サブスク 定額制働き放題
サブスクリプション(サブスク)という言葉が日常、多く目にするようになりました。
消費者の価値観が「所有から利用」という方向に変化してきており、モノ・サービスに対して売り切り買い切りではなく、継続性とお得感を意識・演出したビジネスが伸びている。
シェアリングエコノミーや定額○○放題と聞けば何となくサブスクリプションのイメージがおわかりいただけるのでは?
カーシェアやシェアルーム、レンタサイクルなどはもう一般的になりましたよね。また「飲み放題」「食べ放題」「詰め放題」といった目に見えるお得感や、「カケホーダイ」「パケホーダイ」「聴きホーダイ」のような無制限のサービスももはや当たり前の時代になりました。逆に言えば使い切れてしまう価値は魅力を感じなくなっているのかもしれませんんね。
人間の欲深さ・飽きっぽさがよくわかります(笑)
車の維持費や通信費が日常生活において深刻な負担になっている現代社会では、サブスクリプションサービスは必然的に受け入れられている。所有・保有することのリスクを回避でき、使いたい時に使いたいだけ利用できるというサービスが大衆受けするのはこれまでは理屈ではわかっていても、ビジネスとして考えた場合にサービス提供側に旨味が少ないとしてあえて避けていた節がある。
カーシェアリング主体の世の中になってしまったら自動車メーカーはヤバいですよね。絶対にメーカー主導でカーシェアリングなんか普及させませんよね(笑) でも若者の車離れは年々進んでいるし消費者が車に触れる機会すら失ってしまうと自動車業界はホントにヤバい。メーカーもそうだが自動車業界にぶら下がっている数えきれないくらいの下請け工場とか零細企業の命運がかかっている。
更に怖いのは自動運転の技術が進化していくと車の製造は逆に単純化され、既存の自動車メーカー以外にベンチャーや通信関係の企業が参入してくる可能性がある。そうすると車両価格はかなり下げられる反面、既存の自動車メーカーの価格競争力では生き残れなくなる。
ブランドの信頼か価格の有利性か。日産自動車の1万人以上のリストラは日本の自動車メーカーの未来を暗示しているのではないか?
消費者にとって良いことばかりのサブスクリプションに思えますけど、実は日本の労働社会においては古くからサブスクリプション的な働き方が存在する。あればあるだけ仕事をしてしまうという、働き方というより会社に洗脳された人造人間のよう。
会社員の定額制働き放題
毎日のように全国の飲み屋で繰り広げられているサラリーマンの愚痴大会。そのエネルギー源は「定額制働き放題」に端を発しているのではないか?
「稼げねぇ」「定時に上がれねぇ」「また休日出勤だよぉ」・・・
まさに企業・会社側にとっては社員は魅力的なサービスですよねぇ(笑)
労働者が会社にとってのサービス商材としてこき使われているんです。
せっかくお給料という定額を払っているのですから使わなきゃ損々!仕方がないから時々ご機嫌とって(残業代払って)、出がらしになるまで使い倒そう!とか。実際は出がらしになる前に捨てられたり新しい葉っぱ(社員)に交換されたりと、もう商材としてのサイクルも短くなってきている中で労働者はどうやって生き長らえていくのでしょう?
労働時間が長く低賃金と言われている運送業界にも「定額制働き放題」は蔓延している。これは会社だけに責任があるわけではないが、「荷主第一主義信仰」が根強く自ら運賃や仕事を決められないビジネスモデルによるところが大きい。
モノを運んでナンボのビジネスですから極めて単純。売上げを作るにはたくさん運ぶこと。そのためには人と時間があればあるほどよい。しかし人と時間を増やすのと売上げが必ずしも比例しない。限られた人件費を労働人数でシェアすると必然的に一人当たりの賃金は安くなり労働時間が長い(時給換算で低い)ことになる。
このような待遇の働き方に人が応募して来ないのは当たり前。労働法と売上げに矛盾が生じていることを一向に正せないのですから、会社が存続していることの方が不思議。
そんな日本の問題だらけの運送業界に一石を投じてきたのが”ウーバー”であり”アマゾン”です。
「定額制働き放題」から「働く時間を選び放題」というコンセプトに変えた途端、人気の無かったドライバー職に応募が殺到してアマゾンの関東圏の求人募集はアッと言う間に締め切られました。大手運送会社の現役ドライバーもアマゾンに流れたようですし、時給換算での金額も良かったことから適正な働き方と報酬であればドライバー職には人が来ることがわかりました。
これで運送業界の求人内容が一気に変わってしまうかもしれません。求人のアプローチ・賃金や労働時間という待遇・環境面について旧態依然のままの運送会社はかなり厳しい。
「いつ働くか」「どれだけ働くか」ということをドライバーが決めることができるというのは相当大きな魅力として捉えられています。この部分においては普通の会社員でも魅力的でしょう。報酬・賃金面を満足させるためにはより努力が必要になる部分もありますが、収入は自分がどれだけ働くかに連動してくるので納得感はUPする。
「働き放題」のホーダイの部分を誰が決めるのか?
それが働き方改革の1丁目1番地。
自分が労働時間を決め報酬はそれに連動する。完全に自己責任で完結できるのなら不満は出ないはず。
相手に労働時間も報酬も一方的に決められてしまう働き方だからブラックだったり隣の芝生が青く見えたりするんです。
働き方を自分で決めるということを意識して求人を見ると、だいぶ世界観が変わります。
まず勤務時間が8:00~17:00とか9:00~18:00みたいな働き方ばかりなことを「おかしい」と思うようになれば一歩前進。「自分はどうしたい?」の軸が明確になりそれにマッチした求人が見つかればブラックとの遭遇率は低くなるはず。妥協した働き方に危険は潜んでいる。
働き放題で収入も青天井ならまだ救われます。生活が残業代に依存して無限労働地獄に陥っているような働き方になってる人は要注意。企業・会社は労働者が働き続けないと食って行けない程度の待遇しか与えず、労働力と時間を搾取し続けることでサブスクリプションの仕組みを整えている。
私達はサービスを楽しむ側でなければいけない。自分がサービスそのものになってしまって苦しむだけでは何のための人生なのか。
働き方を改善できる余地、いっぱいありますよね?