最低時給1700円
軽運送業を考える時の一つの目安になる「収入」についての持論です。
最初にお断りしておきますが、あくまでも首都圏およびその近隣での諸条件をベースに論じておりますので、全国どこにでも当てはまるわけではございません。地域によりその特性を鑑みてご検討いただければ幸いです。
軽運送業に限らず何かの仕事を考えた時に必ず検討材料になるのが「賃金」。もちろん会社や仕事の内容も大事な要素ですし場所・労働時間・休日なども人により優先順位は違えど決断に至る大事な要素ですね。
軽運送業の場合は仕事内容云々というより「稼げない」という評判が巷で先行しており、開業予備軍の方々からの質問でも「稼げますか?」「月収でどれぐらいになりますか?」という類が圧倒的に多い。質問の前によく考えて頂きたいのが基本は完全出来高制の仕事なので「月収」とか「稼げるかどうか」というのは本人次第です。「月収はどれぐらい?」と質問している時点で頭の中がサラリーマン脳のまま。こういう人はやらない理由を探して決断出来ないタイプと断言できますし、厳しいこと言いますけど開業したとしても自分の限界に挑むことなく早々に去っていくと思います。
とは言っても何かしらの判断材料は知りたいでしょう。私も実際に始めてみてわかってきた事がいくつもありますし、そういう部分を最初に知っていれば無駄に遠回りせずに済むかも知れませんので、参考になれば幸いです。
「収入」という部分を考えた時、正社員という働き方であれば「基本給」「月給」という毎月固定の指標がありますので、検討する上ではわかりやすいですね。これが完全出来高制となると、「配達個数単価」とか「時給」「日給」とかのパーツ的な要素から考えていかねばなりません。同じ仕事をするのでも「やる人」と「やらない人」とでは収入に大きな開きが出て来ます。巷で軽運送業が「稼げない」と論じられているのは、「やらない人」の収入で見てしまうからでしょう。
私が軽運送業の仕事の分岐点と考えているのが、時給換算にした時に最低でも 1700円 という数字を意識してます。
時給1700円というと普通にアルバイト探している人なら「オッ?」と目が止まる金額かも知れませんが、軽運送業は大体経費自腹ですからここから諸経費を差し引いた金額が実質収入となります。ベースとなる経費は「ガソリン代」「駐車場代」「保険代」「車検及びメンテナンス費」が主なところ。最初に申し上げた地域の特性云々というのがこの経費に関わる部分。ガソリン代も地域でまちまちですし駐車場代も同様。保険代やメンテナンス関係は各個人の契約・内容によりますので、経費を全国誰にでも一律に論じることはできません。
経費総額を月割にして、更に算出した月額を月の労働時間で割れば時間当たりの経費単価がわかりますが、ガソリン代やメンテナンス費は不確定要素なので大雑把にカウントするしかありません。現在のガソリン代はリッター140円前後だと思いますので、それをベースに今の私の軽運送業に関する年間経費を換算をすると、おおよそ600,000万円。月額では50,000円となりこれを労働時間で割れば1時間あたりの経費となる。例えば私と同じ経費額で月200時間働くなら労働1時間あたり250円が経費となる。時給換算で1700円の仕事なら実質収入は1450円。普通のバイトよりちょっと良いかな程度が軽運送業をやる最低ラインと考えます。出来れば最低時給として2000円を超えてくれば下手な会社員になるよりずっとストレスも少なく働けると思います。
ちなみに最近取り上げている「アマゾンフレックス」は現在時給1875円の仕事です。この仕事で実質収入を上げていくなら経費を落とす事を考える。荷積み場所と配達エリアが自宅に近ければ近いほどガソリン消費が少なくて済むので実質収入を上げることができます。このブログで「走らないドライバー」というコンセプトを展開しているのも実質収入を上げるための一つの考え方だから。遠方へ移動してするような仕事は時間とガソリン代で無駄が出ます。これは実質収入を引き下げる働き方となるので要注意。
見た目の収入に釣られて仕事を請けてしまうと、労働時間が長かったり経費が嵩んで結局は儲からないなんていう求人はいくらでもありますから、実質収入を見抜く感性は持っていて欲しいのです。ここがわかってくると軽運送業で食っていけます。
あと念のため補足しておきますけど上記の経費には健康保険・年金は含んでおりません。またメンテナンス系の経費ではタイヤ購入交換を年1回としていますがスタッドレスの購入交換を含んでおりません。バッテリー交換と車検は2年に1回として2で割って(1年分の経費)算出、オイルは年3回交換で計算しています。経費の考え方は少し余裕を持っておいた方が良いと思います。不意の出費(ライト切れ、擦り凹みの修繕等)はあるのが普通と考えておきましょう。
私の場合の現在の軽運送業にかかる経費としては月に約50,000円と算出しましたが、メインとサブの軽運送の仕事の収入合計を時給換算してみるとちょうど4000円ぐらい。時間あたりの経費単価は労働時間が少ないので上記の250円よりかなり高くなりますが、それでも時給換算した実質賃金では悪くない。社会保険は複業の方で付けてもらっているし、複業収入がいくつも加わってくるので一般的な会社員よりは楽しく暮らせてます。
労働時間を増やすことなく収入を増やす。もしくは収入を減らすことなく労働時間を減らす。
この2本立ての働き方方針で近未来的軽ドライバーを目指しております。