り込んでいるので混乱はほとんどない。
必ず直前に解決してますしね(^^;)
今回のロシアの場合も何かデフォルトに対して深刻に考えているようにはみえません。
まあ金融経済担当者は事態に直面して真っ青になっているのでしょうが、肝心の大統領が他国侵攻にご熱心で好き放題やっている間はご忠告申し上げることはできないのかな?
そもそも何故あんなに広大な領土を持ちながら更に他国に軍事侵攻してまで領土を広げていきたいのか?
これは中国にも同じことが言えますよね。
社会主義的な国家にありがちな独裁者と周辺のイエスマンによる視界の狭さ。
国民の幸福より権力による野心を優先にされては、領土は広がっても本当に豊かな国とはなれないでしょう。
ウクライナ侵攻の理由の一つとして「NATO(北大西洋条約機構)」への脅威に対抗などと屁理屈を述べていますけど、そもそもNATOが発足した要因がロシア(旧ソ連)危機への集団自衛的軍事同盟なのだと思いませんか?
どちらが脅威なのか、全く理解できていない。
街中で「俺にガン飛ばしただろ?」と一方的な言い掛かりをつけられてはたまったものではない。
ロシアがちょこちょこ周辺国にちょっかいを出さなければ、NATOのような大規模な軍事同盟も必要なかったかもしれないのに。
例え軍事侵攻が目的を達成できたにせよその代償は大きく、ロシアの国際的信用は地に落ちルーブルの価値は暴落。
経済制裁により国内は物・金の流通が怪しくなりインフレ懸念から政策金利も20%まで急騰。
突然に金利20%とか、借金してる人はいきなり破産ですわな。
例えば皆さんが今住宅ローン返済しているとして、突然ローン金利20%にしますとなったらどうします?
それでも頑張ってローンを返済し続けるのか、破産するか、家を売り払うか・・・
住宅ローン金利が20%になると・・・
住宅ローン金利が途中から20%になった場合を検証してみましょう。
借入3000万円、期間35年、固定金利当初10年間0.5%、以降25年間を金利20%、
元利均等、ボーナス併用無し、諸経費等は考慮しない という条件での計算
スタート時は毎月77,875円の返済(うち元金分が65,375円ですが返済額は変わらずに少しづつ元金分の比率が上がっていきます)。
これが10年間続いていきます。
まあ賃貸並み返済で家が買えたと喜んでいる状況ですな。
もちろんマンションの場合は修繕積立や管理費、駐車場、税金等は別途です。
このぐらいなら何とかやっていけると家買っちゃう人、多いですよね?
ずっと今の収入が続いていくと思い込んでますよね?
育児や教育環境を意識している方も多いと思います。
ところが10年を経過して突然の政情不安になったとしましょう!
国家非常事態宣言となり金利政策が緊急大幅に変更。
さすがの融資銀行も客の笑顔より事業存続優先で住宅ローン金利が20%へ!
毎月返済額は368,541円(うち元金分は2,588円に激減)となり、これが25年続いていくのです。
ローン返済だけで月収を超えてしまう家庭もいらっしゃるでしょう。
例え月収が50万円あっても、これでは生活は成り立たない。
結局ローンを完済できたとして、返済総額は119,906,231円。利子だけで89,906,231円。
国のリーダーが過ちを犯すと小市民は生活を失うような打撃を被るということ。
家を売り払うという選択肢しかないのですが、こんな金利で家を買おうという人もいなくなるので結局は売れずに借金だけが重なっていく。
もちろん金利20%の世界は住宅ローンだけではない。
あらゆる消費に多大な金利負担がのしかかり、結局は一般人は自己破産に追いやられていく・・・
今回の流れを一番注視しているのは中国でしょう。
大国であり国の方針がロシアと似ているところが多い。
それだけに今回の西側諸国の団結力と経済政策の影響力には驚きを隠しきれていない。
最近ロシアとの距離感が微妙に変わって言動にも変化がみられます。
ロシアの軍事侵攻が不調に終わり、その代償・お仕置きが功を奏すれば中国の今後の行動にも抑止効果が期待できるかも。
力で何でも手に入れることはできないということ。
世界中から経済制裁を食らえば、大国と言えど大ダメージを受けるのだと。
もし国のリーダーが国民の方を向いているのなら、まずは国民の幸福を優先にするべきだし、自国の国民を幸せに出来る国であれば周辺国の国民だって幸せに出来るはず。
その連鎖を広げていければ地球と言う世界は素晴らしいものになるのですけどね。
上の一文、国のリーダーを会社の社長、国民を従業員に置き換えてみてもいいですね。
会社の私欲より従業員の幸福。従業員が幸せになれば消費も活発になり巡り巡って会社に利をもたらす。
権力・肩書は時に自分を見失う道具となる。
本来なら社会主義や共産主義って貧富の差を無くし平等・公平を謳っていたのではなかったか?
他人に優しくしましょう ってよく聞きますけど、まさに「言うは易く行うは難し」の諺そのものですね。
でもこの諺って中国の「塩鉄論―利議」の一節から生まれているんですよねぇ。
中国の指導者は自国の歴史から学んでいないのかな?
自分より他人を思いやるって、なかなか難しいもんですな。