融通の利かない通勤

日本の近くでいきなり台風が発生して即上陸か?とかホントに勘弁してほしいですね。

令和初の台風は梅雨前線と影響し合って典型的な雨台風となったのも束の間、約1日で温帯低気圧に変わって日本列島の側を駆け抜けて行きました。いつもと違う展開に戸惑った方もいたのでは?

 

台風・大雪・地震・・・ 自然災害の前には人間の無力さを思い知らされます。
地震はともかく台風や大雪は事前にある程度対策を立てることができるはずなのですが、それでも被害を完全にシャットアウト出来ずにいる。そこには「これぐらいなら大丈夫だろう」「まさかこんなことにはなるまい」といった驕りが存在する。痛い目をみなければ学習できないというか自然災害で痛い目をみたらもう次は無いよという危機意識を持たないと。

台風や大雪というと必ず報じられるのが交通機関の混乱。
ある程度混乱することが予想されるのにやっぱり混乱する。特に通勤・帰宅ラッシュ時。多くの人が同じような時間に同じような方向へ大移動するのだから仕方がないだろうと、何か混乱が当たり前という感じで意見する人がいますけど、本当にそうでしょうか?

今回の台風は当初の予想より日本から離れたところを足早に過ぎていったため、首都圏ではさほど大きな混乱はありませんでしたが、前日の報道では朝の通勤時間帯が風雨のピークとされていたので混乱を避けるために家を出るのを早めた人もいたでしょう。この行動も日本人らしいというか、皆が早めに行動をすることで混乱のタイミングがそこにも合ってしまう・・・
混乱を避けるために遅く家を出るという選択肢はあり得ないのでしょうか?

 

何が何でも定時に出勤することも仕事のうちだ!?
私も都内に勤めていた頃は通勤時間片道1時間半という生活を20年間続けていました。台風や大雪時には交通機関の混乱で帰宅に6時間かかったりしたことも経験してますし、朝、JRが動いていないニュースを見てバスや私鉄を乗り継ぎして定時に出勤を目指したことも何度かあった(結局1時間以上遅刻しましたが)。その余計な費用が会社持ちならまだしも自腹だったらその費用をかけてまで出勤を急ぐ価値を感じるかどうか。自腹で苦労して出勤するぐらいならいっそのこと休むか半休取るかした方がよっぽど価値を感じる。

私の場合は遅刻したからといって別に業務に支障をきたした訳でもなく、どちらかというと残業ありきで夜型の業界でしたから「どんなに遅く帰宅しても朝は均一出勤」というスタイルは、若かったから出来た芸当だと今は強く思う。最近はフレックスとかテレワークが定着してきたし「勤務間インターバル制度」もこの春から企業の努力義務と法改正されたので、昔に比べ多少出勤スタイルは緩くなりつつあるとは思いますが、それでも朝の8時台の混雑は客観視すれば異様だしそれを異様と感じないように洗脳された者達で交通機関は溢れかえっている。

 

出勤に規律をもたせないと収拾がつかなくなるほど人間は弱い動物なのでしょうか?

企業側から見れば時間軸に一定のルールを設けることは管理する上で楽になることはわかる。平常時はそれでも良いと思うのですが、通勤上で異常事態が発生しているのに定時出勤を強いることには違和感を覚えませんか?

たまたまその日に朝一番で業務上の約束事があるのであればまあ仕方がない。それは「不運」と割り切るしかない。ただ社内的な事であれば時間を変更するなどの調整は出来ると思う。ましてや台風や大雪などは前日には大方の混乱が予想できるのだし、何が何でも定時出勤しなければならないという融通が利かない勤務体制は逆にその会社の管理能力に疑問を感じてしまう。「予定してしまったことだから」という言い訳に行動を支配されていることがどんなにストレスを生み出していることか。

 

「働くこと」においてはもっと柔軟であるべきだと思うのです。それも働き方改革の一つ。
異常事態なのに定時出勤のルールを守れなかったからと言って遅刻だ何だと騒ぎ立て締め付けようとすることを改革すべし。仕事の本質はそんなことに目くじら立てることじゃないですよね。

私が会社員辞めた理由の一つに「通勤の無駄」を挙げたことはこれまでも書いてきました。1日の8分の1の時間を通勤時間に費やしていた愚。睡眠時間の半分と考えたらホントに馬鹿馬鹿しいですよね。こんな無駄を20年も続けていたのですから我ながら呆れてしまう。

で、徐々に通勤時間を短縮した職場・仕事をいくつか経験し通勤のない働き方として現在に至る。朝起きればもうそこは事務所ですから(笑)まあ実際はどの複業も仕事をするために自宅から15分~20分程度の移動をしますけどサラリーマンの通勤とは雲泥の差です。公共交通機関は使わずに済むし軽運送業の場合は現在従事している本・副業とも仕事開始時間はあくまでも目安であって1時間程度の誤差は問題にならない。シビアな時間指定の荷物はチャーター扱いで別便に組み込まれるので、せいぜい「午前中納品希望」みたいな緩い指定がある程度。企業便は不在がないので先方も受取は柔軟に対応してくれるし宅配の時間指定より全然ストレスがない。

通勤のストレスがない分、労働寿命は伸ばせると感じる。
通勤のための消耗は労働寿命だけでなく寿命そのものを縮めるのではないか?
年金支給開始が70歳以降になる時代、貯蓄が2,000万円あっても足りない老後、少しでも長く働ける環境を真剣に考える時、通勤という要素は結構ウエイトが重くなる。
70歳超の老人達が大挙して通勤地獄を作り出す地獄絵図。
その中の一人になりたいですか?

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