文句は言うが意見は言わない

今週はドライバーの敵、「暴風雨」と「猛暑」を体験いたしました。

東京近辺では久しぶりの豪雨。平年の5月の雨量の約半分が1日で降った計算。風も最大瞬間風速で19.7メートル。これは屋外で手積み手運びのドライバーには酷な状況です。私も難儀しました。

 

火曜日は上下レインコートで完全防備してましたが、手袋がすぐにグチュグチュになり気持ちが悪い。一応私は雨天時は手袋3セット用意して対応してます。幸い豪雨は1日だけで済み、晴天の有難さを実感すると同時にいきなり感満載の真夏日。5月ってこんなに暑かったでしたっけ?

最近は子供達の運動会も残暑が厳しいということで10月から5月に実施時期を変更する学校が多いようですが、よりによって開催が集中する今週末は予想気温が30度を超すところが多いとのこと。まだ暑さに体が全然馴染めていない状態で真夏日の運動会は熱中症の危険性が相当高まります。延期という英断か、強行開催か、学校側の判断に注目が集まりますね。強行すれば批判されるし延期すれば年度スケジュールにしわ寄せが行く。先生たちも大変だ。

 

最近の異常気象が運送業に及ぼす影響もかなり大きいものがあります。道路事情が悪くなるし視界も悪くなると事故率も格段に高くなる。傘を持つ歩行者側の視界も悪くなるし雨音で車の近づいた気配も消されるので、車・歩行者が互いに注意しないと本当に危険。

ドライバーは予報で予め覚悟出来る状況ならまだしも、ゲリラ豪雨とかとなると対応も難しいし途中の道路で冠水などあろうものならスケジュールは管理不能となる。そこで焦りが生じイライラが増幅することになる。
また、こんな状況を考慮せず相変わらず納品が遅いだの荷物が濡れただの文句を言うお客さんが多いのもドライバーのストレスとなる。事情をわかっているのに会社はドライバーを責める。

 

運送仕事というビジネスモデルには矛盾が多い。人員が確保出来ていないのにキャパに見合った受注をしない。荷主や株主の目を意識し、銀行の好感を得るために見た目の売上を増やすことに精を出すのはわかるが、内容が伴わないので利益率は上がらない。

人が足りないと騒いでいる割には人が集まるような工夫をしない(できない?)。かき集めた仕事を足りないキャパでやりくりしようとすれば、そこに長時間労働・過積載・速度超過は必然となる。法を犯すことがビジネスを存続させる条件みたいな、子供でもわかりそうなことを平気でやる会社とそれを見て見ぬふりして放置している業界・国。

利益の分配もおかしい。本来主役であるはずのドライバーの報酬が低すぎる。それに対して経営者や大きな組織のホワイトカラー組の収入は他の職種と比べても遜色ないレベルであることが多い。他業種と運送業の収入比較に大きな差が生まれているのは、ドライバーの収入が著しく低いから。労働時間が他の業界より長いのも現場の労働時間が長すぎる。

 

これだけ労働対価が低ければ現場から不満が出るのは当然。しかしその不満・文句はドライバーの中で交わされているだけでどこにも伝わっていない。組織を良くしようと思えば意見をぶつけ合うのは当然なのだが、私がこの業界に10年以上いて強く感じているのが、ドライバーがきちんと意見を言えないでいる飼い殺しのような抑圧された環境であること。これではいつまでたっても会社にいいように使われて一生不満を口にして終える人生になる。組合は名ばかりで機能していないし、肩書きの付いている上の立場の者も荷主と株主には意見することは絶対にしない。

つまり自分より立場が上の者には絶対服従。意見はしないという体育会系特有の組織図が出来上がっている。まるでカースト制度のよう。イマドキの労働環境でこういうことやってるから魅力を感じないし人は集まらない。運転仕事をしている人でもスマホを持つのが当たり前の世の中、他の職場環境や労働条件といった情報を得ることも簡単になり、条件の悪い運送業界からどんどん人が離れていっているのに、時代錯誤な組織・環境を変えようともしない。

 

私は軽運送業をやろうと決めた背景には、ドライバーの高齢化と人手不足が進むという未来図がチャンスになるという思惑があったことも事実。実際10年前の時点からその未来図は着々と進行しているのに、これまで業界はこれといった措置を取れていない。ただいたずらに時間が過ぎていくだけで深刻な問題を野放しにしているのは、上の者には意見しないという暗黙のルールがあるからなのか?(笑)

上の者が優れていれば従っていれば良いのかも知れないが、権力に胡坐をかいているような者の下にいるのは不幸です。ドライバーが意見もせず会社の売上を作ってくれている状況がある限りは、組織を変えようとはしないでしょう。皆保身に走っているので意見はしない。だからこの業界は前へ進んでいる感じがしないんです。

不満のあるところに意見がないというのはおかしなことなのです。
そのおかしなことを誰かが変えていかねばならない。
猫に鈴をつけるのは誰か?

それはドライバーがやるべきだと思います。ドライバーこそが物流・運送業界の主役であるべきです。ドライバーの地位向上を本気で望むのであれば、しっかり意見をするべきです。
いつまでも暴風雨の中にいてはいけない。近未来を切り開くのは自分自身です。
私はそんな組織の壁が面倒なのでフリーの立場で自分の思う通りにやってます。

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