無力感

明日は関東エリアでも雪予報となっております。祭日の月曜も雪の可能性だと。3連休に外出予定されている方にはとんだ災難ですね。

しかし北海道では氷点下30度とか玄関ドアが凍って開けられなくなるとか、まだまだ私達も雪が降るぐらいで騒ぐわけにはいきません。

 

とにかく運転仕事する者にとって、大雪とか台風とかになると一気に事故リスクが高まりますし、仕事が優先か身の安全が優先かと悩ましいことになる。一応会社側は「無理するな、安全第一で!」とか言いますけど「配達するな!」とは言ってくれません(笑)経営者の本音はドライバーより荷物・荷主が優先と思っていますので、積雪になっても「何時に届けられる?」とかしれっとドライバーに確認を入れてくる。この悪条件で仕事すれば荷主に評価されると思っている。ドライバーは評価しないくせに。

 

東北・北陸・北海道エリアのドライバーさんには毎度毎度頭が下がります。豪雪の中の配送作業なんて私には想像できません。っていうか豪雪エリアのドライバーの方々はどういう指示のもと業務を遂行されているのでしょうか?市街地ならともかく山村部などにも果敢に配送しに行くのでしょうか?

私も10年以上ドライバーやっている中で、10~20cmぐらいの積雪時に配達した経験はあります。そういう状況では道路もほとんど空いていますし、平地を走っている分にはまだ何とかなる。商業貨物便の配送先は企業や工場が多いので目標がわかりやすく宅配よりはマシかもしれません。大雪時は戸建ての表札も見えなかったり、うっかり路地に入っていったりすると脱出困難になるような積雪になっていることがある。歩道と車道の境目やセンターラインすら見えないし、歩行者も突然転んだりするのでホントに危険極まりない。こんな時は逆に豪雪地域のドライバーさんの方が慣れている分、仕事として成り立つのかも知れませんね。

実際にスリップを経験した人でないと、仕事を断る・中止するという決断に至るのは難しいのかも。スリップが始まってしまった時のハンドルもブレーキも利かないあの無力感。自分の意思とは関係なく進んで行く凶器(車)が起こす結果は悔やんでも悔やみきれないことになる。人身事故・物損事故・荷物事故となればその賠償責任は誰なのか?明らかに強制的に会社の指示下において遂行されていた業務中であればまだ逃げ場はあるが、責任の所在を明確にしないまま荷物を持ち出しトラブルとなれば、まあほぼドライバーの責任として処理されるのではないでしょうか。会社は守ってくれないと思っていた方が良い。

 

スリップ時の無力感って、就職活動時のなかなか採用に至らない時の心境に似たものがあるかも知れない。自分の人生が最初は方向性があったものが、途中から何か自分の意思とは違う方向に動きだして、それを止める手立てがなくなってしまう。「誰か何とかしてくれ~」「もうどこでも良いから止まってくれ~」と。 そしてようやく止まったところ(採用された会社)は、最初に自分が希望していた内容とは大きく違っていたりする。俗に言う「ミスマッチ」というやつ。心身共に疲労疲弊してしまうと正常な判断力を失い、妥協してしまい後悔する。

 

人生をスリップしないためにも、自分の譲れない方向性をしっかり持って行動すべきだと思います。大雪の中、果たして無理して仕事をすべきなのか?「何が何でも配達しなければ」という使命感は、何かあった時に他者に与える損害・迷惑より優先すべきなのか?自分のテクニックを過信していないか?

大自然を相手にする仕事はホントに大変です。自分の経験・想像力・能力を超えた対応を迫られることがままあります。そんな時、無力感が起きないように万全の準備と対策を整えて臨みたいものですね。

なので私は3連休中は運送仕事はしません!(^^;)譲れない方向性っす

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